2011年11月7日月曜日

書籍販売、両立目指す 補完しあう紙と電子

http://sankei.jp.msn.com/life/news/111107/trd11110708390012-n1.htm

電子書籍の発売点数が増加する中、紙の書籍との販売両立を目指す動きが加速している。書店の中には、電子書籍端末の体験コーナーを設置したり、特定作品の購入者に電子書籍をプレゼントするところも。店頭で紙の書籍と一緒にPRすることで、従来とは異なる客層を呼び込むのが目的だ。

「読者に近い存在の書店として、紙の本と電子の本に(同時に)取り組み、読者の幅広い期待に応えていきたい」。紀伊国屋書店の森啓次郎常務は10月20日、東京・新宿本店で開いた電子書籍端末のイベントで、こうあいさつした。

今年5月から配信を始めた電子書籍アプリ(応用ソフト)は5カ月でダウンロード10万回に達し、タイトル数も約8千から約2万に増加。8月からは新宿本店に電子書籍端末を体験できるコーナーを設け、10月20日からは計4店に増やした。森常務は「紙の本だけでは、多様化する読者のニーズすべてに対応できない」と説明。今後も店頭での電子書籍サービスの充実を図っていくという。

「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブは10月13日から同31日まで、コラムニスト、辛酸なめ子さん(37)の新著『サバイバル女道』(サイゾー)を店頭で購入した客に、今冬発売される辛酸さんの電子書籍の簡易版をプレゼント。今後も電子書籍をPRする取り組みを検討していくという。

 出版界では、紙の書籍と電子書籍の両立で成功を収めた事例もある。平成22年5月、講談社から紙と電子書籍で発売された小説家、京極夏彦さん(48)の『死ねばいいのに』は紙版(1785円)が10万部を突破し、電子書籍版(iPad、iPhone向け900円など)は数万のダウンロード数があった。同社は、京極さんの新著『ルー=ガルー2』を単行本、新書判サイズのノベルス版、文庫、電子書籍と4つの形態で10月に発売した。幅広い読者の要望に応えることで、購入者の裾野を広げたい考えだ。

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