2011年9月30日金曜日

ソニー、電子書籍端末「Reader」新モデルを発表、3G+Wi-Fi対応モデルも

http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1109/29/news076.html

ソニーは、タッチ操作に対応するE Inkディスプレイ搭載電子書籍リーダー端末「Reader」の国内新モデルを2機種発表した。Wi-Fiや3Gといった通信手段を搭載し、価格は約2万円からとなっている。

電子書籍市場ではここ数日、発表が相次いだ。シャープはCCCとともに立ち上げたTSUTAYA GALAPAGOSを完全子会社とし、シャープとの協業を解消したCCCはネットエンタメ事業を「TSUTAYA.com」として別会社化した。さらに海外では、Amazonが199ドルという7型タブレットをついに発表し、Barnes & Nobleはそれに対抗すべく新モデルを間もなくリリースしようとしている。

そうした中、ソニーもいよいよ動いた。同社は9月29日、8月末にドイツで開催された「IFA2011」で発表したReader新モデルの国内投入を正式発表した。IFA2011で発表されたモデルは「PRS-T1」で、販売予定国に日本は含まれていなかったが、PRS-T1を日本市場に合わせた形にし、さらに国内市場向けに3Gモデルを用意した。

9月29日に都内で開催された製品発表会でお披露目されたのは、6型のタッチ対応E Inkディスプレイを搭載した「PRS-T1」と「PRS-G1」の2モデル。前者がWi-Fiモデル、後者が3G+Wi-Fiモデルとなる。カラーバリエーションは、PRS-T1がブラック・レッド・ホワイトの3色、PRS-G1がブラックとホワイトの2色。発売はPRS-T1が10月20日、PRS-G1が11月25日で、価格はオープンプライス。店頭予想価格はPRS-T1が2万円前後、PRS-G1は2万6000円前後とされている。

本体サイズや重さなどは以下の表の通りで、サイズ的には新書とほぼ同じサイズといえる。

PRS-T1PRS-G1
サイズ※最厚部110(幅)×173.3(奥行き)×9.6(厚さ)ミリ110×173.3×10.1ミリ
重量168グラム185グラム
通信方式IEEE802.11b/g/n3G、IEEE802.11b/g/n
内蔵メモリ2Gバイト
メモリカードスロットmicroSD
バッテリー持続時間最長7週間最長5週間
価格2万円前後2万6000円前後
発売日10月20日11月25日
PRS-T1およびPRS-G1のスペック

 
新モデルで目を引く特徴は大きく2点。1つは、従来モデルのように電子書籍の購入にPCを介す必要がなく、内蔵した無線LAN機能を使って端末から直接「Reader Store」にアクセスし、Reader単体で電子書籍を購入できること。もう1つは、3G接続も可能な「PRS-G1」をラインアップしたことだ。現時点でPRS-G1は日本でのみ発売され、反応を見ながらグローバルに展開したい考えだ。

3G接続のパートナーにはKDDIを選択。プランは2種類用意され、Reader Storeにだけ接続できる「Reader Storeプラン」は、初年度の利用料金は無料で、2年目も1年目にReader Storeで1冊以上電子書籍を購入していれば無料となる(それ以外の場合は年額1050円)。3年目以降は年額1050円だ。また、Reader Store以外のWebブラウジングなどを行いたいというユーザー向けには、月額580円の「Webアクセスプラン」も用意している。3G契約は、本体をPCとUSB接続した上でWeb上で申し込む必要がある。

このほか、従来モデルからの変更点として、タッチパネルでの直感的な操作が可能になったことも見逃せない。従来は、フォントサイズの変更などもメニューから深い階層をたどって設定する必要があったが、新モデルでは、ピンチイン・ピンチアウトで文字サイズを変更できるなど使いやすさが格段に向上した。画面の解像度は従来モデルと変わらないが、フォントサイズは従来の6段階から8段階に変更可能になっている。また、日本語フォントは筑紫明朝が新たに採用された。辞書機能も強化され、英和辞典「ジーニアスG4」、英英辞典「Oxford American English」のほか、国語辞典として「大辞林第三版」を内蔵する。

端末から直接電子書籍を購入できるようになったことで、Reader StoreはPC WebだけでなくReaderに最適化されたサイトも用意された。BRAVIAの「おすすめナビ」などにも使われている同社のレコメンデーション技術「VoyAgent」も盛り込まれ、購入履歴や類似した購入履歴を持つユーザーの情報も加味して作品のレコメンドを行うスペースも確保されている。なお、端末にはReader Storeで先行販売する作品を含め、31作品がプリインストールされ、さわりの部分を読むことができる。

国内向けに投入されるモデルでは、Reader Storeの配信コンテンツ(.mnh)のほか、XMDF、.book、EPUB、PDF、TXTなどのフォーマットをサポート。EPUB 3.0についてはソフトウェアアップデートで対応する意向で、アップデータは無償で提供する考えだ。なお、利用頻度は従来より減ると予想される管理ソフト「eBook Transfer for Reader」は、新たにMac OSにも対応した。

 質疑応答では、この発表の数時間前に米Amazon.comが発表した「Kindle Touch」との価格差についての質問があった。タッチ対応のE Inkディスプレイを搭載したKindle Touchの価格は99ドルからとなっているのに対し、PRS-T1は海外での市場想定価格が約150ドルと割高感があることについて尋ねたものだ。

 この質問に対し、ソニーのコンスーマープロダクツ&サービスグループ VAIO&Mobile事業本部デジタルリーディング事業本部の野口不二夫氏は、「(99ドルのKindle Touchは)広告付きのモデルである点に注意が必要。Kindle Touchで広告なしのモデルは139ドルからなので、実質的にはほとんど差はないと考えている」と回答。ただし、広告を入れることで本体価格を下げたAmazonの取り組みには興味を示し、広告付きで本体価格を下げる施策も検討したいと述べた。しかし、「Amazonとはビジネスモデルが違う。同じ業態ではない」とし、ソニーの考えるビジネスモデルでどう拡大させていくかが問題」であるとし、ソニーのビジネスドメインの中でシナジー、優位性を追求していきたいとした。

シャープ、CCCと提携解消-電子書籍事業を独自展開

http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201109280016.html

シャープは27日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と電子書籍配信事業での提携を解消し、共同出資会社を9月30日付で完全子会社化すると発表した。解消理由について大畠昌巳執行役員は「幅広いコンテンツサービスに拡充するには独自で活動した方が目指すところに近くなる」と話している。
両社は2010年12月1日にシャープが49%、CCCが51%出資してツタヤガラパゴスを設立し、シャープの電子書籍端末「ガラパゴス」向けにコンテンツ配信サービスを開始した。同社のCCC出資分をシャープが買い取り、社名もガラパゴスネットワークスに変更する。現時点で約3万6000あるコンテンツ数などサービス内容はそのまま継続する。
シャープは電子書籍専用端末の販売を今月末で終了し、スマートフォンやタブレット向けのサービスに移行。一方、CCCは6月に電子書籍サービスを独自に始めるなど、同事業で両社の方向性がずれ始めていたことが提携解消につながったと見られる。

2011年9月29日木曜日

米Amazon.comが最新「Kindle」発表、Androidアプリ対応モデルも

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110929_480424.html

 米Amazon.comは、電子書籍端末「Kindle」の最新モデルを発表した。発表モデルは「Kindle」「Kindle Touch」「Kindle Touch 3G」のE INK採用電子ペーパーモデル3製品と、カラー液晶ディスプレイ搭載の「Kindle Fire」。

 「Kindle」は、Amazone.comが展開する電子書籍リーダー。価格は「Kindle」が79ドル(約6000円)で、「Kindle Touch」が99ドル(約7500円)、「Kindle Touch 3G」が149ドル(約1万1400円)、「Kindle Fire」が199ドル(約1万5000円)。「Kindole」は本日より米Amazone.comで販売が開始され、そのほかのモデルは本日より予約を受け付ける。発売は「Kindle Fire」が11月15日、「Kindle Touch」と「Kindle Touch 3G」が11月21日。

 「Kindle」は従来のモデルよりも軽く、薄くなった。大きさは166×114×8.7mmで、重さは170g。ディスプレイは、6インチのE INK電子ペーパーを搭載し、内蔵メモリ容量は2GB。Wi-Fi対応。5方向のコントローラーを搭載する。動作時間は約1カ月。

 「Kindle Touch」と「Kindle Touch 3G」は、「Kindle」よりも少しサイズアップし、約173×119×10mm、重さは約212gとなる。ディスプレイサイズは「Kindle」と同じだが、マルチタッチに対応する。「Kindle Touch 3G」については、Wi-FiのほかAT&Tの3G網でコンテンツがダウンロードできる。内蔵メモリ容量は4GB。動作時間は2カ月。

 「Kindle Fire」は、これまでの「Kindle」シリーズとは一線を画したモデルで、ブラウジングや動画やゲーム利用などが可能なタブレット型端末となっている。

 映画、テレビ番組、音楽、雑誌、書籍、アプリ、ゲーム、ブラウジングなどが利用可能で、Amazonのクラウドサービスと連携するブラウザ「Amazon Silk」を搭載する。ディスプレイは、7インチ、1600万色表示のIPS液晶を装備し、マルチタッチをサポートする。デュアルコアプロセッサーを採用。内蔵メモリ容量は8GBとなる。

 また、端末プラットフォームはAndroidと見られ、「Amazon App Store」からアプリが利用できる。電子書籍フォーマットはKindle(AZW)、TXT、PDFなどをサポートする。なお、「Amazon Silk」は、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)という(Amazon EC2)という仮想サーバーを利用して、人気のあるWebサイトをキャッシュしながらブラウジングの高速化を図るとしている。

 約191×119×11mmで、重さは約414g。動作時間は8時間。


■ URL
 ニュースリリース(Kindle、英文)
 http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=1610968&highlight=
 ニュースリリース(Silk、英文)
 http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=1610970&highlight=

2011年9月28日水曜日

電子書籍 世界規格上陸へ

http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20110926-OYT8T00254.htm

ソニー・楽天 採用有力…国内一本化期待

欧米で電子書籍の事実上の世界標準となっている規格が、10月にも縦書きの日本語にも対応することが24日、分かった。

国内の電子書籍市場は、端末や配信業者間で規格が異なり、普及の障害になっていた。ソニーや楽天など電子書籍の配信大手は標準規格を採用する方針で、世界標準との一本化が進めば、利用者利便の向上が期待できる。一方で国内の出版ビジネスに大変革が起こり、書店などの淘汰(とうた)が進む可能性もある。

ソニーなどが採用するのは、米電子書籍標準化団体「IDPF(国際デジタル出版フォーラム)」が10月中旬に決める「EPUB(イーパブ)3」と呼ばれる最新の規格だ。これに対応したコンテンツ(情報内容)が市場に出てくるのは年末以降とみられる。

イーパブは、米アップルの電子書籍サービスなどで使われ、欧米の標準規格となっている。最新バージョンで、縦書きやルビなど日本語特有の組み方にも対応する。

国内の電子書籍規格は、シャープが2001年、携帯情報端末「ザウルス」向けにサービスを始めた規格「XMDF」と、「ドットブック」の2方式が主流で、互換性がない。このため、どちらかの方式に則した端末を購入すると、もう一方の規格に沿った電子書籍を読むことができない。米アップルなど海外勢も、日本の規格に対応する必要があり、国内の電子書籍の普及を妨げていた。

ソニーは、今後発売する電子書籍端末ではイーパブ対応にもする方針だ。「日本でもイーパブが標準の規格になれば、利用者は閲覧できるコンテンツが増えるメリットがある」(幹部)と説明する。

これに対しシャープは、「過去のコンテンツ資産を今後も読むことができるし、コミックなどの表現ではXMDFの方が優れている」と、自社の規格であるXMDFの優位性を強調している。

2011年9月26日月曜日

米公立図書館がAmazon.comのKindleに蔵書を貸し出すサービスを開始

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110922/369153/

米Amazon.comは現地時間2011年9月21日、同社の電子書籍リーダー端末やアプリケーションのユーザーが、米国図書館の書籍貸し出しサービスを利用可能になったと発表した。全米1万1000以上の公立図書館の蔵書、数百万冊が対象になるとしている。

利用者は最寄りの図書館のWebサイトにアクセスし、事前に取得した図書館カードを使って手続きを行う。好みの本を選んだら「Send to Kindle」ボタンを押すとAmazon.comのサイトにリダイレクトされる。Amazon.comのアカウントでログインした後は通常の書籍購入と同様にコンテンツの転送先を選ぶ。転送先は電子書籍リーダー端末「Kindle」のほか、iPhoneやiPad、Android、BlackBerry、Windows Phone用のKindleアプリーション、またはWebアプリケーション「Kindle Cloud Reader」など任意のものを選択できる。書籍コンテンツは無線LAN(Wi-Fi)やUSBケーブル経由で転送される(関連記事:Amazon.com、電子書籍リーダーのWebアプリ版「Kindle Cloud Reader」を公開)。

なお図書館カードは事前に最寄りの図書館で発行してもらう必要がある。また貸出期間は図書館によって異なる。期限の3日前と期限日が過ぎた時点で通知の電子メールがAmazon.comから送られてくる。

借りた書籍コンテンツには、ハイライトや注釈を書き込むことができ、しおり機能も利用できる。これらの情報はAmazon.comのサーバーに保存され、データ同期機能「Whispersync」を使って、次回同じ書籍を借りたり、Amazonから購入したりした際に、記入した内容が表示される。このほかFacebookやTwitterへの投稿機能、ハイライトや注釈の共有機能も用意している。