2011年12月22日木曜日
2011年12月9日金曜日
ついにアマゾンが電子書籍読み放題サービス開始!? 音楽・映画から活字コンテンツに広がる定額制の衝撃
http://diamond.jp/articles/-/15252
デジタルコンテンツのサブスクリプション(定額契約制)モデルがジワジワと広がりそうな気配を見せている。
サブスクリプションというのは、たとえば月額いくら払えば映画が見放題、音楽が聴き放題といったサービスだ。年額契約のこともあるだろう。現在ならば、音楽で言うと、iTunesストアのように楽曲1曲あたり1.29ドルなどを払って購入するものというのが広く知られた方法。だが、これに対してサブスクリプションモデルはドンブリ計算的な課金方法だ。
以前、この欄でも取り上げたことのあるスポティファイは、音楽のサブスクリプションサービスとしてよく知られている。その後も人気をどんどん増し、有料契約者は250万人にも拡大している。
スポティファイは3段階のサービスを提供し、ひとつは無料、残り2つは有料で月額4.99ドルと9.99ドルだ。無料は聴ける楽曲の数や利用時間に制限があり、有料サービスでは音質や、モバイル機器でも利用できるか、オフラインでも利用できるかで違いがある。同じような音楽のサブスクリプションサービスには、ラプソディーやズーンなどがある。
映画でサブスクリプションモデルを持つのは、ネットフリックスやブロックバスターなど。一度に借り出しできるDVDの枚数で月額契約料が変わるが、効率よく借り出し返却していけば、かなりの数の映画が見られるものだ。
ただ、DVDを物理的に借り出すのではなく、ストリーミングサービスに目を転じると、こちらは確実にサブスクリプションモデルが優勢だ。ネットフリックスは、月額7.99ドルで見放題。ムービーフリックスは、無料と月額11.95ドルのモデルを提供。アマゾンは、有料のプライム会員(年額79ドルで、アマゾン商品の無料配送などのサービスを提供)には、タイトルが限定されているものの、やはり映画見放題のサービスを提供している。
テレビ番組では、フールーがやはりサブスクリプション・モデルで運営、映画も含み月額7.99ドルで見放題だ。ケーブルTV各社も、契約者に対してインターネットによるストリーミングサービスに乗り出しており、これもサブスクリプションモデルと言える。
こと音楽と映画については、現在はさまざまな配信、課金方法が混在している状態になっている。従来通り、楽曲や映画を購入してファイルをダウンロードし、「所有する」モデルがひとつ。所有せずに「レンタル」するモデルも映画にはある。オンラインならば、何日後には借りたファイルが消滅するとか、見始めたら何時間内に見終わらなければならないといった条件がつく。音楽では、インターネットラジオのようなサブスクリプションに似たモデルも存在する。
それ以外に最近は、ストリーミングサービスで「視聴する」モデルが音楽、映画の両方に出てきた他、クラウドサービスを同時に提供して、クラウド上のストレージに自分のファイルを保存してそこから利用したり、それと購入する所有モデル、ストリーミングで視聴するモデルを組み合わせたりするケースもある。グーグルやアマゾンはここに進出している。
さて、オンラインゲームの世界ではサブスクリプションモデルがかなり広まっている。世界のデジタルコンテンツ消費のうち39%とトップを占めるのはゲームの世界。消費が増えれば増えるほど、ユーザーはサブスクリプション・モデルへの移行を好むのかもしれない。
新聞や雑誌はどうか。もともと「サブスクリプション」というのは、新聞や雑誌の年間契約という意味で使われ始めた言葉。だが、これらはデジタル時代になって無料でコンテンツを公開したために、その後苦戦。今、再びサブスクリプションモデルにたどり着いているところだ。デジタルコンテンツを有料化し、その中でサブスクリプションモデルの選択を提供するというものだ。
新聞で有料化、サブスクリプションモデルへの移行を図ったところは限られているが、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズは比較的成功しているようだ。ニューヨークタイムズは、今年初めに本格的なサブスクリプションモデルを提供し始めたが、9月までの6ヵ月間に有料契約者数が25%アップし、120万人に増えたという。
雑誌については、デジタルコンテンツ化で1部あたりの価格が実質上は高くなったため、うまく離陸できていないのが現状だ。だが、タブレットコンピュータやスマートフォンによってデジタル雑誌のサブスクリプションへの関心が高まりつつあり、アップルがiPad用に10月半ばに始めたデジタルニューススタンドでは、雑誌社大手のコンデナストの有料契約者数が2週間で268%増となったという。複数の雑誌出版プラットフォームを提供するデジタルマグは、1週間で1150%増となったとしている。
そうした中、びっくりするようなサブスクリプションモデルを計画しているとされるのが、アマゾンだ。電子書籍が読み放題になるサービスを、やはりプライム会員向けに検討中で、出版社との交渉に入っているとのことだ。
アマゾンは、新しく発売した自社タブレットのキンドルファイアとプライム会員との親和性を高めて、積極的にユーザーの囲い込みにかかっており、この電子書籍読み放題もその一環と見られる。
ユーザーが、一体サブスクリプションモデルに大きくなびくかどうかは、今のところまだ不明だ。コンテンツを提供する側から見れば、サブスクリプションモデルはユーザーを囲い込むことができる利点があるものの、コンテンツ制作者との契約料、インフラへの投資などとの兼ね合いが勝負となる。ユーザー側にとってみれば、サブスクリプションモデルは便利ではあるものの、ひとつのプラットフォームに縛られてしまって抜け出せなくなる危険性がある。
値段とコンテンツ量、そして配信の速度、デバイスとの親和性など、多様な要素が今後の勝者を決めることになる。闘いはこれからが本場だ。
デジタルコンテンツのサブスクリプション(定額契約制)モデルがジワジワと広がりそうな気配を見せている。
サブスクリプションというのは、たとえば月額いくら払えば映画が見放題、音楽が聴き放題といったサービスだ。年額契約のこともあるだろう。現在ならば、音楽で言うと、iTunesストアのように楽曲1曲あたり1.29ドルなどを払って購入するものというのが広く知られた方法。だが、これに対してサブスクリプションモデルはドンブリ計算的な課金方法だ。
以前、この欄でも取り上げたことのあるスポティファイは、音楽のサブスクリプションサービスとしてよく知られている。その後も人気をどんどん増し、有料契約者は250万人にも拡大している。
スポティファイは3段階のサービスを提供し、ひとつは無料、残り2つは有料で月額4.99ドルと9.99ドルだ。無料は聴ける楽曲の数や利用時間に制限があり、有料サービスでは音質や、モバイル機器でも利用できるか、オフラインでも利用できるかで違いがある。同じような音楽のサブスクリプションサービスには、ラプソディーやズーンなどがある。
映画でサブスクリプションモデルを持つのは、ネットフリックスやブロックバスターなど。一度に借り出しできるDVDの枚数で月額契約料が変わるが、効率よく借り出し返却していけば、かなりの数の映画が見られるものだ。
ただ、DVDを物理的に借り出すのではなく、ストリーミングサービスに目を転じると、こちらは確実にサブスクリプションモデルが優勢だ。ネットフリックスは、月額7.99ドルで見放題。ムービーフリックスは、無料と月額11.95ドルのモデルを提供。アマゾンは、有料のプライム会員(年額79ドルで、アマゾン商品の無料配送などのサービスを提供)には、タイトルが限定されているものの、やはり映画見放題のサービスを提供している。
テレビ番組では、フールーがやはりサブスクリプション・モデルで運営、映画も含み月額7.99ドルで見放題だ。ケーブルTV各社も、契約者に対してインターネットによるストリーミングサービスに乗り出しており、これもサブスクリプションモデルと言える。
こと音楽と映画については、現在はさまざまな配信、課金方法が混在している状態になっている。従来通り、楽曲や映画を購入してファイルをダウンロードし、「所有する」モデルがひとつ。所有せずに「レンタル」するモデルも映画にはある。オンラインならば、何日後には借りたファイルが消滅するとか、見始めたら何時間内に見終わらなければならないといった条件がつく。音楽では、インターネットラジオのようなサブスクリプションに似たモデルも存在する。
それ以外に最近は、ストリーミングサービスで「視聴する」モデルが音楽、映画の両方に出てきた他、クラウドサービスを同時に提供して、クラウド上のストレージに自分のファイルを保存してそこから利用したり、それと購入する所有モデル、ストリーミングで視聴するモデルを組み合わせたりするケースもある。グーグルやアマゾンはここに進出している。
さて、オンラインゲームの世界ではサブスクリプションモデルがかなり広まっている。世界のデジタルコンテンツ消費のうち39%とトップを占めるのはゲームの世界。消費が増えれば増えるほど、ユーザーはサブスクリプション・モデルへの移行を好むのかもしれない。
新聞や雑誌はどうか。もともと「サブスクリプション」というのは、新聞や雑誌の年間契約という意味で使われ始めた言葉。だが、これらはデジタル時代になって無料でコンテンツを公開したために、その後苦戦。今、再びサブスクリプションモデルにたどり着いているところだ。デジタルコンテンツを有料化し、その中でサブスクリプションモデルの選択を提供するというものだ。
新聞で有料化、サブスクリプションモデルへの移行を図ったところは限られているが、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズは比較的成功しているようだ。ニューヨークタイムズは、今年初めに本格的なサブスクリプションモデルを提供し始めたが、9月までの6ヵ月間に有料契約者数が25%アップし、120万人に増えたという。
雑誌については、デジタルコンテンツ化で1部あたりの価格が実質上は高くなったため、うまく離陸できていないのが現状だ。だが、タブレットコンピュータやスマートフォンによってデジタル雑誌のサブスクリプションへの関心が高まりつつあり、アップルがiPad用に10月半ばに始めたデジタルニューススタンドでは、雑誌社大手のコンデナストの有料契約者数が2週間で268%増となったという。複数の雑誌出版プラットフォームを提供するデジタルマグは、1週間で1150%増となったとしている。
そうした中、びっくりするようなサブスクリプションモデルを計画しているとされるのが、アマゾンだ。電子書籍が読み放題になるサービスを、やはりプライム会員向けに検討中で、出版社との交渉に入っているとのことだ。
アマゾンは、新しく発売した自社タブレットのキンドルファイアとプライム会員との親和性を高めて、積極的にユーザーの囲い込みにかかっており、この電子書籍読み放題もその一環と見られる。
ユーザーが、一体サブスクリプションモデルに大きくなびくかどうかは、今のところまだ不明だ。コンテンツを提供する側から見れば、サブスクリプションモデルはユーザーを囲い込むことができる利点があるものの、コンテンツ制作者との契約料、インフラへの投資などとの兼ね合いが勝負となる。ユーザー側にとってみれば、サブスクリプションモデルは便利ではあるものの、ひとつのプラットフォームに縛られてしまって抜け出せなくなる危険性がある。
値段とコンテンツ量、そして配信の速度、デバイスとの親和性など、多様な要素が今後の勝者を決めることになる。闘いはこれからが本場だ。
欧州委員会、Appleと電子書籍のエージェンシーモデルによる価格操作に対し欧州連合競争法に基づく調査を開始
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1112/08/news031.html
Appleとのエージェンシーモデルによる電子書籍の販売契約に価格カルテルの疑いがあるとして欧州委員会が出版社5社の調査を開始した。
欧州委員会は米Appleと幾つかの出版社に対して公式調査を開始した。Hachette Livre、Harper Collins、Simon & Schuster、Penguin、Verlagsgruppが欧州で違法なカルテルにより電子書籍件の価格操作を行った疑いで告発されている。
欧州委員会は12月6日(現地時間)からAppleと同社のiBookstoreが大手出版社と共謀し、競合よりも安く価格を設定するAmazonの商慣行を不当に損なっている事実を調査している。欧州委員会はAppleと大手出版社による共謀がカルテルと制限的商慣習を禁ずる欧州連合競争法(EU機能条約101条)に抵触する可能性があるとの懸念を抱いている。EU機能条約101条は加盟国間取引と域内市場競争を制限する可能性のある契約および協調的行為を禁じている。この条項は欧州委員会とEU加盟国が適用できるとして独占禁止規制(理事会規則No 1/2003)に規定されている。
エージェンシーモデルは欧州に起源があり、書店による独自価格設定を禁じている。出版社が書籍の平均小売価格を決定し、オンラインの電子書籍ストアはそれよりも安く書籍を販売することができない。電子小売業者には平均で全書籍売り上げの30%前後の手数料が支払われる。
Amazonは「エージェンシーモデル」による価格操作に直接反対しているのに対し、Appleは自社のオンライン電子書籍ストアをローンチした際に出版社と密室で契約を交わした。Random House U.S.は今年、自社の電子書籍にそのモデルを採用することで、iPad 2の販売開始直前にAppleのiBookstoreに参入を果たした。一方、英国のRandom Houseはいまだに電子書籍の卸売モデルを採用しており、欧州委員会の調査対象にはなっていない。
今年3月、われわれはEUが幾つかの出版社を強制捜査したとリポートした。今回の調査では出版社に対して確たる証拠をつかむために内部文書の押収を行おうとしている。多くの業界関係者が、エージェンシーモデルは反競争的であり、出版社が成熟しつつある業界に対して過剰な統制を行うことができるとして不安を覚えている。
Appleとのエージェンシーモデルによる電子書籍の販売契約に価格カルテルの疑いがあるとして欧州委員会が出版社5社の調査を開始した。
欧州委員会は米Appleと幾つかの出版社に対して公式調査を開始した。Hachette Livre、Harper Collins、Simon & Schuster、Penguin、Verlagsgruppが欧州で違法なカルテルにより電子書籍件の価格操作を行った疑いで告発されている。
欧州委員会は12月6日(現地時間)からAppleと同社のiBookstoreが大手出版社と共謀し、競合よりも安く価格を設定するAmazonの商慣行を不当に損なっている事実を調査している。欧州委員会はAppleと大手出版社による共謀がカルテルと制限的商慣習を禁ずる欧州連合競争法(EU機能条約101条)に抵触する可能性があるとの懸念を抱いている。EU機能条約101条は加盟国間取引と域内市場競争を制限する可能性のある契約および協調的行為を禁じている。この条項は欧州委員会とEU加盟国が適用できるとして独占禁止規制(理事会規則No 1/2003)に規定されている。
エージェンシーモデルは欧州に起源があり、書店による独自価格設定を禁じている。出版社が書籍の平均小売価格を決定し、オンラインの電子書籍ストアはそれよりも安く書籍を販売することができない。電子小売業者には平均で全書籍売り上げの30%前後の手数料が支払われる。
Amazonは「エージェンシーモデル」による価格操作に直接反対しているのに対し、Appleは自社のオンライン電子書籍ストアをローンチした際に出版社と密室で契約を交わした。Random House U.S.は今年、自社の電子書籍にそのモデルを採用することで、iPad 2の販売開始直前にAppleのiBookstoreに参入を果たした。一方、英国のRandom Houseはいまだに電子書籍の卸売モデルを採用しており、欧州委員会の調査対象にはなっていない。
今年3月、われわれはEUが幾つかの出版社を強制捜査したとリポートした。今回の調査では出版社に対して確たる証拠をつかむために内部文書の押収を行おうとしている。多くの業界関係者が、エージェンシーモデルは反競争的であり、出版社が成熟しつつある業界に対して過剰な統制を行うことができるとして不安を覚えている。
2011年12月8日木曜日
電子書籍ストア「BookLive!」が三省堂書店と提携
http://ascii.jp/elem/000/000/654/654539/
BookLiveと三省堂書店は12月6日、「電子書籍ストア」と「リアル書店」の連携による書籍市場の拡大と新たなビジネスモデルの創出を目指し、事業提携および戦略的パートナーシップを構築すると発表した。
今回の事業提携で、「BookLive!」会員とクラブ三省堂会員の連携、両社の書籍販売を中心としたサービスの連携を軸に、(1)ネットとリアルの書籍サービスを連携させた相互のターゲットを補完する幅広い層への情報提供と相互送客、(2)三省堂書店内での電子書籍販売と決済システムの連携による新たなサービスの開発、(3)ネットとリアルを連携させた新たな販促プロモーションの実施、(4)「BookLive!」および三省堂書店で購入した書籍情報をユーザー自身が一元管理することを実現するなど、書籍販売を中心とした多面的なサービスの提供が可能となる。
三省堂書店は、創業130年を迎え、国内35店舗、海外5店舗、外商10拠点に書店業務を展開。BookLiveは、凸版印刷株式会社をはじめとするトッパングループに属し、電子書籍取次会社のビットウェイの子会社として設立され、現在、約4万点の書籍を販売する電子書籍ストア「BookLive!」を運営している。
BookLiveと三省堂書店は12月6日、「電子書籍ストア」と「リアル書店」の連携による書籍市場の拡大と新たなビジネスモデルの創出を目指し、事業提携および戦略的パートナーシップを構築すると発表した。
今回の事業提携で、「BookLive!」会員とクラブ三省堂会員の連携、両社の書籍販売を中心としたサービスの連携を軸に、(1)ネットとリアルの書籍サービスを連携させた相互のターゲットを補完する幅広い層への情報提供と相互送客、(2)三省堂書店内での電子書籍販売と決済システムの連携による新たなサービスの開発、(3)ネットとリアルを連携させた新たな販促プロモーションの実施、(4)「BookLive!」および三省堂書店で購入した書籍情報をユーザー自身が一元管理することを実現するなど、書籍販売を中心とした多面的なサービスの提供が可能となる。
三省堂書店は、創業130年を迎え、国内35店舗、海外5店舗、外商10拠点に書店業務を展開。BookLiveは、凸版印刷株式会社をはじめとするトッパングループに属し、電子書籍取次会社のビットウェイの子会社として設立され、現在、約4万点の書籍を販売する電子書籍ストア「BookLive!」を運営している。
2011年12月2日金曜日
Kindle Fire、BestBuy.comではiPadを抜いてタブレット分野におけるベストセラーに
http://jp.techcrunch.com/archives/20111129the-kindle-fire-bests-the-ipad-at-best-buy-becomes-the-retailers-best-selling-tablet/
Kindle Fireに完全に火がついたようだ。燃え上がっている、という状態かもしれない。名前がFireだけにこうした動きも予想されていたものなのだろうか。
結局のところ、Amazonによる最初のタブレット市場参入の動きは大成功をおさめたということになりつつある。Amazonのベストセラーリストでも販売前から何週間にもわたってトップに位置している。そしてついに、Best Buyにて199ドルのFireがiPad 16GB版を抜いて、タブレット部門のベストセラーとなってしまった。そう、やはりFireはAndroidタブレット戦争で勝利を収めつつあるのだろう。
Amazonは「昨年に比べて4倍のKindleが売れている」と言っていた(台数についてはいつもながらに発表がない)。Black Fridayのウイークエンドにも大いに売上を伸ばし、多くの消費者に受け入れられつつあることを示した。
当初、Fireについてはかなりの数の批判的意見が集まっていた。不具合や、バグ、あるいは初期不良について書いていたが、同時に199ドルという低価格についても触れていた。低価格実現のために、妥協が必要であったのだろうという意見も多く見られた。しかしそれと同時に、Amazonの「まずコンテンツありき」のスキームについては好意的な意見もあった。Fireの強敵はNookタブレットだという位置づけだが、こうした関係の中、優劣をスペックで語られることは少なかった。スペックではなく、AmazonおよびB&Nはそれぞれのデバイスのメディア消費能力とでもいう点に注目して利点を語っていた。こうした戦略はAndroidマーケットでは広まらなかったが、Appleはやはりこの方向にしたがっているように見える。スペックは死んだと言える状況もあるわけだ。
FireがAmazonやBest Buyなどのメジャー小売サイトでiPadをリードする状況が続くのかどうか、予測は難しいところだ。199ドルという価格の魅力は、確かにホリデーシーズンの間は大いに通用するだろうと思われる。しかしホリデー消費が一段落した際にどうなっているのかはわからない。ただ、Fire所有者は大いに増え、デバイスの使い勝手の良さを大いにアピールするということにもなり得る。するとFireの勢いを止めるのはiPad 3のみということになるケースもあり得るが、こちらは2月ないし3月までリリースはない予定だ。と、いうわけでタブレット業界はなかなか目が離せない状況にあるのだ。
Kindle Fireに完全に火がついたようだ。燃え上がっている、という状態かもしれない。名前がFireだけにこうした動きも予想されていたものなのだろうか。
結局のところ、Amazonによる最初のタブレット市場参入の動きは大成功をおさめたということになりつつある。Amazonのベストセラーリストでも販売前から何週間にもわたってトップに位置している。そしてついに、Best Buyにて199ドルのFireがiPad 16GB版を抜いて、タブレット部門のベストセラーとなってしまった。そう、やはりFireはAndroidタブレット戦争で勝利を収めつつあるのだろう。
Amazonは「昨年に比べて4倍のKindleが売れている」と言っていた(台数についてはいつもながらに発表がない)。Black Fridayのウイークエンドにも大いに売上を伸ばし、多くの消費者に受け入れられつつあることを示した。
当初、Fireについてはかなりの数の批判的意見が集まっていた。不具合や、バグ、あるいは初期不良について書いていたが、同時に199ドルという低価格についても触れていた。低価格実現のために、妥協が必要であったのだろうという意見も多く見られた。しかしそれと同時に、Amazonの「まずコンテンツありき」のスキームについては好意的な意見もあった。Fireの強敵はNookタブレットだという位置づけだが、こうした関係の中、優劣をスペックで語られることは少なかった。スペックではなく、AmazonおよびB&Nはそれぞれのデバイスのメディア消費能力とでもいう点に注目して利点を語っていた。こうした戦略はAndroidマーケットでは広まらなかったが、Appleはやはりこの方向にしたがっているように見える。スペックは死んだと言える状況もあるわけだ。
FireがAmazonやBest Buyなどのメジャー小売サイトでiPadをリードする状況が続くのかどうか、予測は難しいところだ。199ドルという価格の魅力は、確かにホリデーシーズンの間は大いに通用するだろうと思われる。しかしホリデー消費が一段落した際にどうなっているのかはわからない。ただ、Fire所有者は大いに増え、デバイスの使い勝手の良さを大いにアピールするということにもなり得る。するとFireの勢いを止めるのはiPad 3のみということになるケースもあり得るが、こちらは2月ないし3月までリリースはない予定だ。と、いうわけでタブレット業界はなかなか目が離せない状況にあるのだ。
市場調査会社の英Juniper Research、2016年の世界全体のモバイル電子書籍市場規模を7,500億円強と予想
http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2929
通信業界専門の市場調査会社であるJuniper Research社(本社:英国ハンプシャー州)は現地時間の12月1日、全世界におけるモバイル向け電子書籍市場に関する市場調査レポート「eBooks, eMagazines & eNewspapers for Smart Devices 2011-2016」を発売した。
サイト会員向けの無料レジュメによると、同レポートでは2011年のモバイル機器(スマートフォンやタブレット含む)向けの電子書籍市場規模は世界全体で32億ドル(約2,490億円)で、2016年には97億ドル(約7,540億円)に成長すると予想。その牽引役となるのは北米・欧州市場だが、日本を中心とする極東アジアは「旧携帯電話向けコミックの売上減少分が足を引っ張る」と予想されるため、欧米と比較して成長ペースは緩やかになると試算している。
通信業界専門の市場調査会社であるJuniper Research社(本社:英国ハンプシャー州)は現地時間の12月1日、全世界におけるモバイル向け電子書籍市場に関する市場調査レポート「eBooks, eMagazines & eNewspapers for Smart Devices 2011-2016」を発売した。
サイト会員向けの無料レジュメによると、同レポートでは2011年のモバイル機器(スマートフォンやタブレット含む)向けの電子書籍市場規模は世界全体で32億ドル(約2,490億円)で、2016年には97億ドル(約7,540億円)に成長すると予想。その牽引役となるのは北米・欧州市場だが、日本を中心とする極東アジアは「旧携帯電話向けコミックの売上減少分が足を引っ張る」と予想されるため、欧米と比較して成長ペースは緩やかになると試算している。
2011年11月28日月曜日
今度こそ立ちあがるか?電子書籍市場 メディアビジネスはどこに行くのか
http://ascii.jp/elem/000/000/651/651747/
市場成立の高いハードル
電子書籍、あるいは電子雑誌と呼ばれる市場で、タブレットマシン向け、ということになると、iPad専用のデジタル配信コンテンツが想起されます。
iPadは2010年の販売台数が概ね75万台ほどとして出されています、今後右肩上がりに増えていくのではないかとの市場予測は出されていますが、累計では、実稼働している台数としては(カウントの仕方で変わっては来ますが)、100万から200万くらいの規模になろうかと考えられます。
雑誌として成立させるのに20万人の読者が必要だった場合、最大予測の200万人に対してシェアが10%を獲得する必要があります。雑誌自体のニーズが分散化を続ける現状も踏まえると、なかなかに厳しいという予想が立ちます。
この高いハードルを越えるには、
iPadを含めたタブレット市場の伸びを待つ
読者数が少なくても回るようなビジネスモデルをひねり出す
のいずれか、あるいは両方が必要となります。
電子書籍(メディア)はいつから成立可能か
では、タブレット市場は先々どうなるのかという見通しについては、2015年で年557万台との見通しが出されています。
・2011年上半期のiPad出荷台数は70万台、市場シェア85%に――ICT総研調べ
ざっくりの業界感覚として、1000万台くらいが実稼働している状況になればメディアチャネルとして存在感を増してくるとの言い方がされているため、販売予測数字が正しいとするなら、2010年代の後半くらいから、タブレットデバイスを意識したメディアは成立しやすくなると予測出来ることになります。
反対側で、デジタルコンテンツ(というか漫画)販売サービスを展開している株式会社イーブックイニシアティブジャパンが上場しているように、スマートフォンやタブレット向けのデジタルでのコンテンツ流通については、相応の規模を確保しつつあります。同社については、PCも含めたマルチ配信を行っているため、特定のデバイスの市場評価には不適切なケースでもありますが、全体の流れとしては参考になるところと言えます。
市場の起爆剤として期待、あるいは出版業界が戦々恐々としながら注目しているのが、AmazonがKindleを市場投入しようとしていることです。PC的なツールであったタブレットと違い、書籍端末としての立ち位置が非常に強いツールなことから、よりダイレクトな影響を生むのではないかという、典型的な黒船論の構図となっています。
雑誌は雑誌としてもう難しいのか
上記の方策 2.のところで記述した、読者数が少なくても成立させられる仕掛けは、パッケージ販売と広告以外の収益チャネルを作ることとなります。一番大きなところでは、テレビの地方局が通販広告ばかりになっている。あるいは通販番組ばっかり流しているとの現象が該当します。メディアのリーチを、広告という間接的な商材にて収益転換するのではなく、直接的な物品販売需要にて転換させようとの話です。つまり、利益率を高めたいとのアプローチです。
全てはコミュニティビジネスに帰結する、とまとめると少々短絡的ですが、磁石となるコアの強いテーマが軸として存在し(特定の人やコンテンツテーマであることが多い)、周辺にマルチチャネル、マルチコンテンツ的に展開しつつ収益を確保していくという整理図はメディアコンテンツ界隈では一般化しつつあります。
出版業界でも、先日メディアファクトリーを買収した角川グループがこの方針を明確に表明しており、数字的にも順調な伸びを見せています。書籍パッケージという特定のコンテンツ形態を水平に展開する、いろんな本を順に出していくというモデルではなく、人気を得たコンテンツを映画にし、アニメにし、ゲームにし、グッズも売りイベントも、との展開させていくビジネスモデルに同社は転換しています。
「コンテンツ+リーチ」の仕組みをデジタルで
角川の最近の動きとしては、ニコニコ(ニワンゴ)と連携して同社のニコニコ静画にコンテンツを提供していくとの発表を出しています。
・ニコニコ静画(電子書籍)スタート!
この発表は表面だけなぞると角川が電子書籍、電子雑誌の強化を進めている動きに他らならないのですが、少し突っ込んで解釈すると、雑誌や旧来の書店が持っていた「コンテンツ+リーチ」の仕組みをデジタルで再度作りなおそうとの試みに見えます。
補助線としては、こちらの記事が良いところでしょう。
・ネットは市場全体を縮小させてしまう ネットの恐ろしきマイナス効果
なかなかにショッキングなタイトルですが、同様の趣旨での議論は他でも出ており、体感としては概ね正しい指摘と考えています。分かりやすいのが、「電子書籍のサイトを作ったんですけど、ユーザーがいないのでどうしたらいいでしょう」との相談が各所で交わされているという話です。
古典的な回答としては、いいコンテンツが無いのでユーザーがいつかない。なのでいいコンテンツを揃えるのが吉、となるのですが、どうも起きている事態を観察しているとそうとも言い切れないところがあります。間に立ってるはずのソーシャルも「これ面白いよ」と十分に見つけ切れてないように見えます。
角川が取ったアクションは、自分たちのコンテンツをよりいろんな人の目に触れやすい場所に出すようにした、という動きです。取り扱い書店を増やした、あるいは書店だけでなくコンビニにも並べるようにしたと言い換えても良いでしょうか。ネットに公開する=書店に本を卸す、という解釈では不正解というのがアクションから見て取れます。
電子雑誌のチャネル開発は出来ていなかった課題
つまり、紙の雑誌が販売が立たなくなってるという方はともかくとして、電子雑誌の側については、根本的なリーチの問題の捉え方を修正しないとならないとの見方が立ちます。出版社でも、取次や書店との関係が良い、営業に優れたところはしばしば良い成績を生んでいるように、チャネルの問題は(普段あまり言われませんが)厳然としてあります。
「何をどうすれば」の答えはまだはっきりとしていませんが、電子雑誌におけるチャネル開発、日経の記事の方に寄せるとインターネット上での販促というのは、実は出来てるようで出来ていなかった課題であると言えそうです。物販に行かないと雑誌は駄目だ、というのはもしかすると過渡的な現象か早計かもしれません。個人的には、マルチコンテンツのマルチチャネル化は必然の現象と捉えているので、緩やかな解釈としては正しいと感じています。
純粋(?)なメディアビジネスはどこに行くのか
では、純粋なメディアはどこにどう成立するのでしょう?
これは、禅問答みたいになってしまいますが「成立するところに適時成立する」との言い方がどうも正しいのではないかと、このところ考えています。
例えばの例として、手前味噌ながら弊社も多少関わっているのですが、WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)という通信業界に特化したメディアサイトがあります。 同サイトは、業界のプロ向けを意識した一般人は視野から外してしまった専門メディアとの立ち位置ですが、業界内の濃いニーズに特化して絞ったスポンサーで成立させています。マスの読者といろんな広告主という汎用プラットフォームではなく特化した受託の変種のようなメディアです。
これは、一昔前の感覚としては、雑誌の中の一特集が切りだされてメディアになってるようなものかもしれません。あるテーマに絞ってステークホルダーも見える形で、ただしそこの濃度を高めたという仕組みで、メディアの立ちうるところにメディアを立たせる。役目を終えたら閉じるかサーバー代が残せる範囲では残す、という形です。
ある雑誌が汎用的な形でずーっと続く、というのはデジタルの環境では難しい感じになってくるのかもしれません。特定のファンコミュニティに近いようなテーマコンテンツサイト、折々の事情を鑑みてスナップショットで作られるオーダーメイドのメディア、あるいは角川のようなマルチプレイヤー。傾向としてはこのあたりに絞られていっているのでは、というのが最近の感覚です。
市場成立の高いハードル
電子書籍、あるいは電子雑誌と呼ばれる市場で、タブレットマシン向け、ということになると、iPad専用のデジタル配信コンテンツが想起されます。
iPadは2010年の販売台数が概ね75万台ほどとして出されています、今後右肩上がりに増えていくのではないかとの市場予測は出されていますが、累計では、実稼働している台数としては(カウントの仕方で変わっては来ますが)、100万から200万くらいの規模になろうかと考えられます。
雑誌として成立させるのに20万人の読者が必要だった場合、最大予測の200万人に対してシェアが10%を獲得する必要があります。雑誌自体のニーズが分散化を続ける現状も踏まえると、なかなかに厳しいという予想が立ちます。
この高いハードルを越えるには、
iPadを含めたタブレット市場の伸びを待つ
読者数が少なくても回るようなビジネスモデルをひねり出す
のいずれか、あるいは両方が必要となります。
電子書籍(メディア)はいつから成立可能か
では、タブレット市場は先々どうなるのかという見通しについては、2015年で年557万台との見通しが出されています。
・2011年上半期のiPad出荷台数は70万台、市場シェア85%に――ICT総研調べ
ざっくりの業界感覚として、1000万台くらいが実稼働している状況になればメディアチャネルとして存在感を増してくるとの言い方がされているため、販売予測数字が正しいとするなら、2010年代の後半くらいから、タブレットデバイスを意識したメディアは成立しやすくなると予測出来ることになります。
反対側で、デジタルコンテンツ(というか漫画)販売サービスを展開している株式会社イーブックイニシアティブジャパンが上場しているように、スマートフォンやタブレット向けのデジタルでのコンテンツ流通については、相応の規模を確保しつつあります。同社については、PCも含めたマルチ配信を行っているため、特定のデバイスの市場評価には不適切なケースでもありますが、全体の流れとしては参考になるところと言えます。
市場の起爆剤として期待、あるいは出版業界が戦々恐々としながら注目しているのが、AmazonがKindleを市場投入しようとしていることです。PC的なツールであったタブレットと違い、書籍端末としての立ち位置が非常に強いツールなことから、よりダイレクトな影響を生むのではないかという、典型的な黒船論の構図となっています。
雑誌は雑誌としてもう難しいのか
上記の方策 2.のところで記述した、読者数が少なくても成立させられる仕掛けは、パッケージ販売と広告以外の収益チャネルを作ることとなります。一番大きなところでは、テレビの地方局が通販広告ばかりになっている。あるいは通販番組ばっかり流しているとの現象が該当します。メディアのリーチを、広告という間接的な商材にて収益転換するのではなく、直接的な物品販売需要にて転換させようとの話です。つまり、利益率を高めたいとのアプローチです。
全てはコミュニティビジネスに帰結する、とまとめると少々短絡的ですが、磁石となるコアの強いテーマが軸として存在し(特定の人やコンテンツテーマであることが多い)、周辺にマルチチャネル、マルチコンテンツ的に展開しつつ収益を確保していくという整理図はメディアコンテンツ界隈では一般化しつつあります。
出版業界でも、先日メディアファクトリーを買収した角川グループがこの方針を明確に表明しており、数字的にも順調な伸びを見せています。書籍パッケージという特定のコンテンツ形態を水平に展開する、いろんな本を順に出していくというモデルではなく、人気を得たコンテンツを映画にし、アニメにし、ゲームにし、グッズも売りイベントも、との展開させていくビジネスモデルに同社は転換しています。
「コンテンツ+リーチ」の仕組みをデジタルで
角川の最近の動きとしては、ニコニコ(ニワンゴ)と連携して同社のニコニコ静画にコンテンツを提供していくとの発表を出しています。
・ニコニコ静画(電子書籍)スタート!
この発表は表面だけなぞると角川が電子書籍、電子雑誌の強化を進めている動きに他らならないのですが、少し突っ込んで解釈すると、雑誌や旧来の書店が持っていた「コンテンツ+リーチ」の仕組みをデジタルで再度作りなおそうとの試みに見えます。
補助線としては、こちらの記事が良いところでしょう。
・ネットは市場全体を縮小させてしまう ネットの恐ろしきマイナス効果
なかなかにショッキングなタイトルですが、同様の趣旨での議論は他でも出ており、体感としては概ね正しい指摘と考えています。分かりやすいのが、「電子書籍のサイトを作ったんですけど、ユーザーがいないのでどうしたらいいでしょう」との相談が各所で交わされているという話です。
古典的な回答としては、いいコンテンツが無いのでユーザーがいつかない。なのでいいコンテンツを揃えるのが吉、となるのですが、どうも起きている事態を観察しているとそうとも言い切れないところがあります。間に立ってるはずのソーシャルも「これ面白いよ」と十分に見つけ切れてないように見えます。
角川が取ったアクションは、自分たちのコンテンツをよりいろんな人の目に触れやすい場所に出すようにした、という動きです。取り扱い書店を増やした、あるいは書店だけでなくコンビニにも並べるようにしたと言い換えても良いでしょうか。ネットに公開する=書店に本を卸す、という解釈では不正解というのがアクションから見て取れます。
電子雑誌のチャネル開発は出来ていなかった課題
つまり、紙の雑誌が販売が立たなくなってるという方はともかくとして、電子雑誌の側については、根本的なリーチの問題の捉え方を修正しないとならないとの見方が立ちます。出版社でも、取次や書店との関係が良い、営業に優れたところはしばしば良い成績を生んでいるように、チャネルの問題は(普段あまり言われませんが)厳然としてあります。
「何をどうすれば」の答えはまだはっきりとしていませんが、電子雑誌におけるチャネル開発、日経の記事の方に寄せるとインターネット上での販促というのは、実は出来てるようで出来ていなかった課題であると言えそうです。物販に行かないと雑誌は駄目だ、というのはもしかすると過渡的な現象か早計かもしれません。個人的には、マルチコンテンツのマルチチャネル化は必然の現象と捉えているので、緩やかな解釈としては正しいと感じています。
純粋(?)なメディアビジネスはどこに行くのか
では、純粋なメディアはどこにどう成立するのでしょう?
これは、禅問答みたいになってしまいますが「成立するところに適時成立する」との言い方がどうも正しいのではないかと、このところ考えています。
例えばの例として、手前味噌ながら弊社も多少関わっているのですが、WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)という通信業界に特化したメディアサイトがあります。 同サイトは、業界のプロ向けを意識した一般人は視野から外してしまった専門メディアとの立ち位置ですが、業界内の濃いニーズに特化して絞ったスポンサーで成立させています。マスの読者といろんな広告主という汎用プラットフォームではなく特化した受託の変種のようなメディアです。
これは、一昔前の感覚としては、雑誌の中の一特集が切りだされてメディアになってるようなものかもしれません。あるテーマに絞ってステークホルダーも見える形で、ただしそこの濃度を高めたという仕組みで、メディアの立ちうるところにメディアを立たせる。役目を終えたら閉じるかサーバー代が残せる範囲では残す、という形です。
ある雑誌が汎用的な形でずーっと続く、というのはデジタルの環境では難しい感じになってくるのかもしれません。特定のファンコミュニティに近いようなテーマコンテンツサイト、折々の事情を鑑みてスナップショットで作られるオーダーメイドのメディア、あるいは角川のようなマルチプレイヤー。傾向としてはこのあたりに絞られていっているのでは、というのが最近の感覚です。
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