2011年11月11日金曜日

消費者の満足が市場を活性化する:BISGレポート

http://www.ebook2forum.com/members/2011/11/bisg-completes-vol2-of-consumer-additudes-report/

米国のシンクタンクBook Industry Study Group (BISG)の「E-Bookでの読書に関する消費者態度調査」の最新版(Vol.2)が11月9日に発表され、市場の拡大とともに消費者の満足の高さが浮き彫りになった。過去18ヵ月間に印刷本を購入し、同時にE-Bookも買った消費者の50%近くは、好きな作家の新刊を、3ヵ月までなら電子版の発売を待つと回答した。1年前の調査では38%だった。BISGでは、消費者の態度が、数ヶ月の単位で変化していると述べている。レポートの提供は11月21日の週から。

デジタル読者が出版市場全体を牽引
Vol.2で明らかになった点には以下のようなものがある。
積極的消費者(パワーバイヤー)ほど本を読む。毎週のようにE-Bookを買っているという消費者の46%は、フォーマットによらず購入金額を増やしたと回答している。これは全回答平均の30.4%より高い数字で、彼らが全消費者の行動を3~6ヵ月、リードしていることを示している。
プラットフォーム別満足度でアマゾンの勢いは止まらず。アマゾンはE-Bookの購入(70%)でも情報(44%)でも、消費者に選ばれており、B&N(26%)とアップルが続いている。他方で図書館が増えていることも注目される。
E-Book読書の障害は減少している。入手性に関する懸念は縮小、デバイスの価格はなお問題ではあるものの、問題は「何もない」とする消費者が、昨年の17.6%から33%に増えた。

出版市場調査の新傾向
この消費者調査は2009年から始まり、昨年に最初のレポートが刊行された。調査時点から最大18ヵ月以前にE-BookあるいはE-Readerを購入したことのある印刷本購入者を対象とした、全国規模のパネルサーベイに基づいている。バウカー社のPubTrack Consumerサービスの一部を構成するもので、四半期毎の要約版も発行される。データは、毎月約6,000人を新規に選び、本の購入行動について回答を求めている。累計の対象者数は65,000人にも及ぶ。今回の有効サンプルは750人。今年11月にスタートするVol.3のサイクル(~09-2012)では、Real-Time ReportingというWebベースのオンライン・ツールで提供されることになる。
この調査は、出版情報サービス会社、シンクタンク、調査会社が運営・実施に当たり、大手出版社、書店、テクノロジー企業がスポンサーになって行われる大規模なもの。従来の静的統計とは異なるもので、こうした調査がなされること自体、デジタル化によって市場がダイナミックに変化し、ビジネスとしての出版の魅力が増していることを示している。

2011年11月10日木曜日

「NOOK Tablet」はKindle Fireに対抗できるか

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/09/news083.html

米書店大手Barnes & Nobleが「NOOK Tablet」でローエンドのタブレット市場に参戦。「Kindle Fireよりも優れたハード」という評価はあるものの、形勢は変わらないという声も。(ロイター)

 米書店大手Barnes & Nobleが新型タブレット端末「nook Tablet」を発表し、ローエンドのタブレット端末市場に参戦した。新端末はAmazon.comの競合端末「Kindle Fire」よりも容量が大きく、速度も速いが、価格も50ドル高めだ。

 Barnes & NobleはNOOK Tabletを249ドルで発売する。容量は16Gバイト。Amazonが先ごろ発表したタブレット端末Kindle Fireは容量が8Gバイトだ。NOOK Tabletは来週後半に店頭に並ぶ予定であり、今年の年末商戦では、同じく来週発売予定のKindle Fireとの間で熾烈な戦いが繰り広げられることになりそうだ。

 さらにBarnes & NobleはAmazonの積極的な価格攻勢に対抗し、一部のNOOK端末の値下げも発表している。

 Barnes & Nobleは全米に約700の店舗をチェーン展開しているが、Amazonのような十分な資金力は持っていない。だが同社の端末は、生粋のテクノロジーファンよりも電子書籍リーダーやタブレット端末に関心を持つ読書好きな人たちの間でニッチな市場を形成している。

 「われわれはまずコアな読者に対応したい」とBarnes & NobleのCEOを務めるウィリアム・リンチ氏はニューヨークで開催した製品発表会で記者らに語っている。同氏はAmazonのKindle Fireについては、書籍のほかにも同社の各種サービスに利用できる「自動販売機」となぞらえている。

 さらにリンチ氏はKindle Fireのストレージ容量を「不十分」と指摘、「nook Tabletのほうが速度が速く、容量が大きく、店頭での顧客サービスも受けられ、価格が高めなのはその分だ」と説明している。

 だが一部のアナリストによれば、買い手は二の足を踏むかもしれないという。「この場合、50ドルという価格差は大きい。25%も違うわけだから」とNPDのアナリスト、ロス・ルービン氏はReutersの取材に応じ、語っている。

 NOOK tablet4 件は7インチのディスプレイを搭載し、重さは約400グラム。バッテリー持続時間は動画視聴なら9時間で、Netflixのオンライン映画レンタルやHulu Plusの動画配信サービスを利用できる。1GHzのデュアルコアプロセッサを搭載し、RAMは1Gバイトだ。

 業績悪化に苦しむBarnes & Nobleは2009年に電子書籍リーダーNookの初代モデルを発表して以来、その開発に数千万ドルを投じている。

 その戦略は奏功し、同社は電子書籍リーダーおよびデジタル書籍の市場で約25%のシェアを獲得――ただしトップのAmazonには依然大きく水をあけられている――、実店舗での書籍の長期的な売上減によるダメージの緩和に役立っている。

 Barnes & Nobleは電子書籍リーダー市場への参入がAmazonよりも2年後れたが、まずまずの健闘を見せている。Barnes & Nobleの電子書籍リーダー「nook Color」はタブレット端末ふうの機能も幾つか備えており、「フル装備のタブレット端末を購入するところまではいかない」という顧客層に支持されている。さらに同社はAmazonの「Kindle Touch」に数カ月先立ち、今年5月にタッチスクリーン対応の電子書籍リーダーを発表している。

 Barnes & Noble株はニューヨーク証券取引所の7日午後の取引で2.4%値を下げ、11ドル33セントで取引された。Barnes & Nobleの株価は9月28日、当時同社のトップセラーだったNOOK Colorよりも安価なタブレット端末がAmazonから発表されたのを受けて、急落していた。

優れた製品だが、形勢はそのまま

 NOOK Tabletについての早期レビューは概ね好意的だ。Forrester Researchのアナリスト、サラ・ロットマン・エップス氏は「アッと言わせるような製品」と評している。

 またテクノロジーブログEngadgetの編集者ティム・スティーブンス氏は、「NOOK TabletはKindle Fireよりも優れたハードウェアのようだ」と評価している。

 ただし、NOOK TabletがKindle Fireキラーになると指摘している人はいない。それよりも、この端末は「Kindle FireよりNOOKを好む顧客」をそのまま定着させる役割を果たすことになるようだ。

 「この端末はBarnes & Nobleの買い手の忠誠を保つことになるだろう。手軽なタブレット端末のセグメントは依然として成長している」とMorningstarのアナリスト、ピーター・ウォルシュトルム氏は指摘し、AppleのiPadよりも安価なタブレット端末の隆盛に言及している。「Barnes & Nobleは価格競争は望んでいない。それによって、プレミアムな製品の売り手としての同社のイメージを高められる」と同氏。

 Engadgetのスティーブンス氏は、どちらの端末のユーザーも「現状の路線を進むだろう」と予想している。

 Barnes & Nobleが一部の端末で値下げを敢行したのは、9月にAmazonから受けたプレッシャーへの対応だろう。Amazonは9月にKindleの基本モデルの価格を引き下げ、Barnes & Nobleの端末よりも安価なタッチスクリーン対応の電子書籍リーダーを発表している。

 Barnes & Nobleは7日、NOOK Colorの価格を249ドルから199ドルに引き下げた。ただし、このことでNOOK端末同士の共食いが起きる危険性も高まっている。

 さらにBarnes & NobleはAmazonの競合製品の価格に合わせ、タッチスクリーン対応の NOOK Simple Touchの価格を139ドルから99ドルに引き下げている。

 「NOOK Colorが199ドルに値下げされたことで、この価格帯の端末を探している消費者にとって、NOOK ColorはKindle Fireのより直接的で強力な競争相手となる」とNPDのルービン氏は指摘している。ただし同氏によれば、NOOK ColorがNOOK Tabletの売り上げを侵食することになる可能性も考えられるという。

2011年11月9日水曜日

電子書籍を貸し出すアマゾンの出血サービスっぷり‎

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20111109/1038603/

 11月に入って、楽しみなことがひとつある。事前予約しているKindle Fireがもうすぐ出荷されることだ。15日の発送予定なので、今から10日後には私の手元に届いているはずである。

 アマゾンの電子書籍リーダーのKindleを、カラータブレットに進化させたKindle Fireは、ようやく私も持ち歩けるタブレットになるだろうと、それが楽しみなのである。iPadは私には重過ぎて、ダイニングテーブルの上の固定物になってしまっている。

 さて、そのKindle Fireが楽しみだと思っていたら、アマゾンがまたびっくりするようなサービスをそこに付け加えた。Kindle、あるいはKindle Fireを持っていて、さらにアマゾンのプライム会員ならば、毎月1冊ずつ電子書籍を無料で借り出せるというのだ。

 すでにプライム会員には、いろいろな特典がある。日本でも会員になって、送料無料で書籍や商品を送ってもらっている人は多いだろう。アメリカではこれに加えて、1万3000本ほどの映画が無料でストリーミングできる。私は、Kindle Fireが届いたら、これで本も読んで、映画もうんざりするほど観てやろうと思っていた。小さなKindle Fireを手に、自宅のソファで、ベッドの上で、そして出張へ出かける空港のロビーで「楽しんでいる私」まで想像していた。そこへ無料の貸し出しが加わった。

 Kindle FireはiPadの本格的な対抗機と目されているのだが、なんとなくアップルがヘコんでいるこの時に、アマゾンの攻め方はすごい。デバイスは少々ダサイだろうが、Kindleはサービスの点ではアップルや、同じような電子書籍リーダーのNookを出すバーンズ&ノーブルのずっと先を行ってしまっている感じがする。

 この無料の貸し出しというのは、上述したように1カ月1冊に限られていて、いつまで借りていてもかまわないらしい。ただし、次の本を借りると、その本は消滅してしまう。買ったのではなくて借りているだけだから、ファイルは残らないのである。ライブラリーの蔵書数は数千冊ということだ。

 興味深いのは、この貸し出しライブラリーに関するアマゾンの説明である。「貸し出しライブラリーの蔵書は、いろいろな契約条件のもとに集められています。大部分は、アマゾンが出版社と固定料金で契約したものです。部分的には、ユーザーが借り出す本を、アマゾンが卸売価格で購入しているものもあります。後者の場合、出版社側には何のリスクもなく、しかしこの新しいサービスによって収入が得られ、今後の増収の機会となることを確認していただくものとなっています」。

 つまり、アマゾンは自ら本を買ってまでして、このサービスを提供しているのだ。この負担がどれほどか計算しよう。書籍の場合の卸売価格はだいたい売価格の半分で、電子書籍はほとんど10ドル前後の価格が付けられている。従って、1冊借り出されるにあたりアマゾンは5ドルも出血サービスしているということになる。1セント、2セントも積もれば大きな損得となる小売業にあって、5ドルはすごい額ではないだろうか。

 このライブラリーに参加しているのは中小規模の出版社ばかりで、「ビッグ6」と呼ばれる大手出版社は本を提供していない。ビッグ6は、消費者に書籍の価格は安いもの(あるいはただ)と印象づけられるのを怖れているからだ。一方、中小規模の出版社は勢力者のアマゾンに逆らう力はなく、しかしだからこそアマゾンのマーケティングや価格の実験へ共にこぎ出す先駆者になってしまっているわけである。ただし、中小出版社だからと言って本の内容が劣っているわけでは決してない。このライブラリー蔵書には、ベストセラーも100冊以上含まれている。

 そもそも、アマゾンがこうした舞台裏まで説明するところが面白い。それは、1年半ほど前に電子書籍の価格設定で出版社側とかなりもめたためだろう。今度はいっさい明らかにして、ユーザーも含めて一緒になりゆきを見ましょうというアプローチだ。

 それにしても、アマゾンの出血サービスはいつものことだが、最近はますます磨きがかかっている。どうも見ていると、アマゾンという会社のやり方は、何でもひとつの同じ枠の中で採算を採ろうとはしないことだ。別のサービスも含めたもっと大きな図の中で採算を考えているとか、あるいは将来の発展型を想定して、そこから採算をはじき出しているとか、そんな風に見受けられる。

 そうして描かれる螺旋状にワープしたアマゾンの戦略図に沿って、われわれの消費行動が変わってしまったのだから、これは非常に効果的というか、強引というか。しかし考えさせられるのは、アマゾンが、私がいる出版界には大きな変動を起こす超本人である一方で、消費者としての個人の私にはありがたい存在であることなのである。

楽天、カナダの電子書籍事業者Koboを約236億円で買収へ

http://japan.cnet.com/news/business/35010277/

楽天は11月9日、電子書籍事業を手がけるカナダKoboの完全子会社化に向け、同社の株式を取得することを臨時取締役会で決議したと発表した。買収額は約3億1500万ドル(約236億円)。2012年第1四半期中にも楽天がKoboの既存株主より全株式を買い取る予定。買収にはカナダ政府の承認が必要となる。

 Koboは、2009年の設立。各国の書籍販売や小売り企業大手と提携するかたちで、カナダや米国、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドなど100カ国以上のユーザーに電子書籍コンテンツを提供してきた。同社のコンテンツは専用端末である「Kobo eReader」に加えて、iOSやAndroid、BlackBerry、Windows、Macなどでの閲覧が可能。また、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、オランダ語の6言語に対応。感想や気に入ったフレーズを共有できるソーシャル機能なども有する。

 楽天では、Koboの子会社化により、自社ブランドの電子書籍端末を持つことに加え、北米・欧州を中心とした海外の出版社や権利者、専用端末を販売する小売業者、製造委託先などとのネットワークも得られるとしている。また今後は、日本をはじめ世界各国で展開するEC事業などのサービスとの融合を図るとしている。

2011年11月8日火曜日

「Amazonとは1年交渉している」角川会長、電子書籍販売で

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/08/news084.html

日本向けに電子書籍販売を目指す米Amazonに対し、角川グループホールディングスの角川歴彦会長は既に「1年間交渉している」ことを明らかにした。

角川グループホールディングスの角川歴彦会長は11月8日、日本向けに電子書籍販売を目指す米Amazonと交渉が続いていることを明らかにした。

角川会長は「1年間交渉している。ハードな交渉をずっとやっている」とし、現在は「11条件くらいに収まってきているが、その11条件に出版社としてのめないというのも入ってきている」とした。

Amazonが日本参入に当たり、国内出版社に強硬な条件を提示しているという報道について、角川会長は「デジタル化も含めてAmazonが行う場合にAmazonの取り分が55%ということでは。だが出版社は自己責任で自らデジタル化すべきだ」と述べた。

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角川グループ「BOOK☆WALKER」、アプリダウンロード30万件突破
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1111/05/news016.html

ついに来た! ドワンゴが角川GHD協力の下電子書籍サービス「ニコニコ書籍」を発表

http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1111/08/news043.html

 ドワンゴと角川グループホールディングスは11月8日、ドワンゴが運営するニコニコ動画の1サービスとして展開されている「ニコニコ静画」で、電子書籍サービス「ニコニコ静画(電子書籍)」(略称:ニコニコ書籍)を開始することを明らかにした.

 角川グループホールディングスとドワンゴは昨年10月、包括的な業務提携を発表しており、「Book☆Walker」とニコニコ動画(ニコ動)の連携を構想として発表していたが、これがいよいよ実現することになる。

 11月中のサービスインを予定するニコニコ書籍のサービス概要は大きく2つに分けられる。1つは、角川グループ直営の電子書籍配信プラットフォーム「BOOK☆WALKER」で配信されているコンテンツの一部をニコニコ静画で閲覧可能にすること。もう1つは、角川グループの人気コミックを毎週無料で配信する「角川ニコニコエース」の創刊だ。

 BOOK☆WALKERとの連携では、角川グループのコミックを中心とするコンテンツがニコニコ静画で見ることができる。一部の人気コンテンツは無料で配信予定であるという。ニコニコ動画の特徴ともいえるコメント機能も当然利用で、文章の範囲指定によるコメント閲覧なども可能となっている。後者の機能は、作品中の特定のせりふや印象的なフレーズに対するほかのユーザーのコメントなどが見られるという意味で、ソーシャルリーディングを実現したものだといえる。具体的なイメージは「ニコニコ静画(電子書籍)体験版」にアクセスしてみるとよいだろう。

 一方、“創刊”という表現を用いている角川ニコニコエースは、「少年エース」「ヤングエース」「コンプエース」「ニュータイプエース」など角川グループのエース系コミック作品をニコニコ静画内で毎週無料配信するというもの。上記のニコニコ書籍と異なるのは、コンテンツプロバイダーがどうコミュニティーを盛り上げるかが勘案されたものとなっており、コミックの配信だけでなく、新人作家の作品を掲載し、ユーザーからの直接投票による勝ち抜きコンテストの実施や、「描いてみた」系イラストコンテストなどを盛り込んで、盛り上げを図ろうとしている。角川ニコニコエースで配信予定の作品は、「そらのおとしもの」「大好きです!!魔法天使こすもす」「デッドマン・ワンダーランド」「タイガー&バニー」など。このほか追加予定の作品や新人連載を加え30タイトル以上のラインアップを提供する考えだ。

 若年層を中心に絶大な支持を集めるライトノベルやコミックの分野などで圧倒的なシェアを持つ角川グループ。先日はメディアファクトリーも買収し、ますます力を増している。同じく若年層のユーザーが多いドワンゴのニコニコ動画。この2社のコラボレーションにより、電子書籍市場に新しい潮流が生まれることになりそうだ。

 なお、この発表の模様は11月8日14時からニコニコ生放送でライブ配信される。2部構成となっており、第1部では上述したようなサービスの説明が、第2部では、角川GHDの角川歴彦会長とドワンゴの川上量生会長が「電子書籍・ソーシャルリーディングの未来に向けて」と題したトークセッションに登壇する。

2011年11月7日月曜日

書籍販売、両立目指す 補完しあう紙と電子

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111107/trd11110708390012-n1.htm

電子書籍の発売点数が増加する中、紙の書籍との販売両立を目指す動きが加速している。書店の中には、電子書籍端末の体験コーナーを設置したり、特定作品の購入者に電子書籍をプレゼントするところも。店頭で紙の書籍と一緒にPRすることで、従来とは異なる客層を呼び込むのが目的だ。

「読者に近い存在の書店として、紙の本と電子の本に(同時に)取り組み、読者の幅広い期待に応えていきたい」。紀伊国屋書店の森啓次郎常務は10月20日、東京・新宿本店で開いた電子書籍端末のイベントで、こうあいさつした。

今年5月から配信を始めた電子書籍アプリ(応用ソフト)は5カ月でダウンロード10万回に達し、タイトル数も約8千から約2万に増加。8月からは新宿本店に電子書籍端末を体験できるコーナーを設け、10月20日からは計4店に増やした。森常務は「紙の本だけでは、多様化する読者のニーズすべてに対応できない」と説明。今後も店頭での電子書籍サービスの充実を図っていくという。

「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブは10月13日から同31日まで、コラムニスト、辛酸なめ子さん(37)の新著『サバイバル女道』(サイゾー)を店頭で購入した客に、今冬発売される辛酸さんの電子書籍の簡易版をプレゼント。今後も電子書籍をPRする取り組みを検討していくという。

 出版界では、紙の書籍と電子書籍の両立で成功を収めた事例もある。平成22年5月、講談社から紙と電子書籍で発売された小説家、京極夏彦さん(48)の『死ねばいいのに』は紙版(1785円)が10万部を突破し、電子書籍版(iPad、iPhone向け900円など)は数万のダウンロード数があった。同社は、京極さんの新著『ルー=ガルー2』を単行本、新書判サイズのノベルス版、文庫、電子書籍と4つの形態で10月に発売した。幅広い読者の要望に応えることで、購入者の裾野を広げたい考えだ。

ヤフー、電子書籍サービス「Yahoo!ブックストア」公開…閲覧無制限の買い切り方式を採用

http://www.rbbtoday.com/article/2011/11/04/82651.html

 ヤフーは2日、従来より提供していた「Yahoo!コミック」を刷新し、新たにEPUB(イーパブ)形式を採用した電子書籍サービス「Yahoo!ブックストア」を公開したことを発表した。

 「Yahoo!ブックストア」では、コミックに加えて、国内大手出版社などから提供される小説・実用書・写真集・雑誌・絵本など幅広いジャンルのコンテンツを提供。スタート時には、コミックなど30000冊以上を、まずパソコン版(Windows)で公開する。今後は、Android端末(スマートフォン・タブレット)、Mac、iPhone、iPadなどにも順次対応していく予定。価格帯は単品販売が約300円より、月額セット販売が約500円よりとなっている。

 「Yahoo!ブックストア」では、「ストリーミング型」での配信に加えて、「ダウンロード型」をメインに提供する。これにより一度購入した商品は基本的に無期限で閲覧可能となる。スマートフォン対応時には、パソコンで購入(ダウンロード)したコンテンツをスマートフォンで読む、といったことも可能になるという。

 なお、Yahoo!JAPANでは、「Yahoo!ブックストア」の公開を記念して、『ONEPIECE』『トリコ』『青の祓魔師』などの人気コミック20冊が一律100円で購入できるキャンペーンを実施する。同時に作品購入ごとにYahoo!ポイントを最大1000ポイントプレゼントするキャンペーンも実施する。