2012年1月20日金曜日

「教科書の再発明」……アップル、iBooks 2をリリース、制作アプリiBooks Authorは無償で提供!

http://www.rbbtoday.com/article/2012/01/20/85294.html

 米アップルは19日(現地時間)、ニューヨークでプレスイベントを行い、iPad向けのアプリとして「iBooks 2.0」を発表するとともに、「Pages」や「Keynote」などのビジネス用アプリケーションと連携して電子書籍を制作できるMac向けアプリ「iBooks Author」を無償で提供することを明らかにした。

 iBooks 2.0はiTunes Storeで、またiBooks AuthorはMac App Storeすでにダウンロード可能。また、iTunes Uについてはビデオ、書類、アプリを完全に教科課程として配信することができる。シラバス(講義の概要)なども任意に配信できるようになるという。iTunes Uは大学以外の高校・中学・小学校向けの配信に対応する。iTunes Uアプリは無償で提供される。

 上述のように、制作については無償のiBooks Authorで可能なため、教員が制作した資料は、学生がiPadさえ持っていればさまざまな場面で活用できるようになる。グラフィックスやムービーなども容易に埋め込むことができ、誰でも短時間で教材の制作が可能だ。

 アップルのフィル・シラー プロダクトマーケティング担当上級副社長は、プレゼンテーションで、「われわれは教科書を再発明(Reinventing Textbooks)するとともに、カリキュラムについても(iTunes Uで)再発明した」と説明。また、iBooks向けに高校用教科書については14.99ドルで販売することも明らかにし、数社の出版社パートナーとすでに協業の合意を取り付けていることも発表した。

2012年1月19日木曜日

日本の電子書籍普及率が低い3つの理由

http://news.nicovideo.jp/watch/nw180150

 日本でiPadが発売され、“電子書籍元年”ともいわれた2010年。紙の本と電子書籍の同時発売などの話題で盛り上がりを見せたが2011年には、市場が少し落ち着いたかのように感じられた。
 一方、アメリカでは電子書籍端末Kindleが浸透し、amazonでは電子書籍が紙の本の売り上げを上回るなど、電子書籍の普及率の高さをうかがえる。それでは、日本がアメリカに比べて電子書籍の普及率が低いのはなぜなのか。
 ダ・ヴィンチ電子ナビで、電子書籍に関する疑問、質問に答えるITライターのまつもとあつし氏がその理由を分析した。

 まつもとあつし氏によると、日本の電子書籍の普及率が低い理由は3つあげられるという。

1.日本とアメリカで本のパッケージ(文庫の存在や大きさや重さ)が異なる。
2.本が作られるプロセスが異なり、販売価格も異なっている。
3.Kindleが実現しているような利便性がまだ多くの国内電子書店では実現されていない。

 まず、1に関しては「日本には新書とか文庫というとても持ち歩きに適した本のフォーマットがあります。北米ではそうではなくて、本は大きくて重いものという捉え方が一般的のようです。もちろん一応ペーパーバックという種類の本はありますが、かなり質の悪い紙を使っていて、しかも分厚いので、お世辞にも読みやすいとは言えません。そんな環境なので、Kindleの薄さと軽さは“紙の本では得られない”メリットとして強いインパクトがあったはずです」と話す。
   
 さらに、Kindleで本を買えば内蔵された通信機能で本が配信されるので本屋さんに行く必要がないが、そもそも日本は世界的にみても書店の数がとても多い。手間がかかるくらいなら、最寄りの駅の本屋さんで手軽に本を買った方が早くて楽だ、というのは現状、合理的な考え方だといえる。

 続いて2に関しては本が作られる過程が日本とアメリカでは大きく異なる点がポイントになる。
「日本では、出版社が著者に原稿を書いてもらって、原稿料を払い、書店に本を流通させる「取次」と呼ばれる会社に本を納入します。その際、まず取次会社から出版社にお金が支払われるんですね。
 対して、北米では、“エージェント”と呼ばれる専門家が著者と契約して本を書いてもらい、出版社と交渉して本を世に出していきます。交渉の過程で販売方法や販売数が練り込まれますし、出版社もリスクをできるだけ小さくするため、マーケティングに工夫を凝らします。

 個人的には日本も少しずつ北米型に移行していくと考えていますが、少なくとも現時点では、紙の本に比べるとリスクが高くなってしまっている電子書籍にどうしても二の足を踏んでしまう会社も多いのも事実です。電子書籍元年と呼ばれた2010年に、電子書籍部門を立ち上げたところも、2011年はまずは、試しにアプリを作ったり、数多く生まれた電子書店に一部の作品を提供して売れ行きを試したり――という形で石橋を叩きながら進んだというのが実態ではないでしょうか?」

 最後に3番目の理由についてはこう話す。
「Kindleがすごいのは、Kindle専用端末だけじゃなく、パソコン、スマホ、タブレットなどいろんなデバイス用のアプリを用意していて、“一度買えば、どの端末でも読むことができる”“どこまで読んだか、どこに下線を引いたか”といった読書情報が同期されるところなんですね。あくまでKindleで買った本に限られますが、自炊したPDFと同じかそれ以上の使い勝手が実現されています」

一方日本の電子書籍は「ある程度、いろんな電子書店で電子書籍アプリを買っていくと、何をどこで買ったのかわからなくなってしまったり、機種変更の際買った電子書籍がどうなるのか、という不安もユーザーの側には出てくると思います。App Storeで買った電子書籍アプリの多くは、たとえばAndroidタブレットには移行できません(ただし、紀伊國屋書店のKinoppy、角川書店のBOOK☆WALKERなどのように移行のための仕組みを備える電子書店も増え始めている)」などの改善点を抱えている。

(ダ・ヴィンチ電子ナビ 「まつもとあつしのそれゆけ!電子書籍」より)

2012年1月18日水曜日

アマゾンのレンタル書籍は月間約30万人が利用、女子高生作家が6000ドル売上

http://japanese.engadget.com/2012/01/17/kindle-library/

本が無料で借りられます。借りますか。アマゾンの有料会員 Amazon Prime メンバーの答えは「もちろん」でした。Amazon Prime メンバー向けにはじまった Kindle の電子書籍レンタルサービス Kindle Owners' Lending Library について、アマゾンが多数の利用があったと例によって実績自慢プレスリリースを発表しています。いわく、12月のあいだに発生した書籍レンタルは29万5000回。最大で月に1度・1冊までレンタルできますので、つまり29万5000人が利用したことになります。

人気を受けてアマゾンはレンタル対象書籍の拡充を進めており、すでに対象タイトルは7万5000冊以上になったとのこと。また、著作権者向けには50万ドルの予算を確保しており、12月ぶんについては1回のレンタルあたり1.7ドル(×29.5万回≒50万ドル)が著者に支払われます。このレンタル予算は1月にはさらに増え、70万ドルとなる予定。

この好調な書籍レンタルを考える上で欠かせないのが、アマゾンが進めるインディー作家・出版社向けサービス Kindle Direct Publishing(KDP)です。KDP に参加した作家・出版社は、前述のレンタル料を得ることもできますし、もちろんアマゾン経由でに Kindle 本を売るということもできます。ただ、レンタルに参加することで、本の売上も伸ばせるというのがアマゾンの言い分。特に KDP のトップ作家10人は、12月だけで売上とレンタル料あわせて7万ドルを稼いだという話で、中には6200ドルを得た16歳の女子高校生(Rachel Yuさん)までいます。

もちろん、参加する作家が増えれば増えるほど、アマゾン / Kindle にとっては利用できるコンテンツが増えるという仕組み。はじめはオンライン書店 Amazon、次は電子書籍端末 Kindle、そして KDP と、アマゾンによる出版市場の包囲網は確実に進んでいます。

2012年1月16日月曜日

Amazonの電子書籍レンタル、著者もユーザーも確かな手ごたえ?

http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1201/16/news070.html

米Amazon.comが昨年末から開始した電子書籍レンタルサービスは、ファンド設立による著者へのインセンティブも働き、初月からインパクトのある数字が並んだ。

 米Amazon.comは1月12日(現地時間)、昨年末から相次いで立ち上げた電子書籍レンタルサービスとそのファンドについて、初月の成果を公開した。

 同社は2011年末、Amazon Prime会員向けに電子書籍のレンタルサービス「Kindle Owners' Lending Library」を開始した。月1冊無料で貸し出しを受けることができる同サービスのラインアップはスタート時で約5000タイトル。米作家エージェント協会やThe Authors Guildなどは既存の出版契約の範疇を超えるものだとして参加出版社に注意を呼び掛けていた。

 その後同社は「KDP Select」と呼ぶ年額600万ドルのファンドを立ち上げ、電子書籍のレンタルから著者や版元が収益を得られる仕組みを構築。KDPとは「Kindle Direct Publishing」の略で、従来は「Kindle Digital Text Platform」(Kindle DTP)と呼ばれていた自己出版サービスのことだ。

 KDP Selectは、KDPで作品を出版しようとする作家や版元に対し、幾つかの要件――一定期間、著書をAmazonのみで販売することやKindle Owners' Lending Libraryでの著書貸し出し――に応じることができる場合に、レンタルされた回数に応じてファンドから配分を受けることができるというもの。

 Amazonによると、Kindle Owners' Lending Libraryは現在7万5000タイトルにまで拡大、2011年12月はKDP Selectが適用されているタイトルだけで29万5000回の貸し出しがあったという。KDP Selectは年間600万ドル、月にならすと50万ドルのファンドなので、同プログラムに参加した作家は著作1回の貸し出しにつき約1.7ドルの支払いを受けたことになる。

 キャロリン・マクレイ氏、アンバー・スコット氏などKDP Selectに参加する人気作家トップ10人に対して同プログラムから12月に支払われたのは総額7万ドルで、販売による印税も含めると、前月から最大449%の伸びとなったとしている。

 KDP Selectの創設によって、電子書籍のレンタルであっても著者に収益機会があることを成果を持って証明したAmazon。この成果を受け、1月分は基金を70万ドル上積みし、著者のさらなる参加につなげたい考えだ。

2012年1月13日金曜日

電子新聞/雑誌コンテンツ配信のビューン、閲覧履歴収集の理由を説明

http://japan.internet.com/busnews/20120113/3.html

ソフトバンク グループで電子新聞/雑誌コンテンツ配信サービスを手がけるビューンは2012年1月12日、NHK が同日「(ビューンが)スマートフォンなどに提供している電子書籍のソフトが、利用者が読んだ雑誌や新聞の内容や閲覧時間などの情報を無断で記録していた」と報じたことを受け、閲覧履歴などのデータを記録している目的と、記録の事実を利用者に告知していなかった理由を説明した。同社では、データから個人を特定する意図はなく、特定も不可能な状態だが、今後は利用規約などにデータ取得することを記載するとしている。

同社はコンテンツ配信サービス「ビューン」と「ビューン for Woman」において、ユーザーが対応スマートフォン用アプリケーションで読んだコンテンツの種類や回数といった閲覧履歴データと端末識別情報を記録し、管理用サーバーで収集している。集めた情報は、閲覧状況に応じた売上金をコンテンツ提供元の新聞社/出版社/テレビ局と分配するためのデータと、30日間の無料試用期間を適用するかどうかの判断材料として利用するという。そのうえで、これら情報から利用者個人の特定する意図はまったくないと説明している。

さらに同社は、収集した情報から利用者を特定することが不可能であるため、「個人情報」と認識していなかったという。今後は、サービス利用規約などを通じて収集の事実を広く告知する方針。

文科省、電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議報告を公表

http://news.braina.com/2012/0112/move_20120112_002____.html

文部科学省は1月10日、2010年10月に設置された、「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」が、14回の検討会議の結果をまとめた報告を公表した。

同検討議会は、2010年3月から6月にかけて総務省、文部科学省、経済産業省が合同で開催した「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」の結果、文科省で検討すべきと指摘された3つの課題、「デジタル・ネットワーク社会における図書館と公共サービスの在り方」 「出版物の権利処理の円滑化」 「出版者への権利付与」のそれぞれについて検討するため設置されたもので、作家、漫画家などの著作者、出版、図書館等の関係者と学術経験者で構成されていた。

報告は、「デジタル・ネットワーク社会における図書館と公共サービスの在り方」については、「国会図書館のデジタル化資料の活用は緊急の課題」として、
同デジタル化資料を、一定の範囲、条件のもとに公立図書館等で利用可能となるよう、著作権法の改正を行うことが適当と述べ、その対象物は、市場における入手が困難な出版物等(電子書籍市場の発展に影響を与えない範囲)としている。さらに利用方法としては、公立図書館等における閲覧とともに、「一定の条件下における複製も認める」としている。また、これらの資料の本文検索サービスの提供が必要として、「画像ファイル形式データのテキスト化が必要」としている。また、デジタル化資料の民間事業者等への提供については、図書館と民間事業者等が連携した新たなビジネスモデルの開発が必要として、有償配信サービスの限定的、実験的な事業の実施の検討も必要としている。

「出版物の権利処理の円滑化」については、、(1) 中小出版者や配信事業者など多様な主体によるビジネス展開の実現、(1) 孤児作品(権利者不明作品)等の権利処理の円滑化を目的とした「権利処理を円滑に行うための仕組み」の整備することが必要として、「出版物に関する情報を集中的に管理する取組」「権利処理の窓口的な機能を果たす取組」「権利処理に係る紛争の処理に資する取組」の実現に向けて、権利者、出版者、配信事業者等の関係者間の具体的な協議を行うとともに、文科省等の関係府省の積極的な関与、支援が重要としている。

「出版者への権利(著作隣接権)付与」については、出版者から「電子書籍の流通と利用の促進」と「出版物に係る権利侵害への対応」の2つの観点から、その必要性等が主張されたが、新たな権利者が増えることは配信事業者等の電子書籍市場への新規参入を阻む可能性があり、電子書籍市場に与える影響について、経済的、社会的検証を行うことが必要との意見もあり、出版者等が中心となり、その電子書籍市場に与える全般的な影響について検証が必要で、また、法制面における課題の整理等については、文化庁にで専門的な検討を実施するとされた。その上で、電子書籍市場の動向を注視しつつの意見を踏まえ、制度的対応も含めて、早急な検討を行うことが適当。国民各層にわたる幅広い立場からの意見を踏まえ、制度的対応も含めて、早急な検討を行うとして、「要継続検討」という結論となっている。

【詳細】「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する検討会議」報告の公表

2012年1月11日水曜日

米Barnes & Noble、赤字拡大を受け電子書籍事業「Nook」売却を模索

http://androwire.jp/articles/2012/01/10/03/

急拡大を続けていた米国の大手書店チェーンが岐路に差し掛かっている。米Barnes & Nobleは1月5日(現地時間)、現在同社が展開している電子書籍ビジネス「Nook」の事業分離を模索していることを発表した。Nookは同社にとって急成長事業である一方で、立ち上げ期のコスト負担の問題を抱えている。米国書店チェーン最大手の将来の生き残りをかけた選択はどのような結果をもたらすのだろうか。

2000年代前半まではライバルのBordersとともに全米に急激に店舗展開を行っていたBarnes & Nobleだが、採算性の悪化により拠点統合が進みつつあり、最終的に破綻したBordersの一部店舗や事業を受け継ぐ形でリテール事業を維持しており、現在に至る。この背景にはオンラインストアの米Amazon.comの攻勢があり、顧客争奪戦で既存の書店チェーンが不利に立たされたこともあるとみられる。また、ここ数年はAmazon.comのKindleに代表される電子書籍の利用が急拡大しており、こうした新技術が紙の書籍の売上に影響を及ぼした可能性も考えられるだろう。Barnes & Nobleは小売店舗事業だけでなく、これまでにもオンライン事業に力を入れているほか、最近では「Nook」と呼ばれる電子書籍端末と、それに提供される電子書籍コンテンツの拡充を行っており、Amazon.comならびにKindleへの対抗を強めている。今回のBarnes & NobleのNook事業分離も、こうした情勢の変化が背景にある。

Barnes & Nobleが5日に発表した同社会計年度で2012年度の決算ガイダンスによれば、大学キャンパス等で展開しているBarnes & Noble Collegeを含む既存の書店事業の見通しはほぼ横ばい。一方でNookを含むオンライン事業のBN.comが40-50%の増加見込みとしている。BN.comでの紙の書籍販売は減少しているものの、急成長中の電子書籍コンテンツ売上は伸びており、相対的に電子書籍の占める比率が高くなっている。つまり、同社の成長要素は電子書籍事業に集約されているといえる。一方でNOOK Simple Touchの売上減少や、Nook事業への継続投資、さらに販売地域拡大に向けた広告費用等が重石となり、同年度の最終的な損失(EPS/LPS)は当初予想よりも高い1株あたり1.40ドルから1.10ドルの水準を見込んでいるという。こうした報告を受け、5日の同社株は取引終了時点で11.24ドルと前日比17%の急落を見せている。

損失が急拡大したことで、同社は株主らからのプレッシャーが強まっている。成長の余地がないながら比較的安定した収入を得ている既存の書店事業と、急成長が見込めるが初期投資負担が大きい電子書籍事業の両立が難しくなっていることが、今回の事業分離判断へとつながっている。Barnes & Nobleとしては今後縮小が見込まれる既存の書店事業から電子書籍事業へのシフトを模索して継続投資を行っているものの、投資家視点からみて許容範囲を超えつつあるのがその理由だ。Nookの最大のライバルはKindleであり、その競合のためにマーケティング費用や端末販売負担が大きくなるためだ。そのため、Barnes & Nobleは高コスト事業であるNookの売却を模索しなければならない状態に追い込まれつつある。最終的に2つの組織に事業分離するのか、あるいは潜在的な事業買収者が現れて事業を売却するのか、そう遠くない時期に改めて発表が行われることになるだろう。またWall Street Journalによれば、同社は出版事業であるSterling Publishing(2003年に買収)の売却も模索しており、赤字拡大から事業整理を積極的に進めつつある。