2011年9月16日金曜日

電子書籍の市場拡大へ、主要出版20社が新会社

http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20110915-OYT1T00897.htm

講談社、小学館、集英社など主要出版社20社は15日、電子書籍の普及促進を目的にした新会社「出版デジタル機構(仮称)」を今冬にも設立することで合意したと発表した。

各社でデジタル化した出版物のデータをまとめて保管するほか、各電子書店への配信や著作権者への収益分配の支援などを行い、電子書籍市場の拡大を促す。アマゾンなど海外勢の進出が予想される中、国内の市場基盤を固めるのが目的で、今後、ほかの出版社にも広く参加を呼びかける。

http://www.pot.co.jp/news/20110914_232615493925385.html?preview=true

2011年9月14日水曜日

英語圏の電子書籍市場はまだまだ急拡大中、仏Hachette Livreは現地売上の20%を突破、Random Houseは200%成長

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2717

今月に入り欧州系出版グループの業績発表が相次いでいるが、それらによると米・英など英語圏での電子書籍売上が相変わらず急拡大している模様。

たとえば独Bertelsmannグループの大手出版社Random House社(本社:米国ニューヨーク州)は電子書籍部門の2011年前期の売上がすでに2010年通期合計を突破するなど、200%成長のペース。仏Hachette Livre社(フランス・パリ市)も米国部門で売上の20%を突破した模様。その他の大手出版社でも、全体に対する電子書籍の売上比率が10~20%のレンジに到達している。

米アマゾン、電子書籍ライブラリーで出版社と交渉

http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-23140620110912

[ニューヨーク 11日 ロイター] 米オンライン小売り大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O: 株価, 企業情報, レポート)が、タブレット端末や電子書籍向けのライブラリーサービスの立ち上げに向け、複数の出版社と協議中であることが分かった。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が11日伝えた。

情報筋の話として同紙が伝えたところによると、このライブラリーサービスは年会費制で、オンラインDVDレンタルのネットフリックス(NFLX.O: 株価, 企業情報, レポート)に似たサービスだという。協議がどの程度進んでいるかについては不明だとしている。

同紙によると、出版業界の複数の幹部は、自社書籍の価格低下や他の小売業者との関係から、この提案にあまり乗り気ではないという。

アマゾンからのコメントは今のところ得られていない。

また同紙は、電子書籍端末「キンドル」を販売する同社が、米アップルの「iPad(アイパッド)」に対抗するタブレット端末を向こう数週間以内に発売する予定だと報じている。

電子書籍は「紙の本の電子読み」を超える 情報の「連係」でメディアは激変する - 村上憲郎のグローバル羅針盤

http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A90889DE1E6E5E0EAE1E1E2E3E0E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;dg=1;p=9694E0E5E2EAE0E2E3E3E1EBE1E0

「電子書籍」というものがある。日本でも昨年は、「その元年だ」ともいわれたような記憶がある。しかし、率直に言って、私は、いま現在「電子書籍」と呼ばれているものは、単なる「紙の本の電子読み」にしかすぎないと思っている。

ということは、お察しの通り、私の想う電子書籍は、いま言われているものとは、全く異なる。どのようなものかという話の前に、現状の「電子書籍」を、私なりに概観してみよう。

これまで世界で紙に印刷されて出版された書籍のうち、ざっくり20%が書店で買えるらしい。分かりやすく言えば、それだけの本がAmazonで新品の紙の本として購入できるわけだ。

その内の何%が、Kindle(Amazonの端末)向けの「電子書籍」として買えるのか、寡聞にして知らないが、約100万冊が、買えると言われている。少なくとも米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストのほとんどは買えるようだ。

さて、米国での書籍の出版は、通常、ハードカバー版がまず売り出され、同時か少し間をおいて、Kindle版、そして、最後にペーパーバック版という順番になる。

各版の価格も、最終的にこの順番になるが、定価(リストプライス)は、ハードカバー版とKindle版は同額、半年~1年程の時間をおいて出版されるペーパーバック版は、ペーパーバック版の出版予告時点でのKindle版の実勢価格より、やや高めに設定される。ただし、ペーパーバック版の出版時の実勢価格は、最初からその定価を下回っているのが通常だ。

この事実は、古書を除き、書籍が定価でしか販売されない日本と違い、米国の書籍販売の価格政策の精妙さを感じさせるが、今日はそれが主題ではないので、この点には深く立ち入らない。

注目すべきは、Kindle版は「紙の本の電子読み」用だということが、この価格政策に端的に表れているということだ。

しかし、「Kindle版は、単なる『紙の本の電子読み』用とはいえない」という反論も聞こえてくる。

曰(いわ)く、「通信さえつながっていれば、書籍を瞬時に購入・ダウンロードして読める」「購入した書籍を最大数千冊も、持ち歩ける」「辞書機能を使えば、一発で単語が引ける」「所有しているKindle版の横断的検索ができる」等々だ。

「なるほど」と私も思うが、辞書機能と検索機能を除き、やはり「紙の本の電子読み」用だという見解を変える気にはならない。ただし、辞書機能と検索機能からは、私の言う所の本来の電子書籍の片鱗(りん)が垣間見えることは否定できない。

ということで、いよいよ、来るべき電子書籍への、私の羅針盤の見立てである。

辞書機能と検索機能に垣間見えているのは、書籍の「連係」の姿である。Kindleの辞書機能は、「今読んでいる本」と「辞書」という、2つの本の連係にすぎないが、検索機能が示唆しているのは、来るべき本来の電子書籍が持つであろう、複数の、そして最終的には、全ての本との連係の可能性である。

その連係が拡大するにつれて、ノンフィクション本における引用・脚注・巻末の参考文献リストの形態が、激変するはずだ。著者は、そのような新しい機能・形態を前提として、電子書籍を書き始めるであろう。その時、紙の本の終わりが始まるのだ。なぜなら、そのような機能と形態を手に入れた著者たちは、徐々に紙の本を書かなくなるからである。

そして、その連係は、図・写真、さらには動画に及び、ついには、著者自ら、あるいは、専門のレクチャラー(解説者)が動画に登場して、図・写真・動画を使いながら、解説を始めるに至るであろう。紙の本を含む他の書籍への導線を引くことも可能だ。

ついに、電子書籍は、読むだけのものでなく、観るもの、聞くものとなるであろう。「読者(と引き続き呼んでおこう)」は、今「読んでいる」電子書籍の薦める導線を辿(たど)るだけでなく、自らも積極的に関連電子書籍や図・写真・動画を検索し、渡り歩くであろう。

「それはもはや書籍ではない」という反論が聞こえる。“So what?(それが何か?)”とだけ答えておこう。

以上のことは、フィクション本では、さらに過激に起こるはずだ。小説と絵本とマンガと映画の見分けがつかなくなる。章・巻・Part等は、購入の単位としては残るだろうが、「読む・観る」単位としての意味を徐々に失うであろう。

「私は、文学者だ」という叫びが聞こえる。“Please be yourself.(どうぞ)”とだけ答えておこう。

購入については、フィクション、ノンフィクションにかかわらず、連係・引用・参照・導線に基づく、いわゆるフェアユース(公正利用)ルールと、コンテンツ購入の決済手段が、整備されるであろう。

そして、このようなクロスメディアとしての本来の来るべき電子書籍の主たる舞台装置は、第2回で紹介した、スマートフォン(高機能携帯電話)とタブレット端末とデジタルTV(テレビ)が合流するスマートTVである。

ここに至る過程で、ノンフィクション「本(と引き続き呼んでおこう)」においても、フィクション「本」においても、「出版社(と引き続き呼んでおこう)」や「編集者(と引き続き呼んでおこう)」の役割は、増大することはあっても、減少することはない。もちろん、自らの役割の多機能化に対応できれば、ではあるが。

クールジャパンと呼ばれる独特のメディア感性に満ちた日本のクリエーターを支えてきた、日本の出版社・編集者が、単なる「紙の本の電子読み」さえ実現できずにいる現状を一刻も早く抜け出し、来るべき壮大なる電子書籍への第一歩を、世界に先駆けて踏み出されんことを、心から祈りつつ、第3回を終わりたい。

成長するウォークマン、Android搭載の「MW-Z1000シリーズ」登場

http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1109/13/news085.html

ソニーは、Androidを搭載した“ウォークマン”MW-Z1000シリーズを12月に発売する。さまざまなジャンルのアプリを追加できる「まさに成長するウォークマン」(ソニー)だ。

 ソニーは9月13日、Androidを搭載した“ウォークマン”MW-Z1000シリーズを発表した。Androidマーケットに対応し、さまざまなジャンルのアプリを追加できる「まさに成長するウォークマン」(ソニー)。ブラックとレッドの2色を12月10日に発売する。

 MW-Z1000シリーズは、内蔵メモリ容量によって3モデルをラインアップ。価格はすべてオープンプライスで、店頭では16Gバイトの「NW-Z1050」が2万8000円前後、32Gバイトの「NW-Z1060」は3万3000円前後、64Gバイトの「NW-Z1070」は4万3000円前後になる見込みだ。なお、ソニーストア限定モデルとしてホワイトを基調とした64Gバイトモデルも用意する。

 なだらかな曲線を描く本体は、上下を厚めにした“Inflection Surface Form”と呼ばれるデザイン。ゲームや動画閲覧の際に横向きにしても安定して保持できるという。プロセッサーにはNVIDIA「Tegra 2」を採用し、主にスマートフォンに採用されているAndroid 2.3と組み合わせた。デュアルコアプロセッサの搭載で、高速なWebブラウジングやフルHD動画再生も可能という。

 4.3型の液晶画面は、空気層をなくした「エアギャップレス構造」により、映り込みや反射を低減。解像度はWVGA(480×800ピクセル)解像度となっている。通信手段としてIEEE 802.11b/g/n準拠の無線LANのほか、Bluetoothをサポート(プロファイルはAVRCP、A2DP、OPP)。また、本体にHDMI端子(D Type)を備え、本体内の動画や静止画はもちろん、Youtube動画やWebブラウザ画面なども大画面テレビに出力できる。

 ウォークマンならではの機能として、まず本体側面の「W.ボタン」が挙げられる。W.ボタンは、画面の状態にかかわらず、いつでも音楽プレーヤーを呼び出せるというもの。例えばWebブラウザやゲームを使っているときでも、ボタン1つで小さなコントロール画面を表示し、再生/停止や曲送り/曲戻しなどの基本操作が行える仕組みだ。

 音質面では、同時リリースの「NW-A860シリーズ」と同じ「6つのクリアオーディオテクノロジー」を採用しており、ともに「ウォークマン史上最高音質」(ソニー)をうたう。

 6つの技術とは、独自のフルデジタルアンプをモバイル機器向けに最適化した「S-Master MX」、周囲の騒音を約98%カットする「デジタルノイズキャンセリング」、圧縮で失われる高音域をクリアに再生する「DSEE」(Digital Sound Enhancement Engine)、ヘッドフォンに音を出力する過程で生じていた左右の音の混在を抑制する「CLEAR STEREO」、音のひずみを抑えたバスブースト機能「CLEAR BASS」、そして13.5ミリ径のドライバーユニットを採用した密閉型ヘッドフォン「EXヘッドフォン」が含まれる。

 オリジナルアプリは、音楽プレーヤーの「W.ミュージック」をはじめ、「おまかせチャンネル」「歌詞ピタ」「ちょい聞きmora」「DLNA」など豊富だ。W.ミュージックは、通常の「ライブラリ」や「カバーアートビュー」に加え、「おまかせチャンネル」という選曲モードを用意。おまかせチャンネルは、12音解析によって本体内の楽曲を「アップビート」「リラックス」「エクストリーム」「メロウ」など14種類に分類しており、そのときの気分に合わせて簡単に曲を選択できる。

 DLNAアプリは、DMS(サーバ)の機能を持ち、本体内の動画や静止画を同一ネットワーク上のDMP(プレーヤー)やDMR(レンダラー)に再生させることができる。画面上で対応機器のアイコンにコンテンツをドラッグ&ドロップするだけ(DLNA Throw)。例えばウォークマンに保存したミュージッククリップをDLNA対応の大画面テレビで楽しめる。

 ほかにも、同社製BDレコーダーやBRAVIAからの「おでかけ転送」もサポート。おすすめアプリサイト「Select App」へ簡単にアクセスできるショートカットをホーム画面上に設けるなど、Androidならではのウォークマンに仕上げた。

 内蔵のリチウムイオンバッテリーは、音楽再生で最長約20時間、動画再生時で約5時間の連続駆動が可能。外形寸法は、約70.9(幅)×134.4(高さ)×11.1(厚さ)ミリ。重量は約156グラムとなっている。