2011年4月16日土曜日

加Kobo、欧州での電子書籍ストア出店を加速、各国語対応Kobo電子書籍端末も提供

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2304

【編集部記事】電子書籍ベンチャーのKobo社(本社:カナダ・オンタリオ州)は、今週英国で開催されていたLondon Book Fair展示会場で欧州市場への本格参入計画を明らかにした模様。

 同社は今月5月にドイツとスペインで電子書籍書店を開店すると発表しており、さらに6月までにフランス、イタリア、オランダでも開店して各国の書籍・雑誌・新聞を購読可能にする。Kobo電子書籍端末のローカライズ版も併せて提供し、ダウンロードした電子書籍を自動的に自国語に翻訳できるようにする。

 同社は「欧州の電子書籍市場は北米より1年半遅れており、競合企業より早く電子書籍の提供を開始したい」と述べている。【hon.jp】 

2011年4月15日金曜日

MM総研、電子書籍サービスおよび電子書籍端末の市場展望を発表

http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=278398&lindID=2

電子書籍サービスおよび電子書籍端末の市場展望

■紙の書籍(雑誌・マンガ・写真集含む)の新品・中古含めた年間購入金額は2 兆5,378億円
■2010年度の電子書籍サービス市場規模は640億円
■電子書籍サービスの市場規模は2015年度に3,501億円まで拡大
■電子書籍端末の市場規模は2010年度113万台から2015年度639万台に拡大


 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は4月14日、国内最大級のインターネットアンケートサービスを運営する「クロス・マーケティング(※1)」のモニターを活用して、15歳以上のインターネット利用者2500名に対するWEBアンケート調査を実施。携帯電話市場におけるスマートフォンへのシフトや、iPadをはじめとしたタブレット端末の登場に伴い、今後の成長が期待される電子書籍サービスおよび電子書籍端末の市場規模についてまとめた。

■紙の書籍(雑誌・マンガ・写真集含む)の購入金額は2兆5,378億円
 電子書籍市場を分析する前提として、まずは紙の書籍の市場規模について分析した。アンケートの結果、2010年度における新品・中古の紙の書籍(雑誌・マンガ・写真集含む)の購入金額は2兆5,378億円となった。「書籍」と「雑誌・マンガ・写真集」の内訳でみると、「書籍」が1兆7,321億円、「雑誌・マンガ・写真集」が8,057億円となった。

■電子書籍の認知度は92.5%、利用者は18.5%
 電子書籍の認知度は「知っている」が92.5%(2,312人)で非常に高いものとなった。2010年における電子書籍の利用状況は「有料コンテンツ利用」が5.1%(127人)、「無料コンテンツのみ利用」が13.4%(335人)で有料・無料利用を合わせて18.5%(462人)が利用していると回答した。(図1,2)

■電子書籍を読む端末は「携帯電話・PHS」が28.8%で最多
 有料・無料を問わず電子書籍を利用すると回答した462人に電子書籍を読むのに最も利用する端末を質問した結果、「携帯電話・PHS」が28.8%(133人)、「デスクトップPC」23.4%(108人)、「ノートPC」19.7%(91人)、「iPhone」11.3%(52人)、「iPad」5.4%(25人)の順となった。(図3)

■2010年度の電子書籍サービス市場は640億円
 有料電子書籍の利用者127人に電子書籍の利用ジャンルおよび購入金額を分析した結果、2010年度の電子書籍サービス市場は640億円となった。「書籍」と「雑誌・マンガ・写真集」の内訳でみると、「書籍」が362億円、「雑誌・マンガ・写真集」が278億円となった。全23ジャンル中で「マンガ・コミック単行本」の約162億円が最も大きな金額となり、電子書籍サービス市場全体の25%を占める結果となった。(図5)

■今後の電子書籍の利用意向は62%
 今後の電子書籍利用意向を質問した結果、「利用したい」が15.5%(388人)、「利用を検討したい」が46.5%(1163人)で合わせて62%(1551人)が利用意向を示した。反対に「利用したくない」は36.9%(923人)となった。(図4)
 利用意向を示した1551人に電子書籍を利用したい理由を質問した結果、「書籍の保管に場所をとらない」が57.5%(892人)が最も高く、次いで「いつでもどこでも書籍を読める・購入できる」48.6%(754人)、「多くの書籍を持ち運べる」41.6%(645人)の順となった。
 「利用したくない」と回答した923人にその理由を質問した結果、「紙で書籍を読むことに慣れている」が43.6%(402人)で最も高く、次いで「電子画面で書籍を読むのは疲れる」40.0%(369人)、「専用の端末を持っていない」38.7%(357人)の順となった。
 利用意向に関係なく、2500人に「今後どのようになれば電子書籍の利用意向が上昇するか」を質問した結果、「専用端末の価格が安くなったら」44.2%(1105人)、「紙の書籍よりも電子書籍のコンテンツが安くなったら」30.4%(759人)、「読みたい作品が電子書籍化されたら」29.8%(746人)、「電子書籍コンテンツの品揃えが増えたら」25.5%(638人)の順となった。

■2015年度の電子書籍サービス市場規模は3,501億円と予測
 MM総研では電子書籍サービス市場は2010年度の640億円から2015年度には3,501億円まで拡大し、年平均成長率は40.5%になると予測する。成長著しいジャンルとしては書籍の「医療・学問・語学・資格・就職・参考書・辞典」、「趣味・生活・実用」、「推理・ミステリー・ホラー・SF」の金額規模がそれぞれ300億円以上になる見通しとなった。(図5)

■電子書籍端末の市場規模は2010年度113万台から2015年度には639万台まで拡大と予測
 MM総研では本リリースにおける電子書籍端末として電子書籍専用端末およびタブレット端末を位置づけている。タブレット端末とは無線LANや移動通信によるインターネットや動画・音楽などのマルチメディア機能を備え、スマートフォン同様のiOSやAndroidOSを搭載し、5インチ以上のディスプレイを備えたタブレット型の端末と定義している。タブレットPCとは区別しており、タブレットはメディアタブレットや多機能情報端末とも表現されている。
 2500人に今後の電子書籍専用端末やタブレット端末の購入意向を質問した結果、「購入したい」が8.0%(200人)、「購入を検討したい」が48.1%(1,203人)となり、合わせて56.1%が購入意向を示した。

 2010年度では113万台の電子書籍端末が2015年度には639万台まで拡大し、年平均成長率は41.4%になると予測する。電子書籍専用端末は2010年度の16万台から2015年度には198万台、タブレット端末は2010年度の97万台から2015年度には441万台までそれぞれ拡大すると予測する。(図6)
 また、電子書籍端末の利用者数は2010年度末の113万人から2015年度末には1,696万人まで拡大すると予測。電子書籍専用端末利用者は2010年度末の16万人から2015年度末には506万人、タブレット端末利用者は2010年度末の97万人から2015年度末には1,190万人までそれぞれ拡大すると予測する。

■電子新聞の有料版利用状況は0.9%と僅か、今後の有料版電子新聞の利用意向は30.7%
 電子書籍とは別に、電子新聞の認知度・利用状況や今後の利用意向について質問した。電子新聞の認知度は「知っている」が46.8%(1170人)、電子新聞の利用状況は「有料コンテンツ利用」が0.9%(22人)、「無料コンテンツのみ利用」が11.7%(292人)となり、合わせて12.6%(314人)となった。
 今後の有料版電子新聞の利用意向を質問した結果、「利用したい」が3.4%(84人)、「利用を検討したい」が27.3%(682人)で合わせて30.7%(766人)が利用意向を示した。

 今後は国内・海外を問わず複数メーカーからの電子書籍専用端末やタブレット端末が登場することも想定されており、出版業界や携帯電話キャリアの取り組みや連携強化により、電子書籍市場が拡大することは間違いないだろう。MM総研では電子書籍市場が拡大するための最大のポイントはコンテンツの品揃えと紙の書籍よりもリーズナブルな価格設定であると分析する。


■調査概要
1.調査対象: PCによるインターネット利用者(15歳以上の男性・女性)
2.調査方法: Webアンケート
3.回答数 : 2500人(男性:1,250人/女性:1,250人)
4.調査期間: 【WEBアンケート期間】:2011年1月7日~1月12日
          【分析期間】2011年1月13日~3月28日

ヤッパとSBPSが電子書籍用決済システムで提携

ヤッパとソフトバンク・ペイメント・サービス(SBPS)は2011年4月13日、ヤッパが提供する電子書籍ソリューション「Spin Media」とSBPSが提供する「オンライン決済ASP」とのシステム連携について合意し、電子書籍専用の決済システムの提供を開始すると発表した。
図 Android用決済画面のイメージ
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図 Android用決済画面のイメージ
 ヤッパが提供する「Spin Media」は、雑誌、新聞、マンガ、カタログなどの印刷物を独自技術でデジタル化し、パソコンや携帯電話機、iPhone、Android端末に紙面同様のレイアウトで配信できる。SBPSが提供する「オンライン決済ASP」は、各種の決済手段の提供だけでなく、決済に関わる手続きや金融機関との契約、収納代金の入金管理までをサポートする。
 今回、Spin Mediaとオンライン決済ASPが連携することで、Spin Mediaを利用する電子書籍配信事業者は、クレジットカードや携帯キャリア決済(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルに対応)、プリペイドカード、電子マネー(Cyber Edy、Mobile Edy、モバイルSuica)など、電子書籍配信に必要な決済手段をまとめて導入できる。
 SBPSの決済画面は、パソコンや携帯電話機、iPhone、iPad、Android端末にも対応しており、どの端末から利用しても違和感のないユーザーインタフェースを実現しているという。

フランス国立図書館が年間7万冊をOCRスキャンする体制に、一部をEPUB電子書籍にも変換

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2301

【編集部記事】フランス国立図書館(本部:フランス・パリ市)は現地時間の4月12日、同館が運営する電子図書館サイト「Gallica」向けに今後3年間、7万冊/年ペースで書籍のOCRスキャンを行なうことを発表した。

 対象となるのは、同館および提携図書館の所蔵書籍。実際のOCRスキャン作業は仏ドキュメント電子化大手Safig社(本社:フランス・パリ市)や米BancTec社(本社:米国テキサス州)の現地法人などが行なう。OCR化された作品の一部はEPUB電子書籍にも変換されるとのこと。【hon.jp】 

2011年4月14日木曜日

米Bookbaby、電子書籍の個人作家向け表紙デザインサービスを提供開始、基本プランは99ドル

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2295

【編集部記事】Bookbaby社(本社:米国オレゴン州)は現地時間4月4日、電子書籍の個人作家向けの表紙制作サービス「BookBaby Cover Design」を開始した。

 この表紙デザインサービスは、シンプルなデザインの基本コースが99ドル(8,280円)、複雑なデザインのデラックス・コースが199ドル(16,650円)。同社は「電子書籍の表紙は重要な販促ツール。同プログラムにより、個人出版者が熟練デザイナーが制作する表紙を利用できるようになる」と述べている。

 BookBaby社は米インディーズ音楽配信最大手のCDBaby社(同)の電子書籍専門取次会社で、作品がいくら売れても仲介料率を取らないというビジネス方式と、Wordファイルを無料でEPUBに変換するサービスなどをウリとしている。【hon.jp】 

2011年4月13日水曜日

本体価格を114ドルに、米Amazonが電子書籍端末「Kindle」の広告モデル型「Kindle with Special Offers」を発表

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2290

【編集部記事】Amazon社(本社:米国ワシントン州)は現地時間の4月11日、同社が販売する電子書籍端末「Kindle」シリーズの新モデルとなる「Kindle with Special Offers」を114ドル(約9,600円)で発売することを発表した。

 Kindle with Special Offersは、ハードウェア的には現行139ドル(約11,700円)のWiFi版Kindleと同じものだが、OS側が変更され、ホーム画面の下部およびスクリーンセーバーで広告・クーポン表示が行なわれる。発売当初は、Amazon社による限定クーポンや広告の表示が中心となる模様。

 Amazon側によると、作品自体に広告表示されるわけではないので、読書中の邪魔にならないとのこと。【hon.jp】 

Webブラウザ上でそのまま再生、パピレス「電子貸本Renta!」でオーディオブックのレンタルサービスを開始

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2293

【編集部記事】株式会社パピレス(本社:東京都豊島区)は4月12日、同社が運営するマルチプラットフォーム対応の電子書籍レンタルサイト「電子貸本Renta!」において、オーディオブックのレンタルも開始したことを発表した。

 通常、オーディオブックの購入ではダウンロード作業や再生アプリが必要だが、今回の新サービスではWebブラウザ上で直接音声再生できるようになっており、事前のセットアップが不要となっている。すでにパソコン「電子貸本Renta!」で人気BL小説やハーレクイン作品のオーディオブック版がレンタル開始されており、今後も毎月40~50作品を目標に順次追加していく予定だ。

 「電子貸本Renta!」は電子書籍1冊を最低100円から48時間(作品によっては無期限)レンタル提供するクラウド型電子書籍サービスで、すでにパソコンや高機能3G携帯電話、iPad・iPhone・Android等にもサービス提供している。【hon.jp】 

2011年4月12日火曜日

アドビが「Adobe Creative Suite 5.5」日本語版を発表、InDesignはEPUB3形式の電子書籍制作に対応

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2287

【編集部記事】アドビ システムズ株式会社(本社:東京都品川区)は4月11日、同社がWindows/Mac向けに販売するプロクリエイター向けソフトパッケージ「Adobe Creative Suite」の最新版となる「Adobe Creative Suite 5.5」日本語版を発表した。

 5月下旬から発売が予定されているこのAdobe Creative Suite 5.5パッケージでは、DTPソフト「Adobe InDesign」「Adobe Dreamweaver」「Adobe Flash Professional」などのバージョン番号が「CS 5.5」にアップグレード。とくに電子書籍関係者たちが注目するDTPソフト「Adobe InDesign」については、この新バージョンでEPUB3形式の電子書籍制作などにも正式対応している。

 なお、「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」はバージョンアップはなく、従来どおり「CS5」のまま同梱されるとのこと。販売パッケージと価格は、同梱ソフトの内容に応じて5種類(19万8,450円~39万7,950円)。【hon.jp】