2011年4月26日火曜日

ソニー、Androidタブレット2製品を発表

http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110426_442356.html

ソニーは、Android 3.0を搭載したタブレット端末「Sony Tablet」を発表した。家庭内での利用を想定した9.4インチディスプレイの「S1」とモバイル向け2画面の「S2」がラインナップされる。2011 年秋に、全世界で発売される予定だが、国ごとの具体的な発売時期や価格は未定となっている。
 同社では26日、都内で発表会を開催し、同社代表執行役副社長でコンスーマープロダクツ&サービス事業担当の平井 一夫氏や業務執行役員SVP兼コンスーマープロダクツ&サービスグループデピュティプレジデントの鈴木国正氏が登壇し、製品の紹介を行ったほか、米グーグルでAndroid開発の総責任者でもある、アンディ・ルービン氏も挨拶した。

9.4インチディスプレイの「S1」と2画面の「S2」


Sony Tablet、今秋発売

 今回発表された製品「Sony Tablet」は、家庭内での利用を想定した「S1」、モバイル向けの「S2」の2モデルとなる。どちらも開発段階のコードネームで、正式な製品名は今後、あらためて発表される見込み。大きさや重さは明らかにされておらず、、ソフトウェアプラットフォームにAndroid 3.0搭載、チップセットにNVIDIA製「Tegra 2」採用、Wi-Fi/WAN(広域データ通信網)対応といったあたりがハードウェア面での共通のスペックとなる。なお、WANについても詳細が未定で、国によって3G、あるいはLTEに対応する可能性もある。
 一方、ソフトウェア/サービス面で共通したものとしては、ソニーのクラウド型コンテンツサービス「Qriocity(キュリオシティ)」に対応し、動画や音楽が楽しめる。また、ゲーム機のPlayStationのコンテンツが楽しめる「PlayStation Suite(プレイステーションスイート)」に対応し、初代PlayStationのゲームを楽しめる。さらにソニーの電子書籍配信サービス「Reader Store」をサポートし、電子書籍も楽しめる。このほか、DLNAなどで家庭内のAV機器との連携も可能という。
 「S1」は、9.4インチディスプレイを搭載するタブレット端末。本体は、片側に重心を寄せた“偏重心デザイン”を採用して、手にしたときに軽く感じたり、持ちやすくしたりしているとのことだが、今回の発表会では展示された「S1」に触れる機会はなかった。スムーズに利用できるようにするソニーの独自技術「Swift&Smooth technologies」を採用し、軽快な操作感を実現するため、ユーザーインターフェイスなどに工夫を凝らしたという。発表会では、同技術は“サクサクテクノロジー”と紹介され、ユーザーインターフェイスの一例として、Webブラウジングの軽快さが紹介された。Flashの動画再生なども可能とのことでFlash Player対応と観られるが、軽快な動作を実現した「Swift&Smooth technologies」の具体的な仕組みは明らかにされていない。赤外線通信機能が用意され、ソニーのテレビ「ブラビア」などのリモコンとして利用することもできる。
 「S2」は、5.5インチディスプレイを2つ備え、折りたたみ機構を採用するモデル。チップセットはNVIDIA製「Tegra 2」で、前後にカメラを計2つ備える。持ち運びやすさを追求した結果、折りたたみ型を採用したという。前述の通り、PlayStation SuiteやReader Storeなどに対応する。発表会では独自アプリの1つとして、コミュニケーション関連アプリが紹介され、複数のソーシャルサービスを1画面で閲覧できるとのこと。コンテンツを融合させ、新たなコミュニケーションエンターテイメントサービスの提供も予定されている。ユーザーインターフェイスでは、上画面と下画面で役割を分けるといったことも可能で、動画再生時には、上画面で映像を再生し、下画面に再生ボタンなどを操作部を表示するといった使い方ができる。
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ルービン氏も登壇

 最初に登壇したソニーの平井氏は、この4月に組織改編が行われたことを踏まえ、「これまで掲げてきた、ユーザーの好奇心を刺激するようなソニーらしい体験を創造するということは、新しい組織でも変わらない」とメッセージを発した。
 さらに「ネットワーク上に膨大なデータが蓄積され、ユーザーが自由に楽しめる。それは大きな価値ではないか」と述べ、今回のタブレット製品がこれからのクラウド時代に向けた、さまざまなジャンルの製品の1つと位置付けた。
ソニーの平井氏ソニーの鈴木氏
 続いて登壇した鈴木氏は、「Sony Tablet」では、ユーザーがさまざまな場面で、これまでにない体験を得られるよう、製品の幅を持たせるとして、今回、家庭内でさまざまなコンテンツを利用するために適した端末として「S1」を、持ち運びに適した端末として「S2」を用意したという。これらの製品は、発売後もアプリの追加、アップデートの提供で、進化し続けると述べ、具体的な展開は不明ながら長期的にサポートしていく姿勢を見せた。
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グーグルのルービン氏
Sony Tabletを挟んで立つ、鈴木氏(左)とルービン氏(右)
 会見終盤、会場を驚かせたのは、グーグル副社長でモバイル分野を担当するアンディ・ルービン氏の登場だ。Androidの父とも言える同氏が日本での記者会見に登場するのは、非常に珍しい。今回、「Sony Tablet」は、報道陣向けにその外観が披露され、プレゼンテーションで動作が部分的に紹介された程度で、製品の評価そのものが難しいレベルでの情報公開となったが、ルービン氏の登場は、ソニーとグーグルの協力関係が非常に高いレベルであることを明確に示した。
 ルービン氏は、個人的な思い出として、同氏の父がかつて海外製品の米国市場導入に関する仕事を手がけていたと紹介。1976年の CES(Consumer Electronics Show)へ父に連れられたことで“ガジェットフィーバー”(ガジェット病)にかかった、と述べた。
 当時、ルービン氏の父にとって、最大の顧客はソニーだったとのことで、ルービン氏は、子供の頃から、ウォークマンなどソニー製品にいち早く慣れ親しんできた。そうした経験から、テクノロジーへの興味を深め、Sidekick(米国で発売された携帯端末)などを経て、Androidを開発したところ、グーグルの目にとまり、ついにソニー製のAndroidタブレットが登場した、ということで「ハードウェアだけではなく、コンテンツを含めたサービスと統合された、革新的な製品の発表に立ち会えたのは嬉しく思うし、光栄なこと。製品が発売された、いち早くSony Tabletのオーナーになりたい」と述べた。同氏のスピーチはリハーサルがなく、本番でエピソードを初めて聞いたという鈴木氏は、「Sony Tablet」をルービン氏へ贈るとその場で表明していた。
 

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