2011年7月9日土曜日

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1107/11/news029.html
米調査会社のIDCは7月8日(現地時間)、第1四半期(1~3月)における世界のタブレット端末出荷に関する調査結果を発表した。出荷台数は720万台で前期より28%減少したが、前期はホリデーシーズンだったこともあり、同社は2011年通年の出荷台数予測を5040万台から5350万台に引き上げた。
 IDCは予測を上方修正する理由として、第1四半期は世界経済全体が不調だった上、サプライチェーンの制約もあったが、第2四半期以降には多数の新タブレットが投入されることを挙げている。
 OS別のシェアでは、米AppleのiOS(iPadおよびiPad 2)が予想よりは少なかったものの、引き続いて圧倒的な首位だった。2位のAndroidは、前期比8.2ポイント増の34%になった。メーカーとしては韓国のSamsungと米Motorolaが健闘しているが、通信キャリア経由の販売で必要な3G/4G回線への加入を嫌うユーザーが多いことが売り上げを抑制しているとIDCはみている。
 電子書籍リーダー(IDCはタブレットとは別に調査している)の同四半期の出荷台数は330万台で、前年同期の約2倍(105%増)だった。企業別シェアでは、米Burnes & Nobleが初めて米Amazon.comを抜いた。2010年11月に発売されたカラー版「NOOK」が好調だった。Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」にはカラー版はない。Amazonは、8月にもタブレット端末を発売するとみられている。

2011年7月8日金曜日

国内電子書籍市場、2010年は13.2%増の650億円~インプレスR&D調べ

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110708_458913.html
株式会社インプレスR&Dは7日、電子書籍に関する市場規模をまとめた調査結果を公表した。それによれば、日本の2010年度の市場規模は650億円と推計され、2009年度の574億円と比較して13.2%増加した。2015年には2000億円に達すると見込んでいる。
 市場の牽引役はコミックを中心としたケータイ向け電子書籍。2010年度は前年度比11.5%増の572億円と、電子書籍市場の88%を占めた。PC向け電子書籍は、前年度の55億円からほぼ横ばいの53億円だった。
 ケータイ向け市場の拡大要因としては、タイトル数の増加によってコンテンツが充実したほか、通信事業者の直営販売ストアがオープンしたことや、新たなプラットフォーム向け電子書籍が話題となり、電子書籍の認知が拡大したことが考えられるとしている。
 一方、2009年度から調査対象となった、新たなプラットフォーム向け市場は24億円と推計され、スマートフォン市場の急激な拡大や、タブレット端末や電子ブックリーダーの発売などを背景に2009年度の6億円から4倍成長した。
 なお、新たなプラットフォーム向け市場には、スマートフォン向けマーケットプレイスの電子書籍カテゴリーのアプリ、スマートフォンやタブレットPCなどのビューワーアプリ経由で購入する電子書籍、iBookstoreやKindleから購入する電子書籍などが含まれている。
 インプレスR&Dによれば、2011年度以降の日本の電子書籍市場は、ケータイ向け市場の拡大は頭打ちになるものの、新たなプラットフォーム向け市場が急速に立ち上がると見ており、2015年度には2010年度の約3.1倍の2000億円程度になると予測している。
 新たなプラットフォーム向け市場は、2011年度末までには米AmazonのKindleなど、海外事業者が日本に参入すると予測。これをきっかけに2~3年間にコンテンツが充実、環境も整備され、2013年度以降に本格的な拡大期に入ると見ている。
 調査ではこのほか、2010年度の電子雑誌市場規模を6億円と推計。今後はタブレット端末やスマートフォンの拡大、配信雑誌数の増加、マイクロコンテンツ化などの新たな展開により市場拡大が見込まれ、2015年度には200億円超に達すると予測している。
 今回の調査は、通信事業者や出版社、電子書籍販売ストア、取次、ポータルサイト、コンテンツプロバイダーなど主要な電子書籍関連事業者へのヒアリングやアンケート、ユーザーへのアンケートなどにより実施した。
 インプレスR&Dでは調査結果の詳細を「電子書籍ビジネス調査報告書」(全2巻)シリーズとして7月28日に発売する。価格は各巻いずれもCD(PDF)版が6万900円、CD(PDF)+冊子版が7万1400円。現在、予約を受け付けている。 

電子書籍の市場規模の推移と予測(2002年度~2015年度)
電子出版の市場規模の予測(2010年度~2015年度)

2011年7月6日水曜日

イースト、“EPUB 3.0”対応の電子書籍リーダー「espur」の試作版を無償公開

イースト(株)は6日、レンダリングエンジン“WebKit”を利用したシンプルなPC向けの電子書籍リーダー「espur(エスパー)」の試作版v0.8を無償公開した。Windows Vista/7に対応しており、現在本ソフトの公式サイトからダウンロードできる。なお、本ソフトの利用は個人利用に限定されており、営利目的の場合は別途問い合わせが必要なので注意。
 「espur」は、電子書籍規格の標準化団体IDPF(International Digital Publishing Forum)によって5月23日に提案仕様が発表されたばかりの“EPUB 3.0”に準拠したPC向けの電子書籍リーダー。同社によると、おそらく世界初の“EPUB 3.0”対応の電子書籍リーダーであるという。
 本ソフトを制作したイーストは、はHTML/CSSファイルからEPUBファイルを自動生成するクラウドサービス“epubpack”や、ブログ記事から“EPUB 3.0”に準拠したファイルを生成するブログ製本サービス“MyBooks.jp”など、“EPUB”に関連するサービスを積極的に展開している。本ソフトはこれらのサービスで制作した電子書籍コンテンツが正常に閲覧できるかどうかのチェックにも役立つだろう。
 本ソフトのレンダリングエンジンには“WebKit”が採用されており、縦書きやルビといった日本語レイアウトにも対応している。画面は本棚を模した電子書籍の管理画面と、見開き表示の閲覧画面からなっており、閲覧画面ではマウスのクリックやキーボードのカーソルキーでページ送りが可能。そのほか、閲覧画面下部へカーソルを移動させると現れるツールバーから、文字の大きさ調整や目次の表示なども行える。

米AppleがiTunes App Storeでアプリ内課金対応するよう説得中、Amazonなどの去就に注目

http://hon.jp/news/1.0/0/2541/
現地各サイトの報道によると、Apple社(本社:米国カリフォルニア州)が、同社のAppストアでの販売者に対して、アプリ内課金規定に対応するよう働きかけを行なっている模様。

 今年2月に発表されたアプリ内課金規定は、6月30日が対応の期限となっていた。Netflix社やNew York Times社など、アプリ内課金機能を設置したり、自社アプリから自社サイトへ移動するリンクボタンを撤去したり、リンクではなくログイン画面を設置するといった変更を実施したところもある。

 しかし、AmazonやBarnes & Nobleの2社はまだ変更を行っておらず、両社に対するApple社の対応がどうなるのか、現地デベロッパーたちの間で注目され始めている。

2011年7月4日月曜日

主要電子書籍ストア徹底比較 2011夏



http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1106/30/news004.html

2010年の"電子書籍元年”を経て数多く立ち上がった電子書籍ストア。ここでは、eBook USERのコンテンツナビゲーションを担当する本紹5姉妹「eBookGirls」のコメントも交えながら、乱立する電子書籍ストアの中から主要なストアを紹介していく。



2010年以降に数多く立ち上がった電子書籍ストア。どの電子書籍ストアも同じように感じている人も少なくないだろう。しかし、細かくみていくと、ラインアップも少しずつ異なり、特徴的な機能などが用意されていることもある。
ここでは、eBook USERのコンテンツナビゲーションを担当する本紹5姉妹「eBookGirls」のコメントも交えながら、乱立する電子書籍ストアの中から主要なストアを紹介していく。

TSUTAYA GALAPAGOS



「TSUTAYA GALAPAGOS」はシャープとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の合弁会社により運営されているコンテンツストアで、シャープのメディアタブレット「GALAPAGOS」の発売に合わせる形で2010年12月にオープンした。電子書籍だけでなく、XMDFの表現力を生かして動画を埋め込んだ作品など販売も一部で開始されている。
 コンテンツはダウンロード型で、専用ビューワで閲覧する。ファイルフォーマットはXMDF。2011年6月24日時点のラインアップは書籍が2万7213点、雑誌が359点。日本経済新聞やMainichi Times、ビジネス雑誌が自動配信される自動定期配信サービスを提供しているのが特長。購入代金に応じてCCCが展開するポイントサービス「Tポイント」が付与される(100円につき1ポイント)。
 シャープによるとTSUTAYA GALAPAGOSを利用するユーザーのボリュームゾーンは40代。当初はGALAPAGOSでのみ利用可能だったが、これを若年層にも拡大するため、2011年3月にシャープ製のAndroid搭載スマートフォン向けのストアアプリ「GALAPAGOS App for Smartphone」をリリース。その後、6月に入ってシャープ以外のAndroid搭載スマートフォンからも利用可能になった。iOSには未対応。
 同一のユーザーIDで最大3台までの端末で閲覧できるが、メディアタブレット以外では購入・閲覧できないタイトルも存在する。また、定期購読の配信先は1台に限定される。

Reader Store

「Reader Store」は、ソニーの電子書籍専用端末「Reader」の発売に合わせ、2010年12月にオープンしたソニーマーケティングが運営する電子書籍ストア。
 コンテンツはダウンロード型で、基本的にはReaderでの閲覧が想定されている。ファイルフォーマットはXMDFと.book。Reader自体はEPUBなどの表示にも対応している。
 2011年6月24日時点のラインアップは書籍が1万7298点、コミックが5701点。先日、.book形式を新たにサポートに加えたことで、講談社作品を中心にコミックのラインアップを大幅に拡充した。
 コンテンツの決済方法はクレジットカードのほか、Reader Storeのユーザー登録に必要なMySonyIDの会員ステータスが「メンバー」以上であればソニーポイントも利用可能。

honto

「honto」は、大日本印刷、NTTドコモ、丸善CHIホールディングスの共同出資会社であるトゥ・ディファクトが運営する電子書籍ストア。オープンは2011年1月。大日本印刷とNTTドコモというそれぞれの業界を代表するガリバー企業が手を組んで展開しているため、一挙手一投足に注目が集める電子書籍ストアでもある。
 ラインアップ数は明示されていないが、2万数千点と推測され、大部分が活字もの。コミックは約2000点。コンテンツのファイルフォーマットはXMDFと.book。このほか、一部作品はDIVFというコンテンツタイプで提供されている。対応デバイスからするとiOS向けの配信形態と考えられるが、DIVFについては特に説明がない。
 各作品の詳細ページには、対応デバイスがアイコンで表示されている。漫画のカテゴリにおいてドットブック(.book)形式で配信されるタイトルはストリーミング形式で提供されるが、それ以外はローカルにファイルをダウンロードできる。
 iOS向けには漫画用と活字もの用にそれぞれビューワを分け、「honto BOOK」「honto COMIC」として提供しており、Android向けには2つが統合されたビューワ「BOOKストア 2Dfacto」を用意している。
 なお、hontoでは1つの会員ID(メールアドレス)につき1台のみ端末登録が行える(追記:6月30日に3台まで拡張)。ほかの端末から利用する際には端末解除-端末登録といった手順を踏む必要があるので、実質的には複数のモバイルデバイスで同期を取りながら読書するスタイルは想定されていない。家ではタブレット、外ではスマートフォンをメインに使うような場合は少し注意が必要だ。

BookLive!

「BookLive!」は、大日本印刷と勢力を二分する凸版印刷とインテル、およびビットウェイが2011年2月に立ち上げた電子書籍ストア。PC(Windows)およびAndroid向けに専用のビューワアプリ「BookLive! Reader」を提供しており、iOSはサポートしていない。
 コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、6月29日時点のラインアップは約1万6000タイトル、約2万5000冊。全体の約82%が活字もの、約16%を漫画が占める。ビューワアプリは複数のファイルフォーマットに対応していると発表されているが、ユーザーがそれを意識することはない。
 購入した作品は、PCとAndroid合わせて最大3台までの端末で閲覧できる。ただし、利用端末の解除は、解除する端末からしか行えないので、端末の買い換え時などに多少の留意点があるので注意したい。
 後述するeBookJapan同様、1ポイント=1円として利用できるポイント制度を用意している。コンテンツ代金の支払いは基本的にクレジットカードだが、ポイントをWebMoneyまたはBitCashで購入して利用することもできる。

Kinoppy

「Kinoppy」は、書店の雄、紀伊國屋書店が2011年6月に本格的に開始した電子書籍ストアサービスのアプリとしてiOS版、Android版が用意されている。紀伊國屋書店の電子書籍販売サービス「BookWebPlus」と、紙の本を販売するネット通販サービス「BookWeb」を透過的に利用可能なハイブリッド型のサービスを提供している。
 電子書籍コンテンツの提供形態はダウンロード型で、ファイルフォーマットは.bookまたはXMDF。現在電子書籍の取り扱いは和書のみで、洋書、コミック、雑誌は取り扱っていない。6月29日時点で、BookWebの電子書籍カテゴリのラインアップは3488点とややさみしいが、紙の和書/洋書も含めれば約1000万タイトルを扱っているので、何らかの形で本を手に入れることができるだろう。また、Kinokuniya Pointというポイントサービスを導入している。コンテンツ代金の支払いはAndroidアプリからはクレジットカードのほか、Kinokuniya Point、紀伊國屋書店ギフトカードが利用可能で、iOSアプリからはAppleの課金方式を利用して購入できる。
電子書籍ストアラインアップ対応デバイス台数制限
書籍系コミック系PCMac専用端末iOSAndroid
TSUTAYA GALAPAGOS約2万7000点約680点○(GALAPAGOS)3
Reader Store約1万7300点約5700点○(Reader)5
honto2万数千点(推定)約2000点(推定)○(SH-07C)1
BookLive!1万6148タイトル(約2万4000点)約2600タイトル3
Kinoppy
(BookWebPlus)
約3500点(電子書籍のみ)現時点で取り扱いなし
主要電子書籍ストアのラインアップと対応デバイス

eBookJapan

イーブックイニシアティブジャパンが運営する「eBookJapan」は、2000年12月に立ち上がった老舗の電子書籍販売サイト。
 国内最大規模となる漫画のラインアップを誇るのが特長。現時点で4万8000点近いラインアップを誇るこのメガサイトでは、総合図書のカテゴリで一部文芸書などを扱っているが、ラインアップの約85%を漫画が占めており、ほかの電子書籍ストアでの漫画の取り扱いを大きく引き離している。
 手塚治虫や石ノ森章太郎、ちばてつやなどによる名作はもちろん、現在連載中の作品なども数多く並ぶのが特長。電子書籍ストアの中には、現在連載中の作品を取り扱っていなかったり、取り扱っていても最新巻が用意されていないことなども珍しくないが、eBookJapanはその歴史の中で版元からの信頼を得ているためか、ほかのストアにはない作品の取り扱いも目立つ。
 コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、Windows、Mac OS、iOS(iPhone/iPadなど)、Android、Windows Mobile向けにビューワアプリが用意されている。このアプリは純粋なビューワアプリで、購入が行えるストア型のアプリではない(コンテンツはWebブラウザで購入し、後述するトランクルーム経由でビューワのライブラリに読み込ませる。また、版元の意向でモバイルデバイス向けには配信を許可していない作品もあるので、モバイルデバイスでは全体の1割ほどラインアップが減っている。
購入したコンテンツは、「トランクルーム」と呼ばれるクラウド上の蔵書管理サービスを介すことで、複数の端末から読むことができる。トランクルームは、ユーザーが購入したコンテンツを同社のサーバ上に保存することで、ユーザーの端末が壊れたり紛失した場合でもコンテンツを保護し、かつ複数の端末でコンテンツを共有できるサービスで、2011年1月に無料化された。1つの会員IDで最大3端末からトランクルームを利用できるが、トランクルームへのアップロードとダウンロードの手間が発生する。
 また、1ポイント=1円相当のポイントサービスを用意しており、基本的には購入金額の1%分のポイントが付与されるが、特定作品や全巻をまとめて購入した場合などはポイント付与率が高くなるキャンペーンを定期的に実施している。

電子書店パピレス

「電子書籍パピレス」は、1995年に開設された老舗ともいえる電子書籍販売サイト。運営はパピレス。
 ラインアップはWebサイト上の表記で17万7972点となっているが、その約70%を洋書(12万4881点)が占めている。さらに成人向けの作品やグラビア写真集などを除くと、小説や漫画、雑誌のラインアップはほかのストアとさほど変わらない。
 コンテンツの提供形態はダウンロード型で、ファイルフォーマットに応じてビューワをユーザーが用意する必要がある。ファイルフォーマットは主要なものでbookend、XMDF、.book、WM-DRM、Adobe eBook、そのほか、PDF、HTMLなどで提供されているものもある。小説・実用書などの活字ものがXMDF、コミック・写真集がbookendを中心に提供されている。
 このうち、bookendはPDF形式のコンテンツを保護しながら配信するサービスで、閲覧はbookendクライアントまたはAdobe Readerを利用する。なお、洋書はすべてAdobe eBook形式での取り扱いとなっている。
 老舗の電子書籍販売サイトなだけに、スマートフォンやタブレットなどの比較的最近になって登場したデバイスへの対応が遅れており、現時点ではiOS、Androidともに非対応。ただし、姉妹サイトの「電子貸本Renta!」では、ストリーミング方式を採用することで、iOS/Android端末もサポートしている。
 コンテンツの決済方法は、クレジットカードのほか、WebMoney、インターネット銀行決済(楽天銀行、ジャパンネット銀行)、プロバイダー決済など。
 また、パピレスはTSUTAYA GALAPAGOSに対し、XMDF形式の一部タイトルを提供しているほか、XMDF形式の作品であれば、ソニーの電子書籍端末「Reader」にファイルを移すことで読むことができる。
 なお、パピレスは今後、オプトの持分法適用関連会社になることが発表されている。

BOOK☆WALKER

角川グループが2010年10月に発表、12月にプレサービスを開始した「BOOK☆WALKER」は、電子書籍にとどまらないコンテンツ配信を視野に入れたプラットフォームを版元自ら手掛けている点が注目を集めている。
コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、内部的には.book形式のファイルフォーマットが用いられている。BOOK☆WALKERは当初iOSアプリが、2011年4月にはAndroidアプリも提供された(Android OS 2.2以降に対応)。コンテンツの決済方法は、iOSアプリではAppleの課金方式が、Androidアプリではクレジットカードのほか、WebMoneyが利用可能。
 なお、iOS版とAndroid版のアプリ間でコンテンツを共有できない仕様となっているほか、現時点ではPC Webのサイトからコンテンツを購入できないなど、マルチプラットフォームの展開に課題も残す。同一のApple IDであれば、複数のiOSデバイスで購入したコンテンツを融通できるが、この場合も自動的に同期されるのではなく、改めて購入処理を行う必要がある(二重課金はされない)。
 しかし、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「とある魔術の禁書目録<インデックス>」など、若年層を中心に支持されるコンテンツを多くそろえる角川グループがコンテンツホルダーの強みを生かしてコミュニティーを形成している。
 当初の発表では、2011年7月がグランドオープンと位置づけられており、今後が注目される。なお、角川グループホールディングス(角川GHD)とドワンゴは2011年5月、両社の株式の持ち合いによる資本提携を発表しており、電子書籍ビューワ「ニコニコビューワ」の登場も待たれる。

ソク読み

共同印刷グループのデジタルカタパルトが運営する「ソク読み」は、小学館がPC向けに展開していた電子コミックのオフィシャルショップを母体としており、2009年12月にオープン路線に転換、講談社、秋田書店など国内の大手版元13社が作品を提供する電子コミックストアとなった。
 コンテンツのラインアップは6月末時点で約4700タイトル、2万冊を超える冊数を用意しており(詳細は以下の表を参照)、小学館の漫画作品のラインアップがほかと比べて厚いのが特長。
ジャンル少年マンガ少女マンガ青年マンガ女性マンガ総計
タイトル数696(5563)1961(5305)1195(7474)843(2086)4695(20428)
ソク読み 6月末時点でのジャンル別配信タイトル数(括弧内は冊数)
 コンテンツはストリーミング型で提供され、Flashベースの専用ビューワ「DOR」(Digital Object Reader)で閲覧する。閲覧期間が購入から180日となっており、その分価格は1冊290円からとほかの電子書籍ストアに比べ安価に設定されている。
 現時点でiOS向けのアプリは用意されていないが、Android向けにはストア型のアプリが用意されている。Androidアプリは現時点で、NTTドコモから出ている「REGZA Phone T-01C」「GALAXY S SC-02B」「GALAXY Tab SC-01C」、ソフトバンクから出ている「GALAPAGOS SoftBank 003SH」がサポート端末となっている。
 コンテンツの決済方法は、クレジットカードのほか、WebMoney、BitCash、NET CASH、携帯電話決済(DoCoMo、au)、モバイルSuicaが利用可能。

BookGate

廣済堂が手掛ける「BookGate」は、iPhone/iPadユーザーにターゲットを絞った特化型の電子書籍ストア。「持ち運べる総合書店」をコンセプトに、App Storeでストア型のアプリが提供されている。オープンは2010年8月。
現時点でのラインアップは600点をわずかに超える程度で、多いときで30タイトルほどが週一回ペースで追加されている。ジャンル別では、インプレスジャパン刊行の「できるポケットシリーズ」などが並ぶ「コンピュータ全般」と、「自己啓発」のジャンルにそれぞれ60タイトル前後が用意されている。
立ち位置としてはセレクトショップに近く、お目当ての電子書籍を探すというよりは、未知の分野への興味を喚起してくれるようなラインアップとなっているのが特長。また、ミュージシャンの石井竜也さんが執筆する「詞解文書」シリーズなど、書籍化されていないBookGateオリジナルのコンテンツも販売されている。
当初は誌面レイアウトをそのまま表示するイメージ型のビューワアプリだったが、廣済堂は2010年12月にモリサワと提携、モリサワ フォントと組版エンジンを利用するモリサワの電子書籍ソリューション「MCBook」で制作されたタイトルも並ぶようになり、活字もののコンテンツもストレスなく読むことができる。
決済はApple IDで行える。また、コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、基本的には期限なくダウンロードできる。
電子書籍ストアラインアップ対応デバイス台数制限
PCMaciOSAndroidWindows Mobile
eBookJapan約4万8000点(ほぼコミック)3
電子書籍パピレス約17万8000点
(大半が洋書)
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BOOK☆WALKER非公開-
ソク読み約2万点-
BookGate約600点-
電子書籍ストア比較その2