http://japanese.engadget.com/2012/01/17/kindle-library/
本が無料で借りられます。借りますか。アマゾンの有料会員 Amazon Prime メンバーの答えは「もちろん」でした。Amazon Prime メンバー向けにはじまった Kindle の電子書籍レンタルサービス Kindle Owners' Lending Library について、アマゾンが多数の利用があったと例によって実績自慢プレスリリースを発表しています。いわく、12月のあいだに発生した書籍レンタルは29万5000回。最大で月に1度・1冊までレンタルできますので、つまり29万5000人が利用したことになります。
人気を受けてアマゾンはレンタル対象書籍の拡充を進めており、すでに対象タイトルは7万5000冊以上になったとのこと。また、著作権者向けには50万ドルの予算を確保しており、12月ぶんについては1回のレンタルあたり1.7ドル(×29.5万回≒50万ドル)が著者に支払われます。このレンタル予算は1月にはさらに増え、70万ドルとなる予定。
この好調な書籍レンタルを考える上で欠かせないのが、アマゾンが進めるインディー作家・出版社向けサービス Kindle Direct Publishing(KDP)です。KDP に参加した作家・出版社は、前述のレンタル料を得ることもできますし、もちろんアマゾン経由でに Kindle 本を売るということもできます。ただ、レンタルに参加することで、本の売上も伸ばせるというのがアマゾンの言い分。特に KDP のトップ作家10人は、12月だけで売上とレンタル料あわせて7万ドルを稼いだという話で、中には6200ドルを得た16歳の女子高校生(Rachel Yuさん)までいます。
もちろん、参加する作家が増えれば増えるほど、アマゾン / Kindle にとっては利用できるコンテンツが増えるという仕組み。はじめはオンライン書店 Amazon、次は電子書籍端末 Kindle、そして KDP と、アマゾンによる出版市場の包囲網は確実に進んでいます。
2012年1月18日水曜日
2012年1月16日月曜日
Amazonの電子書籍レンタル、著者もユーザーも確かな手ごたえ?
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1201/16/news070.html
米Amazon.comが昨年末から開始した電子書籍レンタルサービスは、ファンド設立による著者へのインセンティブも働き、初月からインパクトのある数字が並んだ。
米Amazon.comは1月12日(現地時間)、昨年末から相次いで立ち上げた電子書籍レンタルサービスとそのファンドについて、初月の成果を公開した。
同社は2011年末、Amazon Prime会員向けに電子書籍のレンタルサービス「Kindle Owners' Lending Library」を開始した。月1冊無料で貸し出しを受けることができる同サービスのラインアップはスタート時で約5000タイトル。米作家エージェント協会やThe Authors Guildなどは既存の出版契約の範疇を超えるものだとして参加出版社に注意を呼び掛けていた。
その後同社は「KDP Select」と呼ぶ年額600万ドルのファンドを立ち上げ、電子書籍のレンタルから著者や版元が収益を得られる仕組みを構築。KDPとは「Kindle Direct Publishing」の略で、従来は「Kindle Digital Text Platform」(Kindle DTP)と呼ばれていた自己出版サービスのことだ。
KDP Selectは、KDPで作品を出版しようとする作家や版元に対し、幾つかの要件――一定期間、著書をAmazonのみで販売することやKindle Owners' Lending Libraryでの著書貸し出し――に応じることができる場合に、レンタルされた回数に応じてファンドから配分を受けることができるというもの。
Amazonによると、Kindle Owners' Lending Libraryは現在7万5000タイトルにまで拡大、2011年12月はKDP Selectが適用されているタイトルだけで29万5000回の貸し出しがあったという。KDP Selectは年間600万ドル、月にならすと50万ドルのファンドなので、同プログラムに参加した作家は著作1回の貸し出しにつき約1.7ドルの支払いを受けたことになる。
キャロリン・マクレイ氏、アンバー・スコット氏などKDP Selectに参加する人気作家トップ10人に対して同プログラムから12月に支払われたのは総額7万ドルで、販売による印税も含めると、前月から最大449%の伸びとなったとしている。
KDP Selectの創設によって、電子書籍のレンタルであっても著者に収益機会があることを成果を持って証明したAmazon。この成果を受け、1月分は基金を70万ドル上積みし、著者のさらなる参加につなげたい考えだ。
米Amazon.comが昨年末から開始した電子書籍レンタルサービスは、ファンド設立による著者へのインセンティブも働き、初月からインパクトのある数字が並んだ。
米Amazon.comは1月12日(現地時間)、昨年末から相次いで立ち上げた電子書籍レンタルサービスとそのファンドについて、初月の成果を公開した。
同社は2011年末、Amazon Prime会員向けに電子書籍のレンタルサービス「Kindle Owners' Lending Library」を開始した。月1冊無料で貸し出しを受けることができる同サービスのラインアップはスタート時で約5000タイトル。米作家エージェント協会やThe Authors Guildなどは既存の出版契約の範疇を超えるものだとして参加出版社に注意を呼び掛けていた。
その後同社は「KDP Select」と呼ぶ年額600万ドルのファンドを立ち上げ、電子書籍のレンタルから著者や版元が収益を得られる仕組みを構築。KDPとは「Kindle Direct Publishing」の略で、従来は「Kindle Digital Text Platform」(Kindle DTP)と呼ばれていた自己出版サービスのことだ。
KDP Selectは、KDPで作品を出版しようとする作家や版元に対し、幾つかの要件――一定期間、著書をAmazonのみで販売することやKindle Owners' Lending Libraryでの著書貸し出し――に応じることができる場合に、レンタルされた回数に応じてファンドから配分を受けることができるというもの。
Amazonによると、Kindle Owners' Lending Libraryは現在7万5000タイトルにまで拡大、2011年12月はKDP Selectが適用されているタイトルだけで29万5000回の貸し出しがあったという。KDP Selectは年間600万ドル、月にならすと50万ドルのファンドなので、同プログラムに参加した作家は著作1回の貸し出しにつき約1.7ドルの支払いを受けたことになる。
キャロリン・マクレイ氏、アンバー・スコット氏などKDP Selectに参加する人気作家トップ10人に対して同プログラムから12月に支払われたのは総額7万ドルで、販売による印税も含めると、前月から最大449%の伸びとなったとしている。
KDP Selectの創設によって、電子書籍のレンタルであっても著者に収益機会があることを成果を持って証明したAmazon。この成果を受け、1月分は基金を70万ドル上積みし、著者のさらなる参加につなげたい考えだ。
2011年12月9日金曜日
ついにアマゾンが電子書籍読み放題サービス開始!? 音楽・映画から活字コンテンツに広がる定額制の衝撃
http://diamond.jp/articles/-/15252
デジタルコンテンツのサブスクリプション(定額契約制)モデルがジワジワと広がりそうな気配を見せている。
サブスクリプションというのは、たとえば月額いくら払えば映画が見放題、音楽が聴き放題といったサービスだ。年額契約のこともあるだろう。現在ならば、音楽で言うと、iTunesストアのように楽曲1曲あたり1.29ドルなどを払って購入するものというのが広く知られた方法。だが、これに対してサブスクリプションモデルはドンブリ計算的な課金方法だ。
以前、この欄でも取り上げたことのあるスポティファイは、音楽のサブスクリプションサービスとしてよく知られている。その後も人気をどんどん増し、有料契約者は250万人にも拡大している。
スポティファイは3段階のサービスを提供し、ひとつは無料、残り2つは有料で月額4.99ドルと9.99ドルだ。無料は聴ける楽曲の数や利用時間に制限があり、有料サービスでは音質や、モバイル機器でも利用できるか、オフラインでも利用できるかで違いがある。同じような音楽のサブスクリプションサービスには、ラプソディーやズーンなどがある。
映画でサブスクリプションモデルを持つのは、ネットフリックスやブロックバスターなど。一度に借り出しできるDVDの枚数で月額契約料が変わるが、効率よく借り出し返却していけば、かなりの数の映画が見られるものだ。
ただ、DVDを物理的に借り出すのではなく、ストリーミングサービスに目を転じると、こちらは確実にサブスクリプションモデルが優勢だ。ネットフリックスは、月額7.99ドルで見放題。ムービーフリックスは、無料と月額11.95ドルのモデルを提供。アマゾンは、有料のプライム会員(年額79ドルで、アマゾン商品の無料配送などのサービスを提供)には、タイトルが限定されているものの、やはり映画見放題のサービスを提供している。
テレビ番組では、フールーがやはりサブスクリプション・モデルで運営、映画も含み月額7.99ドルで見放題だ。ケーブルTV各社も、契約者に対してインターネットによるストリーミングサービスに乗り出しており、これもサブスクリプションモデルと言える。
こと音楽と映画については、現在はさまざまな配信、課金方法が混在している状態になっている。従来通り、楽曲や映画を購入してファイルをダウンロードし、「所有する」モデルがひとつ。所有せずに「レンタル」するモデルも映画にはある。オンラインならば、何日後には借りたファイルが消滅するとか、見始めたら何時間内に見終わらなければならないといった条件がつく。音楽では、インターネットラジオのようなサブスクリプションに似たモデルも存在する。
それ以外に最近は、ストリーミングサービスで「視聴する」モデルが音楽、映画の両方に出てきた他、クラウドサービスを同時に提供して、クラウド上のストレージに自分のファイルを保存してそこから利用したり、それと購入する所有モデル、ストリーミングで視聴するモデルを組み合わせたりするケースもある。グーグルやアマゾンはここに進出している。
さて、オンラインゲームの世界ではサブスクリプションモデルがかなり広まっている。世界のデジタルコンテンツ消費のうち39%とトップを占めるのはゲームの世界。消費が増えれば増えるほど、ユーザーはサブスクリプション・モデルへの移行を好むのかもしれない。
新聞や雑誌はどうか。もともと「サブスクリプション」というのは、新聞や雑誌の年間契約という意味で使われ始めた言葉。だが、これらはデジタル時代になって無料でコンテンツを公開したために、その後苦戦。今、再びサブスクリプションモデルにたどり着いているところだ。デジタルコンテンツを有料化し、その中でサブスクリプションモデルの選択を提供するというものだ。
新聞で有料化、サブスクリプションモデルへの移行を図ったところは限られているが、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズは比較的成功しているようだ。ニューヨークタイムズは、今年初めに本格的なサブスクリプションモデルを提供し始めたが、9月までの6ヵ月間に有料契約者数が25%アップし、120万人に増えたという。
雑誌については、デジタルコンテンツ化で1部あたりの価格が実質上は高くなったため、うまく離陸できていないのが現状だ。だが、タブレットコンピュータやスマートフォンによってデジタル雑誌のサブスクリプションへの関心が高まりつつあり、アップルがiPad用に10月半ばに始めたデジタルニューススタンドでは、雑誌社大手のコンデナストの有料契約者数が2週間で268%増となったという。複数の雑誌出版プラットフォームを提供するデジタルマグは、1週間で1150%増となったとしている。
そうした中、びっくりするようなサブスクリプションモデルを計画しているとされるのが、アマゾンだ。電子書籍が読み放題になるサービスを、やはりプライム会員向けに検討中で、出版社との交渉に入っているとのことだ。
アマゾンは、新しく発売した自社タブレットのキンドルファイアとプライム会員との親和性を高めて、積極的にユーザーの囲い込みにかかっており、この電子書籍読み放題もその一環と見られる。
ユーザーが、一体サブスクリプションモデルに大きくなびくかどうかは、今のところまだ不明だ。コンテンツを提供する側から見れば、サブスクリプションモデルはユーザーを囲い込むことができる利点があるものの、コンテンツ制作者との契約料、インフラへの投資などとの兼ね合いが勝負となる。ユーザー側にとってみれば、サブスクリプションモデルは便利ではあるものの、ひとつのプラットフォームに縛られてしまって抜け出せなくなる危険性がある。
値段とコンテンツ量、そして配信の速度、デバイスとの親和性など、多様な要素が今後の勝者を決めることになる。闘いはこれからが本場だ。
デジタルコンテンツのサブスクリプション(定額契約制)モデルがジワジワと広がりそうな気配を見せている。
サブスクリプションというのは、たとえば月額いくら払えば映画が見放題、音楽が聴き放題といったサービスだ。年額契約のこともあるだろう。現在ならば、音楽で言うと、iTunesストアのように楽曲1曲あたり1.29ドルなどを払って購入するものというのが広く知られた方法。だが、これに対してサブスクリプションモデルはドンブリ計算的な課金方法だ。
以前、この欄でも取り上げたことのあるスポティファイは、音楽のサブスクリプションサービスとしてよく知られている。その後も人気をどんどん増し、有料契約者は250万人にも拡大している。
スポティファイは3段階のサービスを提供し、ひとつは無料、残り2つは有料で月額4.99ドルと9.99ドルだ。無料は聴ける楽曲の数や利用時間に制限があり、有料サービスでは音質や、モバイル機器でも利用できるか、オフラインでも利用できるかで違いがある。同じような音楽のサブスクリプションサービスには、ラプソディーやズーンなどがある。
映画でサブスクリプションモデルを持つのは、ネットフリックスやブロックバスターなど。一度に借り出しできるDVDの枚数で月額契約料が変わるが、効率よく借り出し返却していけば、かなりの数の映画が見られるものだ。
ただ、DVDを物理的に借り出すのではなく、ストリーミングサービスに目を転じると、こちらは確実にサブスクリプションモデルが優勢だ。ネットフリックスは、月額7.99ドルで見放題。ムービーフリックスは、無料と月額11.95ドルのモデルを提供。アマゾンは、有料のプライム会員(年額79ドルで、アマゾン商品の無料配送などのサービスを提供)には、タイトルが限定されているものの、やはり映画見放題のサービスを提供している。
テレビ番組では、フールーがやはりサブスクリプション・モデルで運営、映画も含み月額7.99ドルで見放題だ。ケーブルTV各社も、契約者に対してインターネットによるストリーミングサービスに乗り出しており、これもサブスクリプションモデルと言える。
こと音楽と映画については、現在はさまざまな配信、課金方法が混在している状態になっている。従来通り、楽曲や映画を購入してファイルをダウンロードし、「所有する」モデルがひとつ。所有せずに「レンタル」するモデルも映画にはある。オンラインならば、何日後には借りたファイルが消滅するとか、見始めたら何時間内に見終わらなければならないといった条件がつく。音楽では、インターネットラジオのようなサブスクリプションに似たモデルも存在する。
それ以外に最近は、ストリーミングサービスで「視聴する」モデルが音楽、映画の両方に出てきた他、クラウドサービスを同時に提供して、クラウド上のストレージに自分のファイルを保存してそこから利用したり、それと購入する所有モデル、ストリーミングで視聴するモデルを組み合わせたりするケースもある。グーグルやアマゾンはここに進出している。
さて、オンラインゲームの世界ではサブスクリプションモデルがかなり広まっている。世界のデジタルコンテンツ消費のうち39%とトップを占めるのはゲームの世界。消費が増えれば増えるほど、ユーザーはサブスクリプション・モデルへの移行を好むのかもしれない。
新聞や雑誌はどうか。もともと「サブスクリプション」というのは、新聞や雑誌の年間契約という意味で使われ始めた言葉。だが、これらはデジタル時代になって無料でコンテンツを公開したために、その後苦戦。今、再びサブスクリプションモデルにたどり着いているところだ。デジタルコンテンツを有料化し、その中でサブスクリプションモデルの選択を提供するというものだ。
新聞で有料化、サブスクリプションモデルへの移行を図ったところは限られているが、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズは比較的成功しているようだ。ニューヨークタイムズは、今年初めに本格的なサブスクリプションモデルを提供し始めたが、9月までの6ヵ月間に有料契約者数が25%アップし、120万人に増えたという。
雑誌については、デジタルコンテンツ化で1部あたりの価格が実質上は高くなったため、うまく離陸できていないのが現状だ。だが、タブレットコンピュータやスマートフォンによってデジタル雑誌のサブスクリプションへの関心が高まりつつあり、アップルがiPad用に10月半ばに始めたデジタルニューススタンドでは、雑誌社大手のコンデナストの有料契約者数が2週間で268%増となったという。複数の雑誌出版プラットフォームを提供するデジタルマグは、1週間で1150%増となったとしている。
そうした中、びっくりするようなサブスクリプションモデルを計画しているとされるのが、アマゾンだ。電子書籍が読み放題になるサービスを、やはりプライム会員向けに検討中で、出版社との交渉に入っているとのことだ。
アマゾンは、新しく発売した自社タブレットのキンドルファイアとプライム会員との親和性を高めて、積極的にユーザーの囲い込みにかかっており、この電子書籍読み放題もその一環と見られる。
ユーザーが、一体サブスクリプションモデルに大きくなびくかどうかは、今のところまだ不明だ。コンテンツを提供する側から見れば、サブスクリプションモデルはユーザーを囲い込むことができる利点があるものの、コンテンツ制作者との契約料、インフラへの投資などとの兼ね合いが勝負となる。ユーザー側にとってみれば、サブスクリプションモデルは便利ではあるものの、ひとつのプラットフォームに縛られてしまって抜け出せなくなる危険性がある。
値段とコンテンツ量、そして配信の速度、デバイスとの親和性など、多様な要素が今後の勝者を決めることになる。闘いはこれからが本場だ。
2011年12月2日金曜日
Kindle Fire、BestBuy.comではiPadを抜いてタブレット分野におけるベストセラーに
http://jp.techcrunch.com/archives/20111129the-kindle-fire-bests-the-ipad-at-best-buy-becomes-the-retailers-best-selling-tablet/
Kindle Fireに完全に火がついたようだ。燃え上がっている、という状態かもしれない。名前がFireだけにこうした動きも予想されていたものなのだろうか。
結局のところ、Amazonによる最初のタブレット市場参入の動きは大成功をおさめたということになりつつある。Amazonのベストセラーリストでも販売前から何週間にもわたってトップに位置している。そしてついに、Best Buyにて199ドルのFireがiPad 16GB版を抜いて、タブレット部門のベストセラーとなってしまった。そう、やはりFireはAndroidタブレット戦争で勝利を収めつつあるのだろう。
Amazonは「昨年に比べて4倍のKindleが売れている」と言っていた(台数についてはいつもながらに発表がない)。Black Fridayのウイークエンドにも大いに売上を伸ばし、多くの消費者に受け入れられつつあることを示した。
当初、Fireについてはかなりの数の批判的意見が集まっていた。不具合や、バグ、あるいは初期不良について書いていたが、同時に199ドルという低価格についても触れていた。低価格実現のために、妥協が必要であったのだろうという意見も多く見られた。しかしそれと同時に、Amazonの「まずコンテンツありき」のスキームについては好意的な意見もあった。Fireの強敵はNookタブレットだという位置づけだが、こうした関係の中、優劣をスペックで語られることは少なかった。スペックではなく、AmazonおよびB&Nはそれぞれのデバイスのメディア消費能力とでもいう点に注目して利点を語っていた。こうした戦略はAndroidマーケットでは広まらなかったが、Appleはやはりこの方向にしたがっているように見える。スペックは死んだと言える状況もあるわけだ。
FireがAmazonやBest Buyなどのメジャー小売サイトでiPadをリードする状況が続くのかどうか、予測は難しいところだ。199ドルという価格の魅力は、確かにホリデーシーズンの間は大いに通用するだろうと思われる。しかしホリデー消費が一段落した際にどうなっているのかはわからない。ただ、Fire所有者は大いに増え、デバイスの使い勝手の良さを大いにアピールするということにもなり得る。するとFireの勢いを止めるのはiPad 3のみということになるケースもあり得るが、こちらは2月ないし3月までリリースはない予定だ。と、いうわけでタブレット業界はなかなか目が離せない状況にあるのだ。
Kindle Fireに完全に火がついたようだ。燃え上がっている、という状態かもしれない。名前がFireだけにこうした動きも予想されていたものなのだろうか。
結局のところ、Amazonによる最初のタブレット市場参入の動きは大成功をおさめたということになりつつある。Amazonのベストセラーリストでも販売前から何週間にもわたってトップに位置している。そしてついに、Best Buyにて199ドルのFireがiPad 16GB版を抜いて、タブレット部門のベストセラーとなってしまった。そう、やはりFireはAndroidタブレット戦争で勝利を収めつつあるのだろう。
Amazonは「昨年に比べて4倍のKindleが売れている」と言っていた(台数についてはいつもながらに発表がない)。Black Fridayのウイークエンドにも大いに売上を伸ばし、多くの消費者に受け入れられつつあることを示した。
当初、Fireについてはかなりの数の批判的意見が集まっていた。不具合や、バグ、あるいは初期不良について書いていたが、同時に199ドルという低価格についても触れていた。低価格実現のために、妥協が必要であったのだろうという意見も多く見られた。しかしそれと同時に、Amazonの「まずコンテンツありき」のスキームについては好意的な意見もあった。Fireの強敵はNookタブレットだという位置づけだが、こうした関係の中、優劣をスペックで語られることは少なかった。スペックではなく、AmazonおよびB&Nはそれぞれのデバイスのメディア消費能力とでもいう点に注目して利点を語っていた。こうした戦略はAndroidマーケットでは広まらなかったが、Appleはやはりこの方向にしたがっているように見える。スペックは死んだと言える状況もあるわけだ。
FireがAmazonやBest Buyなどのメジャー小売サイトでiPadをリードする状況が続くのかどうか、予測は難しいところだ。199ドルという価格の魅力は、確かにホリデーシーズンの間は大いに通用するだろうと思われる。しかしホリデー消費が一段落した際にどうなっているのかはわからない。ただ、Fire所有者は大いに増え、デバイスの使い勝手の良さを大いにアピールするということにもなり得る。するとFireの勢いを止めるのはiPad 3のみということになるケースもあり得るが、こちらは2月ないし3月までリリースはない予定だ。と、いうわけでタブレット業界はなかなか目が離せない状況にあるのだ。
2011年11月9日水曜日
電子書籍を貸し出すアマゾンの出血サービスっぷり
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20111109/1038603/
11月に入って、楽しみなことがひとつある。事前予約しているKindle Fireがもうすぐ出荷されることだ。15日の発送予定なので、今から10日後には私の手元に届いているはずである。
アマゾンの電子書籍リーダーのKindleを、カラータブレットに進化させたKindle Fireは、ようやく私も持ち歩けるタブレットになるだろうと、それが楽しみなのである。iPadは私には重過ぎて、ダイニングテーブルの上の固定物になってしまっている。
さて、そのKindle Fireが楽しみだと思っていたら、アマゾンがまたびっくりするようなサービスをそこに付け加えた。Kindle、あるいはKindle Fireを持っていて、さらにアマゾンのプライム会員ならば、毎月1冊ずつ電子書籍を無料で借り出せるというのだ。
すでにプライム会員には、いろいろな特典がある。日本でも会員になって、送料無料で書籍や商品を送ってもらっている人は多いだろう。アメリカではこれに加えて、1万3000本ほどの映画が無料でストリーミングできる。私は、Kindle Fireが届いたら、これで本も読んで、映画もうんざりするほど観てやろうと思っていた。小さなKindle Fireを手に、自宅のソファで、ベッドの上で、そして出張へ出かける空港のロビーで「楽しんでいる私」まで想像していた。そこへ無料の貸し出しが加わった。
Kindle FireはiPadの本格的な対抗機と目されているのだが、なんとなくアップルがヘコんでいるこの時に、アマゾンの攻め方はすごい。デバイスは少々ダサイだろうが、Kindleはサービスの点ではアップルや、同じような電子書籍リーダーのNookを出すバーンズ&ノーブルのずっと先を行ってしまっている感じがする。
この無料の貸し出しというのは、上述したように1カ月1冊に限られていて、いつまで借りていてもかまわないらしい。ただし、次の本を借りると、その本は消滅してしまう。買ったのではなくて借りているだけだから、ファイルは残らないのである。ライブラリーの蔵書数は数千冊ということだ。
興味深いのは、この貸し出しライブラリーに関するアマゾンの説明である。「貸し出しライブラリーの蔵書は、いろいろな契約条件のもとに集められています。大部分は、アマゾンが出版社と固定料金で契約したものです。部分的には、ユーザーが借り出す本を、アマゾンが卸売価格で購入しているものもあります。後者の場合、出版社側には何のリスクもなく、しかしこの新しいサービスによって収入が得られ、今後の増収の機会となることを確認していただくものとなっています」。
つまり、アマゾンは自ら本を買ってまでして、このサービスを提供しているのだ。この負担がどれほどか計算しよう。書籍の場合の卸売価格はだいたい売価格の半分で、電子書籍はほとんど10ドル前後の価格が付けられている。従って、1冊借り出されるにあたりアマゾンは5ドルも出血サービスしているということになる。1セント、2セントも積もれば大きな損得となる小売業にあって、5ドルはすごい額ではないだろうか。
このライブラリーに参加しているのは中小規模の出版社ばかりで、「ビッグ6」と呼ばれる大手出版社は本を提供していない。ビッグ6は、消費者に書籍の価格は安いもの(あるいはただ)と印象づけられるのを怖れているからだ。一方、中小規模の出版社は勢力者のアマゾンに逆らう力はなく、しかしだからこそアマゾンのマーケティングや価格の実験へ共にこぎ出す先駆者になってしまっているわけである。ただし、中小出版社だからと言って本の内容が劣っているわけでは決してない。このライブラリー蔵書には、ベストセラーも100冊以上含まれている。
そもそも、アマゾンがこうした舞台裏まで説明するところが面白い。それは、1年半ほど前に電子書籍の価格設定で出版社側とかなりもめたためだろう。今度はいっさい明らかにして、ユーザーも含めて一緒になりゆきを見ましょうというアプローチだ。
それにしても、アマゾンの出血サービスはいつものことだが、最近はますます磨きがかかっている。どうも見ていると、アマゾンという会社のやり方は、何でもひとつの同じ枠の中で採算を採ろうとはしないことだ。別のサービスも含めたもっと大きな図の中で採算を考えているとか、あるいは将来の発展型を想定して、そこから採算をはじき出しているとか、そんな風に見受けられる。
そうして描かれる螺旋状にワープしたアマゾンの戦略図に沿って、われわれの消費行動が変わってしまったのだから、これは非常に効果的というか、強引というか。しかし考えさせられるのは、アマゾンが、私がいる出版界には大きな変動を起こす超本人である一方で、消費者としての個人の私にはありがたい存在であることなのである。
11月に入って、楽しみなことがひとつある。事前予約しているKindle Fireがもうすぐ出荷されることだ。15日の発送予定なので、今から10日後には私の手元に届いているはずである。
アマゾンの電子書籍リーダーのKindleを、カラータブレットに進化させたKindle Fireは、ようやく私も持ち歩けるタブレットになるだろうと、それが楽しみなのである。iPadは私には重過ぎて、ダイニングテーブルの上の固定物になってしまっている。
さて、そのKindle Fireが楽しみだと思っていたら、アマゾンがまたびっくりするようなサービスをそこに付け加えた。Kindle、あるいはKindle Fireを持っていて、さらにアマゾンのプライム会員ならば、毎月1冊ずつ電子書籍を無料で借り出せるというのだ。
すでにプライム会員には、いろいろな特典がある。日本でも会員になって、送料無料で書籍や商品を送ってもらっている人は多いだろう。アメリカではこれに加えて、1万3000本ほどの映画が無料でストリーミングできる。私は、Kindle Fireが届いたら、これで本も読んで、映画もうんざりするほど観てやろうと思っていた。小さなKindle Fireを手に、自宅のソファで、ベッドの上で、そして出張へ出かける空港のロビーで「楽しんでいる私」まで想像していた。そこへ無料の貸し出しが加わった。
Kindle FireはiPadの本格的な対抗機と目されているのだが、なんとなくアップルがヘコんでいるこの時に、アマゾンの攻め方はすごい。デバイスは少々ダサイだろうが、Kindleはサービスの点ではアップルや、同じような電子書籍リーダーのNookを出すバーンズ&ノーブルのずっと先を行ってしまっている感じがする。
この無料の貸し出しというのは、上述したように1カ月1冊に限られていて、いつまで借りていてもかまわないらしい。ただし、次の本を借りると、その本は消滅してしまう。買ったのではなくて借りているだけだから、ファイルは残らないのである。ライブラリーの蔵書数は数千冊ということだ。
興味深いのは、この貸し出しライブラリーに関するアマゾンの説明である。「貸し出しライブラリーの蔵書は、いろいろな契約条件のもとに集められています。大部分は、アマゾンが出版社と固定料金で契約したものです。部分的には、ユーザーが借り出す本を、アマゾンが卸売価格で購入しているものもあります。後者の場合、出版社側には何のリスクもなく、しかしこの新しいサービスによって収入が得られ、今後の増収の機会となることを確認していただくものとなっています」。
つまり、アマゾンは自ら本を買ってまでして、このサービスを提供しているのだ。この負担がどれほどか計算しよう。書籍の場合の卸売価格はだいたい売価格の半分で、電子書籍はほとんど10ドル前後の価格が付けられている。従って、1冊借り出されるにあたりアマゾンは5ドルも出血サービスしているということになる。1セント、2セントも積もれば大きな損得となる小売業にあって、5ドルはすごい額ではないだろうか。
このライブラリーに参加しているのは中小規模の出版社ばかりで、「ビッグ6」と呼ばれる大手出版社は本を提供していない。ビッグ6は、消費者に書籍の価格は安いもの(あるいはただ)と印象づけられるのを怖れているからだ。一方、中小規模の出版社は勢力者のアマゾンに逆らう力はなく、しかしだからこそアマゾンのマーケティングや価格の実験へ共にこぎ出す先駆者になってしまっているわけである。ただし、中小出版社だからと言って本の内容が劣っているわけでは決してない。このライブラリー蔵書には、ベストセラーも100冊以上含まれている。
そもそも、アマゾンがこうした舞台裏まで説明するところが面白い。それは、1年半ほど前に電子書籍の価格設定で出版社側とかなりもめたためだろう。今度はいっさい明らかにして、ユーザーも含めて一緒になりゆきを見ましょうというアプローチだ。
それにしても、アマゾンの出血サービスはいつものことだが、最近はますます磨きがかかっている。どうも見ていると、アマゾンという会社のやり方は、何でもひとつの同じ枠の中で採算を採ろうとはしないことだ。別のサービスも含めたもっと大きな図の中で採算を考えているとか、あるいは将来の発展型を想定して、そこから採算をはじき出しているとか、そんな風に見受けられる。
そうして描かれる螺旋状にワープしたアマゾンの戦略図に沿って、われわれの消費行動が変わってしまったのだから、これは非常に効果的というか、強引というか。しかし考えさせられるのは、アマゾンが、私がいる出版界には大きな変動を起こす超本人である一方で、消費者としての個人の私にはありがたい存在であることなのである。
2011年11月8日火曜日
「Amazonとは1年交渉している」角川会長、電子書籍販売で
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/08/news084.html
日本向けに電子書籍販売を目指す米Amazonに対し、角川グループホールディングスの角川歴彦会長は既に「1年間交渉している」ことを明らかにした。
角川グループホールディングスの角川歴彦会長は11月8日、日本向けに電子書籍販売を目指す米Amazonと交渉が続いていることを明らかにした。
角川会長は「1年間交渉している。ハードな交渉をずっとやっている」とし、現在は「11条件くらいに収まってきているが、その11条件に出版社としてのめないというのも入ってきている」とした。
Amazonが日本参入に当たり、国内出版社に強硬な条件を提示しているという報道について、角川会長は「デジタル化も含めてAmazonが行う場合にAmazonの取り分が55%ということでは。だが出版社は自己責任で自らデジタル化すべきだ」と述べた。
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角川グループ「BOOK☆WALKER」、アプリダウンロード30万件突破
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1111/05/news016.html
日本向けに電子書籍販売を目指す米Amazonに対し、角川グループホールディングスの角川歴彦会長は既に「1年間交渉している」ことを明らかにした。
角川グループホールディングスの角川歴彦会長は11月8日、日本向けに電子書籍販売を目指す米Amazonと交渉が続いていることを明らかにした。
角川会長は「1年間交渉している。ハードな交渉をずっとやっている」とし、現在は「11条件くらいに収まってきているが、その11条件に出版社としてのめないというのも入ってきている」とした。
Amazonが日本参入に当たり、国内出版社に強硬な条件を提示しているという報道について、角川会長は「デジタル化も含めてAmazonが行う場合にAmazonの取り分が55%ということでは。だが出版社は自己責任で自らデジタル化すべきだ」と述べた。
----------
角川グループ「BOOK☆WALKER」、アプリダウンロード30万件突破
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1111/05/news016.html
2011年11月4日金曜日
アマゾンが米国で「電子図書館サービス」書籍の無料貸し出しでキンドルの販売後押し
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/28311
米アマゾン・ドットコムが電子書籍リーダー端末「キンドル(Kindle)」とネット小売りの分野でまた攻勢をかけている。
同社は11月2日、商品配送優遇プログラム「アマゾン・プライム」の米国加入者を対象に、キンドルを使った電子図書館サービスを開始したと発表した。約5000冊の電子書籍の中から好きなものをキンドルに無料でダウンロードできるというものだ。
一度に1冊、貸出期間に制限なし
これは「キンドル所有者向け貸出図書館(Kindle Owners' Lending Library)」と呼ぶサービスで、会員制DVDレンタルのような仕組みを採り入れている。
利用者が一度に借りられる電子書籍は1冊のみだが、貸出期間に制限はなく、読み終わらなければいつまでも借り続けられる。
新たな書籍を借りる際は、既に借りている書籍が返却(自動消去)される。また1カ月に借り換えられるのは1回のみという条件がある。
アマゾン・プライムとは、同社が米国で提供している商品配送優遇プログラムだ。注文日の翌々日までに品物が届く「急ぎ便」を無制限で利用でき、年会費は79ドル。
アマゾンはこのプログラムの会員に対し、追加料金なしで約1万3000本の映画/テレビ番組をストリーミング配信できるという特典も付けており、コンテンツ配信事業と、ネット小売りの相乗効果を狙っている。
新端末発売前に顧客囲い込み
今度はこれに電子書籍も加え、顧客を取り込むというわけだ。アマゾンのキンドルには専用の読書端末と、スマートフォンなどのモバイル端末やパソコンで利用できるアプリ版があるが、今回のサービスはアプリ版を対象にしていない。
これに先立ちアマゾンは、キンドル端末の最新モデルを発売しており、11月15日には、同社初のマルチタッチカラーディスプレイ搭載タブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」、同月21日にはタッチスクリーン搭載の電子ペーパー端末「Kindle Touch」を出荷する予定だ。
アマゾンによると新たな図書館サービスでは、ほかのキンドル向け電子書籍と同様、借りた書籍コンテンツにハイライトや注釈を書き込むことができ、しおり機能も利用できる。
これらの情報はアマゾンのサーバーに保存され、次回同じ書籍を借りたり、アマゾンから購入したりした際に、記入した内容が表示される。
こうした機能を盛り込むことで、結果として顧客の利便性が高まり、書籍の販売増にもつながることから、顧客、出版社、作者の3者にとってメリットがあるとアマゾンは説明している。
アマゾン、また赤字覚悟の販売戦略
アマゾンは赤字になっても製品を普及させるためなら徹底的にサービスを強化する企業として知られており、今回のサービスも同様の戦略だ。
アマゾンと出版社との契約には、固定料金方式と、貸し出される回数に応じて料金を支払う卸売方式の2つがあるが、いずれにしてもこれらはアマゾンの持ち出しということになる。
ただ、米ウォールストリート・ジャーナルによると、今回のアマゾンのサービスに脅威を感じている出版社も多いようだ。大手出版社は、書籍販売に及ぼす影響や、ほかの小売店との関係悪化につながる恐れを懸念していると同紙は伝えている。
米アマゾン・ドットコムが電子書籍リーダー端末「キンドル(Kindle)」とネット小売りの分野でまた攻勢をかけている。
同社は11月2日、商品配送優遇プログラム「アマゾン・プライム」の米国加入者を対象に、キンドルを使った電子図書館サービスを開始したと発表した。約5000冊の電子書籍の中から好きなものをキンドルに無料でダウンロードできるというものだ。
一度に1冊、貸出期間に制限なし
これは「キンドル所有者向け貸出図書館(Kindle Owners' Lending Library)」と呼ぶサービスで、会員制DVDレンタルのような仕組みを採り入れている。
利用者が一度に借りられる電子書籍は1冊のみだが、貸出期間に制限はなく、読み終わらなければいつまでも借り続けられる。
新たな書籍を借りる際は、既に借りている書籍が返却(自動消去)される。また1カ月に借り換えられるのは1回のみという条件がある。
アマゾン・プライムとは、同社が米国で提供している商品配送優遇プログラムだ。注文日の翌々日までに品物が届く「急ぎ便」を無制限で利用でき、年会費は79ドル。
アマゾンはこのプログラムの会員に対し、追加料金なしで約1万3000本の映画/テレビ番組をストリーミング配信できるという特典も付けており、コンテンツ配信事業と、ネット小売りの相乗効果を狙っている。
新端末発売前に顧客囲い込み
今度はこれに電子書籍も加え、顧客を取り込むというわけだ。アマゾンのキンドルには専用の読書端末と、スマートフォンなどのモバイル端末やパソコンで利用できるアプリ版があるが、今回のサービスはアプリ版を対象にしていない。
これに先立ちアマゾンは、キンドル端末の最新モデルを発売しており、11月15日には、同社初のマルチタッチカラーディスプレイ搭載タブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」、同月21日にはタッチスクリーン搭載の電子ペーパー端末「Kindle Touch」を出荷する予定だ。
アマゾンによると新たな図書館サービスでは、ほかのキンドル向け電子書籍と同様、借りた書籍コンテンツにハイライトや注釈を書き込むことができ、しおり機能も利用できる。
これらの情報はアマゾンのサーバーに保存され、次回同じ書籍を借りたり、アマゾンから購入したりした際に、記入した内容が表示される。
こうした機能を盛り込むことで、結果として顧客の利便性が高まり、書籍の販売増にもつながることから、顧客、出版社、作者の3者にとってメリットがあるとアマゾンは説明している。
アマゾン、また赤字覚悟の販売戦略
アマゾンは赤字になっても製品を普及させるためなら徹底的にサービスを強化する企業として知られており、今回のサービスも同様の戦略だ。
アマゾンと出版社との契約には、固定料金方式と、貸し出される回数に応じて料金を支払う卸売方式の2つがあるが、いずれにしてもこれらはアマゾンの持ち出しということになる。
ただ、米ウォールストリート・ジャーナルによると、今回のアマゾンのサービスに脅威を感じている出版社も多いようだ。大手出版社は、書籍販売に及ぼす影響や、ほかの小売店との関係悪化につながる恐れを懸念していると同紙は伝えている。
2011年11月2日水曜日
電子書籍革命で攻めに転じた米出版社、守る日本の出版社
http://www.newsweekjapan.jp/column/takiguchi/2011/11/post-406.php
いったい、電子書籍にはどんな価格が適正なのだろうか?
実は今のところ、その正解を知っている人間は誰もいない。電子書籍では日本の数年先を行き、無数に出版されているアメリカでも、価格はまちまちだ。同じ書籍でも、注意深く見ていると時々値段が変わっていることもある。
ただ、ハードカバーの単行本と値段がほとんど変わらない日本の電子書籍に比べると、アメリカでは格段に安い。アメリカではハードカバーの単行本が日本よりずっと高く、平均して25ドルほどの価格がついているが、電子書籍ならば10ドル前後が普通。だいたい半分、あるいはそれ以下の価格で買えるのだ。
この価格破壊を先導したのはアマゾンだった。新しい市場を開拓するために出血サービルで激安値段をつけるのは同社の常套手段。電子書籍でも同様で、ほとんど持ち出しの9.99ドル均一で売り出し、電子書籍の普及に大いに貢献した。
ただ、電子書籍に安値を付けたのはアマゾンだけではない。出版社も、安すぎるアマゾンの価格設定には抵抗していたものの、ハードカバーよりも安く設定すること自体には前向きだった。安い電子書籍に読者が流れていってプリント版書籍が売れなくなれば、プリント版書籍にかかっている印刷や流通のコストが賄えなくなる。そんなリスクも大きかったが、とりあえずはハードカバーよりも安い値段でスタートすることは当初から想定していた。
さて、これをハードカバーと同じ値段、あるいは似たような値段を付けられている日本の状況と比べてみよう。この違いの理由は何か。
ひとつは、日本ではそれがまかり通ることである。日本の電子書籍市場はまだ揺籃期で、はっきりしたかたちがない。どのプラットフォームでどのデバイスを用い、どこからコンテンツを買うのかついて、クリアーな選択の全貌が見えないのだ。そうした状況の中では、適正価格の見極めようもなく、したがってどんな価格でもかまわないのだ。
ふたつめは、消費者、つまり読者による圧力がないことが挙げられるだろう。印刷にも流通にも金のかからない電子書籍をプリント版と同じ値段にしてしまったりすると、少なくともアメリカでは出版社が総スカンを喰う。アメリカの消費者は価格に厳しい上、デジタル時代になって以降、企業が技術導入によって価格を押し下げて当たり前と感じるようになっている。そんな努力やイノベーションをアピールしない企業は、魅力半減なのだ。
さらに、これはよく言われることだが、硬直的な日本の産業構造にも言及しないわけにはいかない。アメリカではデジタル技術に合わせて、あらゆる産業が再編成されているのだが、日本の場合は現状の構造をがっちりと維持したまま、ある限られた部分がデジタルによって置き換えられるということになっているようだ。ハードカバーと変わらない電子書籍の価格設定もその現れで、取り次ぎ構造などの複雑な現状を維持するコストなのだろう。これでは電子書籍が大きく離陸できるはずもなく、既存の産業がデジタル技術によって受ける恩恵も限られたものになってしまう。
さらに大げさなことを付け加えると、産業界がどんな世界観を描いているのかの違いもある。日本は電子書籍や、出版界で今「黒船」と呼ばれているアマゾン、アップルなどアメリカのプラットフォームの到来によって、市場の取り合いが激しくなると見ているようだ。書籍市場、読者市場はこれ以上大きくならないという見方だ。だが、アメリカでは、多少プレイヤーの入れ替えはあるだろうが、やり方次第で市場自体が大きく拡大し、そこに参加したみながその益に利するのだという、漠然とした楽観的な世界観がある。
この点における両国の違いはけっこう大きく、アメリカ企業が守りよりも攻めに出ているのはそのためだ。そうすることによって、次の時代の正式プレイヤーになろうとしているのだが、同じような意気込みが日本からは感じられない。
先だって、マーケティングのグルと呼ばれるセス・ゴーディンと話す機会があった。超人気の著者であるゴーディンは既存の出版界を離れ、今や一切の活動をアマゾン上に移してしまった。同社のプラットフォームを利用し、プリント版書籍も電子書籍もアマゾンから発行するというのである。ゴーディンは個人作家だが、彼も「攻め」に出ていると言えるだろう。
ゴーディンは、電子、プリント版に限らず、果たして書籍の適正価格があるのかどうか自体がわからなくなっていると語っていた。同じ著作でも、安い電子書籍で出すものもあれば、手作り風にして、特製のおまけなどをつけて高価な値段で売ることもできる。特定のスポンサー付きで、限定期間の特価バーゲンもありだ。つまり、こうなると「本」という定義自体が伸縮自在なわけで、それもデジタル技術によって可能になったことのひとつだろう。
ここ数年、電子書籍関係の会議に連続して参加しているのだが、電子書籍に対するアメリカの出版社の姿勢はその間に180度変わった。今や躊躇することなく壮大な大実験に乗り出しているという様相である。どう本が再定義されるかも興味深いが、個人読者としては本が安くなったことが何よりも嬉しい。
いったい、電子書籍にはどんな価格が適正なのだろうか?
実は今のところ、その正解を知っている人間は誰もいない。電子書籍では日本の数年先を行き、無数に出版されているアメリカでも、価格はまちまちだ。同じ書籍でも、注意深く見ていると時々値段が変わっていることもある。
ただ、ハードカバーの単行本と値段がほとんど変わらない日本の電子書籍に比べると、アメリカでは格段に安い。アメリカではハードカバーの単行本が日本よりずっと高く、平均して25ドルほどの価格がついているが、電子書籍ならば10ドル前後が普通。だいたい半分、あるいはそれ以下の価格で買えるのだ。
この価格破壊を先導したのはアマゾンだった。新しい市場を開拓するために出血サービルで激安値段をつけるのは同社の常套手段。電子書籍でも同様で、ほとんど持ち出しの9.99ドル均一で売り出し、電子書籍の普及に大いに貢献した。
ただ、電子書籍に安値を付けたのはアマゾンだけではない。出版社も、安すぎるアマゾンの価格設定には抵抗していたものの、ハードカバーよりも安く設定すること自体には前向きだった。安い電子書籍に読者が流れていってプリント版書籍が売れなくなれば、プリント版書籍にかかっている印刷や流通のコストが賄えなくなる。そんなリスクも大きかったが、とりあえずはハードカバーよりも安い値段でスタートすることは当初から想定していた。
さて、これをハードカバーと同じ値段、あるいは似たような値段を付けられている日本の状況と比べてみよう。この違いの理由は何か。
ひとつは、日本ではそれがまかり通ることである。日本の電子書籍市場はまだ揺籃期で、はっきりしたかたちがない。どのプラットフォームでどのデバイスを用い、どこからコンテンツを買うのかついて、クリアーな選択の全貌が見えないのだ。そうした状況の中では、適正価格の見極めようもなく、したがってどんな価格でもかまわないのだ。
ふたつめは、消費者、つまり読者による圧力がないことが挙げられるだろう。印刷にも流通にも金のかからない電子書籍をプリント版と同じ値段にしてしまったりすると、少なくともアメリカでは出版社が総スカンを喰う。アメリカの消費者は価格に厳しい上、デジタル時代になって以降、企業が技術導入によって価格を押し下げて当たり前と感じるようになっている。そんな努力やイノベーションをアピールしない企業は、魅力半減なのだ。
さらに、これはよく言われることだが、硬直的な日本の産業構造にも言及しないわけにはいかない。アメリカではデジタル技術に合わせて、あらゆる産業が再編成されているのだが、日本の場合は現状の構造をがっちりと維持したまま、ある限られた部分がデジタルによって置き換えられるということになっているようだ。ハードカバーと変わらない電子書籍の価格設定もその現れで、取り次ぎ構造などの複雑な現状を維持するコストなのだろう。これでは電子書籍が大きく離陸できるはずもなく、既存の産業がデジタル技術によって受ける恩恵も限られたものになってしまう。
さらに大げさなことを付け加えると、産業界がどんな世界観を描いているのかの違いもある。日本は電子書籍や、出版界で今「黒船」と呼ばれているアマゾン、アップルなどアメリカのプラットフォームの到来によって、市場の取り合いが激しくなると見ているようだ。書籍市場、読者市場はこれ以上大きくならないという見方だ。だが、アメリカでは、多少プレイヤーの入れ替えはあるだろうが、やり方次第で市場自体が大きく拡大し、そこに参加したみながその益に利するのだという、漠然とした楽観的な世界観がある。
この点における両国の違いはけっこう大きく、アメリカ企業が守りよりも攻めに出ているのはそのためだ。そうすることによって、次の時代の正式プレイヤーになろうとしているのだが、同じような意気込みが日本からは感じられない。
先だって、マーケティングのグルと呼ばれるセス・ゴーディンと話す機会があった。超人気の著者であるゴーディンは既存の出版界を離れ、今や一切の活動をアマゾン上に移してしまった。同社のプラットフォームを利用し、プリント版書籍も電子書籍もアマゾンから発行するというのである。ゴーディンは個人作家だが、彼も「攻め」に出ていると言えるだろう。
ゴーディンは、電子、プリント版に限らず、果たして書籍の適正価格があるのかどうか自体がわからなくなっていると語っていた。同じ著作でも、安い電子書籍で出すものもあれば、手作り風にして、特製のおまけなどをつけて高価な値段で売ることもできる。特定のスポンサー付きで、限定期間の特価バーゲンもありだ。つまり、こうなると「本」という定義自体が伸縮自在なわけで、それもデジタル技術によって可能になったことのひとつだろう。
ここ数年、電子書籍関係の会議に連続して参加しているのだが、電子書籍に対するアメリカの出版社の姿勢はその間に180度変わった。今や躊躇することなく壮大な大実験に乗り出しているという様相である。どう本が再定義されるかも興味深いが、個人読者としては本が安くなったことが何よりも嬉しい。
アマゾン電子書籍契約は妥当か無茶か 大手は反発、中小は興味示す?
http://www.j-cast.com/2011/11/01111860.html?p=1
ネット通販最大手の米アマゾンが各出版社に電子書籍の契約書を送ったと報じられ、その内容が妥当か無茶かどうかを巡って論議になっている。
日経が2011年10月20日付朝刊1面トップでアマゾンが日本で年内にも電子書籍事業に参入とスクープしたのに続き、今度は一部メディアがその「契約書内容」を報じた。
売り上げの55%をアマゾンになど
それは、ライブドアのサイト「BLOGOS」が29日に配信した「『こんなの論外だ!』アマゾンの契約書に激怒する出版社員」だ。
記事によると、アマゾンは、10月上旬に日本の出版社約130社を集めた説明会を都内で開き、出版社には、それから数日後に「KINDLE電子書籍配信契約」が送られてきた。
そこでは、すべての新刊を電子化してアマゾンに提供し、出版社がそうしないときはアマゾンが電子化すること、アマゾンの推奨フォーマットでは、売り上げの55%をアマゾンのものとすること、書籍より価格を低くすること、そして、出版社が著作権を保有すること、などの条項が挙げられていた。アマゾンへの回答期限は、10月31日までになっている。
記事では、説明会に参加したある中堅出版社の怒りの声を紹介した。その書籍編集者は、いずれも出版社側には不利となる内容で、特に、出版社が著作権を保有するのを1か月以内に決めろというのは無理難題だと反発している。欧米流の著作権管理だが、著者から了解を取るなど難しい手続きが必要だからだ。
こうした契約書内容は、本当なのか。
日経が「詰めの交渉」中と報じた小学館や集英社では、それぞれ「交渉は進展しておらず、内容も守秘義務があるのでお答えできません」「(日経で)報道されている事実はありません」とだけコメント。交渉中という講談社でも、「契約状況はまったく明かせません」とした。一方、日経がアマゾンと合意したと報じたPHP研究所(京都市)は、その報道を否定。検討中ではあるものの、まだ合意していないとし、内容については、「守秘義務がありますので、一切話せません」と言っている。
大手は「無茶」多く、中小の一部は理解示す
アマゾン・ジャパンに取材すると、広報部は外出中だったため、契約書内容の事実関係は確認できなかった。
もし内容が本当だとすると、出版社には受け入れられるものなのか。
ある大手出版社の担当者は、アマゾンの契約書について、「あんな無茶な要求は、飲むわけがありません」と明言した。特に、出版社が著作権を保有するという条項については、著作物の複写などを認める著作隣接権を出版社が求めても著者らが拒否しているような状況で、実現させるのは難しいと指摘した。
また、この出版社はアマゾンと交渉中だが、飲めない条項ではそもそも交渉しない。こうしたことから、担当者は、「同一の契約書を配っているとは思えませんね」として、アマゾンが中堅出版社などとの二刀流を使っている可能性を示唆した。
アマゾンと交渉している別の大手出版社では、出版社が著作権を保有という条項の話はないといい、「そんな厳しいことは無理では」と漏らした。売り上げの55%をアマゾンのものとすること、すべての新刊を電子化してアマゾンに提供することなどの提示もなかったという。
一方、中小の出版社からは、アマゾンの条項は必ずしも法外とは言えないとの声も出ている。ある出版社は、契約書は来ていないとしながらもこう話す。
「55%は法外かもしれませんが、出版社に入る利益は、紙と大差ないんですよ。電子書籍なら、取り次ぎへの支払いや印刷などのコストがかからないからです。著作権の保有についても、アップルがiTunesを手がけたときに無理とぼろくそに言われながら成功していますし、ケースバイケースでしょう。大手の営業の力が強くて本をなかなか書店に卸せない中小の出版社にとっては、逆にチャンスかもしれないですね」
ネット上でも、アマゾンの契約書について、賛意を示す書き込みも多い。「半分以上とかボリ過ぎだろ」といった指摘もあるが、「消費者は望んでいます」「動揺してたら作家と直接取引し出すぞ」との声が出ている。
ネット通販最大手の米アマゾンが各出版社に電子書籍の契約書を送ったと報じられ、その内容が妥当か無茶かどうかを巡って論議になっている。
日経が2011年10月20日付朝刊1面トップでアマゾンが日本で年内にも電子書籍事業に参入とスクープしたのに続き、今度は一部メディアがその「契約書内容」を報じた。
売り上げの55%をアマゾンになど
それは、ライブドアのサイト「BLOGOS」が29日に配信した「『こんなの論外だ!』アマゾンの契約書に激怒する出版社員」だ。
記事によると、アマゾンは、10月上旬に日本の出版社約130社を集めた説明会を都内で開き、出版社には、それから数日後に「KINDLE電子書籍配信契約」が送られてきた。
そこでは、すべての新刊を電子化してアマゾンに提供し、出版社がそうしないときはアマゾンが電子化すること、アマゾンの推奨フォーマットでは、売り上げの55%をアマゾンのものとすること、書籍より価格を低くすること、そして、出版社が著作権を保有すること、などの条項が挙げられていた。アマゾンへの回答期限は、10月31日までになっている。
記事では、説明会に参加したある中堅出版社の怒りの声を紹介した。その書籍編集者は、いずれも出版社側には不利となる内容で、特に、出版社が著作権を保有するのを1か月以内に決めろというのは無理難題だと反発している。欧米流の著作権管理だが、著者から了解を取るなど難しい手続きが必要だからだ。
こうした契約書内容は、本当なのか。
日経が「詰めの交渉」中と報じた小学館や集英社では、それぞれ「交渉は進展しておらず、内容も守秘義務があるのでお答えできません」「(日経で)報道されている事実はありません」とだけコメント。交渉中という講談社でも、「契約状況はまったく明かせません」とした。一方、日経がアマゾンと合意したと報じたPHP研究所(京都市)は、その報道を否定。検討中ではあるものの、まだ合意していないとし、内容については、「守秘義務がありますので、一切話せません」と言っている。
大手は「無茶」多く、中小の一部は理解示す
アマゾン・ジャパンに取材すると、広報部は外出中だったため、契約書内容の事実関係は確認できなかった。
もし内容が本当だとすると、出版社には受け入れられるものなのか。
ある大手出版社の担当者は、アマゾンの契約書について、「あんな無茶な要求は、飲むわけがありません」と明言した。特に、出版社が著作権を保有するという条項については、著作物の複写などを認める著作隣接権を出版社が求めても著者らが拒否しているような状況で、実現させるのは難しいと指摘した。
また、この出版社はアマゾンと交渉中だが、飲めない条項ではそもそも交渉しない。こうしたことから、担当者は、「同一の契約書を配っているとは思えませんね」として、アマゾンが中堅出版社などとの二刀流を使っている可能性を示唆した。
アマゾンと交渉している別の大手出版社では、出版社が著作権を保有という条項の話はないといい、「そんな厳しいことは無理では」と漏らした。売り上げの55%をアマゾンのものとすること、すべての新刊を電子化してアマゾンに提供することなどの提示もなかったという。
一方、中小の出版社からは、アマゾンの条項は必ずしも法外とは言えないとの声も出ている。ある出版社は、契約書は来ていないとしながらもこう話す。
「55%は法外かもしれませんが、出版社に入る利益は、紙と大差ないんですよ。電子書籍なら、取り次ぎへの支払いや印刷などのコストがかからないからです。著作権の保有についても、アップルがiTunesを手がけたときに無理とぼろくそに言われながら成功していますし、ケースバイケースでしょう。大手の営業の力が強くて本をなかなか書店に卸せない中小の出版社にとっては、逆にチャンスかもしれないですね」
ネット上でも、アマゾンの契約書について、賛意を示す書き込みも多い。「半分以上とかボリ過ぎだろ」といった指摘もあるが、「消費者は望んでいます」「動揺してたら作家と直接取引し出すぞ」との声が出ている。
2011年10月25日火曜日
Amazon、今年日本で電子書籍ストアを開始
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1110/25/news022.html
AmazonはKindle Storeをグローバルに展開しつつある。ドイツ、フランス、スペインなどの国々で2011年末から2012年第1四半期までにサービス開始予定だが、同社は現在、日本でのサービスインを目指し大手出版社と詰めの交渉に入っている。海外からの視点をお届けしよう。
Amazonは今年電子書籍ストアを多くの国々で開始し、グローバルでの規模を拡大しつつある。ドイツ、フランス、スペインなどの国々で2011年末から2012年第1四半期までにサービス開始予定となっているが、日本経済新聞によると、同社は現在、日本の大手出版社との交渉に入っている。
2010年12月に「PRS-650」を発売したソニーは、現在日本の電子書籍市場で最も存在感のある企業の1つだ。同社はすべての大手出版社、新聞社、漫画出版社とReader Store経由でコンテンツを販売する契約を交わした。日本市場への参入はソニーにとっては2度目のことで、今回はうまくいった。その理由は部分的には電子書籍が広く受け入れられつつあるということだが、技術に対する人々の認知が高まりつつあるということも挙げられよう。
Amazonはこのマーケットで競争する2番目の国際的企業になろうとしている。同社は数カ月にわたって日本の出版社および新聞社と交渉しているが、明確な契約には至っていない。出版社が抱える不安要因は、Amazonが競争を排除するために低価格でコンテンツを提供しようとする傾向がある点だ。エージェンシーモデルは日本の商習慣からするとやや異質で、Amazonは、契約を締結してもほとんど利益がないのではないかと懸念する企業と交渉を続けている。日本経済新聞によると、Amazonは契約の最終詳細をほぼ固めつつあり、価格引き下げの範囲などは事前に出版社と議論するものとしている。
Amazonにとってまず足掛かりとなるのは、デバイスで日本語が読め、ローカライズ可能な機能を提供するためにカスタムファームを搭載した新たな第4世代Kindleを小売市場で販売することだ。日本市場で、Kindleがどのように販売されるか、またその価格がどのようになるかはまだ分かっていないが、Amazonは自社サイトだけでなく、小売市場でKindleを販売しなければならないだろうということを理解している。
魅力的な電子書籍市場に参入する企業にとって日出ずる国は豊かな市場となっている。電子書籍および電子コミックのファイルフォーマットが複数競合しているため、まだほとんど手つかずの市場だからだ。時事通信は日本の電子書籍市場は8億4600万ドル規模、紙版書籍および雑誌について2兆円規模と算定している。
AmazonはKindle Storeをグローバルに展開しつつある。ドイツ、フランス、スペインなどの国々で2011年末から2012年第1四半期までにサービス開始予定だが、同社は現在、日本でのサービスインを目指し大手出版社と詰めの交渉に入っている。海外からの視点をお届けしよう。
Amazonは今年電子書籍ストアを多くの国々で開始し、グローバルでの規模を拡大しつつある。ドイツ、フランス、スペインなどの国々で2011年末から2012年第1四半期までにサービス開始予定となっているが、日本経済新聞によると、同社は現在、日本の大手出版社との交渉に入っている。
2010年12月に「PRS-650」を発売したソニーは、現在日本の電子書籍市場で最も存在感のある企業の1つだ。同社はすべての大手出版社、新聞社、漫画出版社とReader Store経由でコンテンツを販売する契約を交わした。日本市場への参入はソニーにとっては2度目のことで、今回はうまくいった。その理由は部分的には電子書籍が広く受け入れられつつあるということだが、技術に対する人々の認知が高まりつつあるということも挙げられよう。
Amazonはこのマーケットで競争する2番目の国際的企業になろうとしている。同社は数カ月にわたって日本の出版社および新聞社と交渉しているが、明確な契約には至っていない。出版社が抱える不安要因は、Amazonが競争を排除するために低価格でコンテンツを提供しようとする傾向がある点だ。エージェンシーモデルは日本の商習慣からするとやや異質で、Amazonは、契約を締結してもほとんど利益がないのではないかと懸念する企業と交渉を続けている。日本経済新聞によると、Amazonは契約の最終詳細をほぼ固めつつあり、価格引き下げの範囲などは事前に出版社と議論するものとしている。
Amazonにとってまず足掛かりとなるのは、デバイスで日本語が読め、ローカライズ可能な機能を提供するためにカスタムファームを搭載した新たな第4世代Kindleを小売市場で販売することだ。日本市場で、Kindleがどのように販売されるか、またその価格がどのようになるかはまだ分かっていないが、Amazonは自社サイトだけでなく、小売市場でKindleを販売しなければならないだろうということを理解している。
魅力的な電子書籍市場に参入する企業にとって日出ずる国は豊かな市場となっている。電子書籍および電子コミックのファイルフォーマットが複数競合しているため、まだほとんど手つかずの市場だからだ。時事通信は日本の電子書籍市場は8億4600万ドル規模、紙版書籍および雑誌について2兆円規模と算定している。
2011年10月11日火曜日
Kindle Fireの裏側
http://www.ebook2forum.com/members/2011/10/business-model-behind-kindle-fire/
アマゾンの新製品発表(9/28)に関して、同社のKindle事業担当デイブ・リム(Dave Limp)副社長(写真=下)がシアトル・タイムズ紙に行っていたインタビューには、Kindle Fireに関して注目に値する論点が含まれていた。たとえば、$199という価格は「出血価格」ではない、EPUBはサポートしていない、OSは「Gingerbread (2.3)ベースのHoneycomb (3.0)変種」、iPadとは競合しない、Netflixアプリを搭載していること、などだ。アプリ内決済の問題など、iPadとの比較上問題となることは順次明らかにされていくだろう。
デバイスでもサービスでも利益を上げる
Fireの原価についてはiSuppliが部品ベースで約199ドルという推定を発表し、赤字はほぼ確実と思われているが、リムVPは、「それは私たちのビジネス観とは違う」と否定し、「デバイスでもサービスでも利益を上げ、それを持続可能にすることが株主に対する責任でもある。」とした。慎重な答えだが、これは
•採算ラインをかなり高く設定し(たとえば100万~200万台)
•台湾メーカーからの調達価格を他より安く抑えた
ことを意味しているものと考えられる。100万台以上をコミットすれば、部品ベースで100ドルに近いものとすることも不可能ではない。部品の中で最も高いのは液晶パネルとメモリだが、Fireのメモリは2GBと最低水準だ。2007年12月発売の初代Kindleでも利益は確保していたと考えられている。
「Gingerbread (2.3)ベースのHoneycomb (3.0)変種」
この表現は、オープンソースのAndroidを独自に拡張し、Googleがソースコードを公開していないHoneycomb相当品を開発したことを意味している。最新版ではないが、現在のAndroidアプリのほとんどが使用可能だ。リム氏も互換性を重視していると述べている。これは次のことを意味する。
•Googleのライセンス(統制)は受けず、互換性はアマゾンが保証する
•アプリ開発者はAndroidの開発環境をそのまま利用することが出来る
この「付かず離れず」というスタンスは、まだ成長途上のAndroid Marketに大きな影響を与える。膨大な顧客を擁するアマゾンの引力は大きく、開発者はGoogleよりもアマゾンを見て開発するようになる。それに、開発者はiPad (iOS)と同時に開発しなければならないから、Androidの方言には付き合いたくない。両手10本指(iOS)、片手2本指(Kindle)というタッチスクリーンの操作性の違いに対応するだけでも簡単ではない。
EPUBはサポートしない:外部環境・ファイルへの対応
外部ポートはUSB (とヘッドフォン端子)しかないが、という質問にリム氏は、Kindleと同様、Fireの外部接続はすべてUSBを通じて行うことを明らかにした。PCやMacと接続するとフォルダーが立ち上がり、他で購入したDRMなしのコンテンツ(たとえばiTunesの音楽ソース)をドラグ&ドロップで移せばFireで再生することが出来る。これはローカルだけでなく、クラウドでも対応する。他のデバイスのMP3音源や画像はこうして保存・利用することも想定されているようだ。
ではE-Bookはどうか。「EPUBはサポートするのか」という質問に、リム氏は「当社はサポートしない。」と答えた。これでアマゾンがEPUBをサポートするのではという観測は否定されたことになる。その代わり、デスクトップ級の強力なPDFエンジンを搭載し、書籍・雑誌に対応する。これを解釈すれば、アマゾンの認識は次のようなことであろう。
•今後ともEPUBファイルを受け入れ、自社でKindleコンテンツ化する
•商業的コンテンツは、ほとんどすべてがKindle対応になっている
•EPUB仕様は、実用上問題のない範囲でKindleフォーマットに吸収可能
周知のように、EPUB仕様はHTML5/CSS3を土台としたEPUB3に移行しつつある。通常の欧文書籍に関する限り、EPUB2とKindleが使っているMobiの違いは僅かで変換も可能だが、たとえば日本語組版を含めたEPUB3をサポートするとなると、Mobiもそれに対応した拡張を実装する必要がある。アマゾンはEPUB3対応の実装をすでに行っている可能性が高い。つまり、Acrobat PDFではない独自のPDFビューワでいくPDFの場合と同様、EPUB 3対応のエンジンをを開発してサポートするということだ。
出版社にとっては実質的な影響はない。アマゾンの独自仕様を気にする必要もないだろう。つまりアマゾンの独自フォーマットは、著者・出版社・読者がいちばん気にする文書構造の記述と表現に関することではなく、独自のWhisper Syncや図書館からの借り出し、DRM認証、SNSなど、もっぱらサービス・インタフェースに関連するものなのだ。アマゾンのロックインの仕掛けは巧妙だ。
アプリ開発者への条件提示は近日発表
Kindle FireとiPadの違いは、iPadがPCを代替することも可能な全方位タブレットであるのに対して、Fireはもっぱらメディア・コンテンツの消費に特化しているということだ。リム氏はそれが$500と$200という価格の違いでもあり、「おそらく比較の対象にはならない」と述べている。もちろん、額面どおりに受け取る必要はない。Fireは現在のiPadの用途の大半をカバーしているからだ。Fireはフルブラウザとメールソフトを搭載し、メールソフトではWordとExcelファイルを読むことが出来る(PowerPointは不明)。
外部のネットサービスとの関係では、Netflix、Pandora、Facebook、Twitterに関してはアプリの搭載で合意した、としているがその他については近日中に明らかにされるという。つまり有償サービスを受け入れる場合には売上の一部をシェアするのだが条件はまだ提示されていない。アップルiOSでのアプリ内決済を経験したアマゾンが、どんな条件を提案するかが注目される。
アマゾンの新製品発表(9/28)に関して、同社のKindle事業担当デイブ・リム(Dave Limp)副社長(写真=下)がシアトル・タイムズ紙に行っていたインタビューには、Kindle Fireに関して注目に値する論点が含まれていた。たとえば、$199という価格は「出血価格」ではない、EPUBはサポートしていない、OSは「Gingerbread (2.3)ベースのHoneycomb (3.0)変種」、iPadとは競合しない、Netflixアプリを搭載していること、などだ。アプリ内決済の問題など、iPadとの比較上問題となることは順次明らかにされていくだろう。
デバイスでもサービスでも利益を上げる
Fireの原価についてはiSuppliが部品ベースで約199ドルという推定を発表し、赤字はほぼ確実と思われているが、リムVPは、「それは私たちのビジネス観とは違う」と否定し、「デバイスでもサービスでも利益を上げ、それを持続可能にすることが株主に対する責任でもある。」とした。慎重な答えだが、これは
•採算ラインをかなり高く設定し(たとえば100万~200万台)
•台湾メーカーからの調達価格を他より安く抑えた
ことを意味しているものと考えられる。100万台以上をコミットすれば、部品ベースで100ドルに近いものとすることも不可能ではない。部品の中で最も高いのは液晶パネルとメモリだが、Fireのメモリは2GBと最低水準だ。2007年12月発売の初代Kindleでも利益は確保していたと考えられている。
「Gingerbread (2.3)ベースのHoneycomb (3.0)変種」
この表現は、オープンソースのAndroidを独自に拡張し、Googleがソースコードを公開していないHoneycomb相当品を開発したことを意味している。最新版ではないが、現在のAndroidアプリのほとんどが使用可能だ。リム氏も互換性を重視していると述べている。これは次のことを意味する。
•Googleのライセンス(統制)は受けず、互換性はアマゾンが保証する
•アプリ開発者はAndroidの開発環境をそのまま利用することが出来る
この「付かず離れず」というスタンスは、まだ成長途上のAndroid Marketに大きな影響を与える。膨大な顧客を擁するアマゾンの引力は大きく、開発者はGoogleよりもアマゾンを見て開発するようになる。それに、開発者はiPad (iOS)と同時に開発しなければならないから、Androidの方言には付き合いたくない。両手10本指(iOS)、片手2本指(Kindle)というタッチスクリーンの操作性の違いに対応するだけでも簡単ではない。
EPUBはサポートしない:外部環境・ファイルへの対応
外部ポートはUSB (とヘッドフォン端子)しかないが、という質問にリム氏は、Kindleと同様、Fireの外部接続はすべてUSBを通じて行うことを明らかにした。PCやMacと接続するとフォルダーが立ち上がり、他で購入したDRMなしのコンテンツ(たとえばiTunesの音楽ソース)をドラグ&ドロップで移せばFireで再生することが出来る。これはローカルだけでなく、クラウドでも対応する。他のデバイスのMP3音源や画像はこうして保存・利用することも想定されているようだ。
ではE-Bookはどうか。「EPUBはサポートするのか」という質問に、リム氏は「当社はサポートしない。」と答えた。これでアマゾンがEPUBをサポートするのではという観測は否定されたことになる。その代わり、デスクトップ級の強力なPDFエンジンを搭載し、書籍・雑誌に対応する。これを解釈すれば、アマゾンの認識は次のようなことであろう。
•今後ともEPUBファイルを受け入れ、自社でKindleコンテンツ化する
•商業的コンテンツは、ほとんどすべてがKindle対応になっている
•EPUB仕様は、実用上問題のない範囲でKindleフォーマットに吸収可能
周知のように、EPUB仕様はHTML5/CSS3を土台としたEPUB3に移行しつつある。通常の欧文書籍に関する限り、EPUB2とKindleが使っているMobiの違いは僅かで変換も可能だが、たとえば日本語組版を含めたEPUB3をサポートするとなると、Mobiもそれに対応した拡張を実装する必要がある。アマゾンはEPUB3対応の実装をすでに行っている可能性が高い。つまり、Acrobat PDFではない独自のPDFビューワでいくPDFの場合と同様、EPUB 3対応のエンジンをを開発してサポートするということだ。
出版社にとっては実質的な影響はない。アマゾンの独自仕様を気にする必要もないだろう。つまりアマゾンの独自フォーマットは、著者・出版社・読者がいちばん気にする文書構造の記述と表現に関することではなく、独自のWhisper Syncや図書館からの借り出し、DRM認証、SNSなど、もっぱらサービス・インタフェースに関連するものなのだ。アマゾンのロックインの仕掛けは巧妙だ。
アプリ開発者への条件提示は近日発表
Kindle FireとiPadの違いは、iPadがPCを代替することも可能な全方位タブレットであるのに対して、Fireはもっぱらメディア・コンテンツの消費に特化しているということだ。リム氏はそれが$500と$200という価格の違いでもあり、「おそらく比較の対象にはならない」と述べている。もちろん、額面どおりに受け取る必要はない。Fireは現在のiPadの用途の大半をカバーしているからだ。Fireはフルブラウザとメールソフトを搭載し、メールソフトではWordとExcelファイルを読むことが出来る(PowerPointは不明)。
外部のネットサービスとの関係では、Netflix、Pandora、Facebook、Twitterに関してはアプリの搭載で合意した、としているがその他については近日中に明らかにされるという。つまり有償サービスを受け入れる場合には売上の一部をシェアするのだが条件はまだ提示されていない。アップルiOSでのアプリ内決済を経験したアマゾンが、どんな条件を提案するかが注目される。
2011年9月29日木曜日
米Amazon.comが最新「Kindle」発表、Androidアプリ対応モデルも
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110929_480424.html
米Amazon.comは、電子書籍端末「Kindle」の最新モデルを発表した。発表モデルは「Kindle」「Kindle Touch」「Kindle Touch 3G」のE INK採用電子ペーパーモデル3製品と、カラー液晶ディスプレイ搭載の「Kindle Fire」。
「Kindle」は、Amazone.comが展開する電子書籍リーダー。価格は「Kindle」が79ドル(約6000円)で、「Kindle Touch」が99ドル(約7500円)、「Kindle Touch 3G」が149ドル(約1万1400円)、「Kindle Fire」が199ドル(約1万5000円)。「Kindole」は本日より米Amazone.comで販売が開始され、そのほかのモデルは本日より予約を受け付ける。発売は「Kindle Fire」が11月15日、「Kindle Touch」と「Kindle Touch 3G」が11月21日。
「Kindle」は従来のモデルよりも軽く、薄くなった。大きさは166×114×8.7mmで、重さは170g。ディスプレイは、6インチのE INK電子ペーパーを搭載し、内蔵メモリ容量は2GB。Wi-Fi対応。5方向のコントローラーを搭載する。動作時間は約1カ月。
「Kindle Touch」と「Kindle Touch 3G」は、「Kindle」よりも少しサイズアップし、約173×119×10mm、重さは約212gとなる。ディスプレイサイズは「Kindle」と同じだが、マルチタッチに対応する。「Kindle Touch 3G」については、Wi-FiのほかAT&Tの3G網でコンテンツがダウンロードできる。内蔵メモリ容量は4GB。動作時間は2カ月。
「Kindle Fire」は、これまでの「Kindle」シリーズとは一線を画したモデルで、ブラウジングや動画やゲーム利用などが可能なタブレット型端末となっている。
映画、テレビ番組、音楽、雑誌、書籍、アプリ、ゲーム、ブラウジングなどが利用可能で、Amazonのクラウドサービスと連携するブラウザ「Amazon Silk」を搭載する。ディスプレイは、7インチ、1600万色表示のIPS液晶を装備し、マルチタッチをサポートする。デュアルコアプロセッサーを採用。内蔵メモリ容量は8GBとなる。
また、端末プラットフォームはAndroidと見られ、「Amazon App Store」からアプリが利用できる。電子書籍フォーマットはKindle(AZW)、TXT、PDFなどをサポートする。なお、「Amazon Silk」は、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)という(Amazon EC2)という仮想サーバーを利用して、人気のあるWebサイトをキャッシュしながらブラウジングの高速化を図るとしている。
約191×119×11mmで、重さは約414g。動作時間は8時間。
■ URL
ニュースリリース(Kindle、英文)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=1610968&highlight=
ニュースリリース(Silk、英文)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=1610970&highlight=
米Amazon.comは、電子書籍端末「Kindle」の最新モデルを発表した。発表モデルは「Kindle」「Kindle Touch」「Kindle Touch 3G」のE INK採用電子ペーパーモデル3製品と、カラー液晶ディスプレイ搭載の「Kindle Fire」。
「Kindle」は、Amazone.comが展開する電子書籍リーダー。価格は「Kindle」が79ドル(約6000円)で、「Kindle Touch」が99ドル(約7500円)、「Kindle Touch 3G」が149ドル(約1万1400円)、「Kindle Fire」が199ドル(約1万5000円)。「Kindole」は本日より米Amazone.comで販売が開始され、そのほかのモデルは本日より予約を受け付ける。発売は「Kindle Fire」が11月15日、「Kindle Touch」と「Kindle Touch 3G」が11月21日。
「Kindle」は従来のモデルよりも軽く、薄くなった。大きさは166×114×8.7mmで、重さは170g。ディスプレイは、6インチのE INK電子ペーパーを搭載し、内蔵メモリ容量は2GB。Wi-Fi対応。5方向のコントローラーを搭載する。動作時間は約1カ月。
「Kindle Touch」と「Kindle Touch 3G」は、「Kindle」よりも少しサイズアップし、約173×119×10mm、重さは約212gとなる。ディスプレイサイズは「Kindle」と同じだが、マルチタッチに対応する。「Kindle Touch 3G」については、Wi-FiのほかAT&Tの3G網でコンテンツがダウンロードできる。内蔵メモリ容量は4GB。動作時間は2カ月。
「Kindle Fire」は、これまでの「Kindle」シリーズとは一線を画したモデルで、ブラウジングや動画やゲーム利用などが可能なタブレット型端末となっている。
映画、テレビ番組、音楽、雑誌、書籍、アプリ、ゲーム、ブラウジングなどが利用可能で、Amazonのクラウドサービスと連携するブラウザ「Amazon Silk」を搭載する。ディスプレイは、7インチ、1600万色表示のIPS液晶を装備し、マルチタッチをサポートする。デュアルコアプロセッサーを採用。内蔵メモリ容量は8GBとなる。
また、端末プラットフォームはAndroidと見られ、「Amazon App Store」からアプリが利用できる。電子書籍フォーマットはKindle(AZW)、TXT、PDFなどをサポートする。なお、「Amazon Silk」は、Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)という(Amazon EC2)という仮想サーバーを利用して、人気のあるWebサイトをキャッシュしながらブラウジングの高速化を図るとしている。
約191×119×11mmで、重さは約414g。動作時間は8時間。
■ URL
ニュースリリース(Kindle、英文)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=1610968&highlight=
ニュースリリース(Silk、英文)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=1610970&highlight=
2011年9月26日月曜日
米公立図書館がAmazon.comのKindleに蔵書を貸し出すサービスを開始
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110922/369153/
米Amazon.comは現地時間2011年9月21日、同社の電子書籍リーダー端末やアプリケーションのユーザーが、米国図書館の書籍貸し出しサービスを利用可能になったと発表した。全米1万1000以上の公立図書館の蔵書、数百万冊が対象になるとしている。
利用者は最寄りの図書館のWebサイトにアクセスし、事前に取得した図書館カードを使って手続きを行う。好みの本を選んだら「Send to Kindle」ボタンを押すとAmazon.comのサイトにリダイレクトされる。Amazon.comのアカウントでログインした後は通常の書籍購入と同様にコンテンツの転送先を選ぶ。転送先は電子書籍リーダー端末「Kindle」のほか、iPhoneやiPad、Android、BlackBerry、Windows Phone用のKindleアプリーション、またはWebアプリケーション「Kindle Cloud Reader」など任意のものを選択できる。書籍コンテンツは無線LAN(Wi-Fi)やUSBケーブル経由で転送される(関連記事:Amazon.com、電子書籍リーダーのWebアプリ版「Kindle Cloud Reader」を公開)。
なお図書館カードは事前に最寄りの図書館で発行してもらう必要がある。また貸出期間は図書館によって異なる。期限の3日前と期限日が過ぎた時点で通知の電子メールがAmazon.comから送られてくる。
借りた書籍コンテンツには、ハイライトや注釈を書き込むことができ、しおり機能も利用できる。これらの情報はAmazon.comのサーバーに保存され、データ同期機能「Whispersync」を使って、次回同じ書籍を借りたり、Amazonから購入したりした際に、記入した内容が表示される。このほかFacebookやTwitterへの投稿機能、ハイライトや注釈の共有機能も用意している。
米Amazon.comは現地時間2011年9月21日、同社の電子書籍リーダー端末やアプリケーションのユーザーが、米国図書館の書籍貸し出しサービスを利用可能になったと発表した。全米1万1000以上の公立図書館の蔵書、数百万冊が対象になるとしている。
利用者は最寄りの図書館のWebサイトにアクセスし、事前に取得した図書館カードを使って手続きを行う。好みの本を選んだら「Send to Kindle」ボタンを押すとAmazon.comのサイトにリダイレクトされる。Amazon.comのアカウントでログインした後は通常の書籍購入と同様にコンテンツの転送先を選ぶ。転送先は電子書籍リーダー端末「Kindle」のほか、iPhoneやiPad、Android、BlackBerry、Windows Phone用のKindleアプリーション、またはWebアプリケーション「Kindle Cloud Reader」など任意のものを選択できる。書籍コンテンツは無線LAN(Wi-Fi)やUSBケーブル経由で転送される(関連記事:Amazon.com、電子書籍リーダーのWebアプリ版「Kindle Cloud Reader」を公開)。
なお図書館カードは事前に最寄りの図書館で発行してもらう必要がある。また貸出期間は図書館によって異なる。期限の3日前と期限日が過ぎた時点で通知の電子メールがAmazon.comから送られてくる。
借りた書籍コンテンツには、ハイライトや注釈を書き込むことができ、しおり機能も利用できる。これらの情報はAmazon.comのサーバーに保存され、データ同期機能「Whispersync」を使って、次回同じ書籍を借りたり、Amazonから購入したりした際に、記入した内容が表示される。このほかFacebookやTwitterへの投稿機能、ハイライトや注釈の共有機能も用意している。
2011年9月14日水曜日
米アマゾン、電子書籍ライブラリーで出版社と交渉
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-23140620110912
[ニューヨーク 11日 ロイター] 米オンライン小売り大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O: 株価, 企業情報, レポート)が、タブレット端末や電子書籍向けのライブラリーサービスの立ち上げに向け、複数の出版社と協議中であることが分かった。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が11日伝えた。
情報筋の話として同紙が伝えたところによると、このライブラリーサービスは年会費制で、オンラインDVDレンタルのネットフリックス(NFLX.O: 株価, 企業情報, レポート)に似たサービスだという。協議がどの程度進んでいるかについては不明だとしている。
同紙によると、出版業界の複数の幹部は、自社書籍の価格低下や他の小売業者との関係から、この提案にあまり乗り気ではないという。
アマゾンからのコメントは今のところ得られていない。
また同紙は、電子書籍端末「キンドル」を販売する同社が、米アップルの「iPad(アイパッド)」に対抗するタブレット端末を向こう数週間以内に発売する予定だと報じている。
[ニューヨーク 11日 ロイター] 米オンライン小売り大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O: 株価, 企業情報, レポート)が、タブレット端末や電子書籍向けのライブラリーサービスの立ち上げに向け、複数の出版社と協議中であることが分かった。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が11日伝えた。
情報筋の話として同紙が伝えたところによると、このライブラリーサービスは年会費制で、オンラインDVDレンタルのネットフリックス(NFLX.O: 株価, 企業情報, レポート)に似たサービスだという。協議がどの程度進んでいるかについては不明だとしている。
同紙によると、出版業界の複数の幹部は、自社書籍の価格低下や他の小売業者との関係から、この提案にあまり乗り気ではないという。
アマゾンからのコメントは今のところ得られていない。
また同紙は、電子書籍端末「キンドル」を販売する同社が、米アップルの「iPad(アイパッド)」に対抗するタブレット端末を向こう数週間以内に発売する予定だと報じている。
2011年7月28日木曜日
Amazon.comの2011年Q2決算は51%増収、コスト増で2四半期連続の減益
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110727/362904/
米Amazon.comが米国時間2011年7月26日に発表した同年第2四半期の決算は、売上高が99億1300万ドルで前年同期の65億6600万ドルと比べ51%増加した。純利益は1億9100万ドル(希薄化後1株当たり利益は0.41ドル)で、前年同期の2億700万ドル(同0.45ドル)から8%減となり、2四半期連続で減益となった。
営業利益は2億100万ドルで、前年同期の2億7000万ドルから26%減。営業利益率は2%で、前期の3.3%、前年同期の4.1%から低下した。売上原価、物流設備、ネットインフラなどにかかる営業経費が97億1200万ドルと前年同期から54%増加している。
事業別の売上高は、本やCD、DVDなどを扱うメディア部門が36億6000万ドルで前年同期比27%増。家電・日用品部門は58億9400万ドルで同69%増えた。地域別の売上高は、北米(米国とカナダ)が同51%増の54億600万ドル、海外部門(英国、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア)が同51%増の45億700万ドルとなった。
同社最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は、「低価格、品ぞろえの拡充、即配サービス、イノベーションといった要素が、過去10年間で最も高い成長率をもたらした」と述べている。四半期中に発売した電子書籍リーダー端末の広告表示機能付きモデル「Kindle with Special Offers」がKindleシリーズで最も売れる商品になったと説明している(関連記事:Amazon、電子書籍端末の広告表示機能付き廉価版を米国で発売)。
Amazon.comが併せて発表した2011年第3四半期の業績見通しは、売上高が103億~111億ドルの範囲で、前年同期比36~47%増と予想している。また営業利益は2000万~1億7000万ドルで、最大93%減少する見込み。
米Amazon.comが米国時間2011年7月26日に発表した同年第2四半期の決算は、売上高が99億1300万ドルで前年同期の65億6600万ドルと比べ51%増加した。純利益は1億9100万ドル(希薄化後1株当たり利益は0.41ドル)で、前年同期の2億700万ドル(同0.45ドル)から8%減となり、2四半期連続で減益となった。
営業利益は2億100万ドルで、前年同期の2億7000万ドルから26%減。営業利益率は2%で、前期の3.3%、前年同期の4.1%から低下した。売上原価、物流設備、ネットインフラなどにかかる営業経費が97億1200万ドルと前年同期から54%増加している。
事業別の売上高は、本やCD、DVDなどを扱うメディア部門が36億6000万ドルで前年同期比27%増。家電・日用品部門は58億9400万ドルで同69%増えた。地域別の売上高は、北米(米国とカナダ)が同51%増の54億600万ドル、海外部門(英国、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア)が同51%増の45億700万ドルとなった。
同社最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は、「低価格、品ぞろえの拡充、即配サービス、イノベーションといった要素が、過去10年間で最も高い成長率をもたらした」と述べている。四半期中に発売した電子書籍リーダー端末の広告表示機能付きモデル「Kindle with Special Offers」がKindleシリーズで最も売れる商品になったと説明している(関連記事:Amazon、電子書籍端末の広告表示機能付き廉価版を米国で発売)。
Amazon.comが併せて発表した2011年第3四半期の業績見通しは、売上高が103億~111億ドルの範囲で、前年同期比36~47%増と予想している。また営業利益は2000万~1億7000万ドルで、最大93%減少する見込み。
2011年7月26日火曜日
米Amazonもギブアップ、ついにiOS向け電子書籍アプリから自社課金サイトへのリンクを撤去
http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2596
現地報道によると、Amazon社(本社:米国ワシントン州)は現地時間7月25日、Apple社(本社:米国カリフォルニア州)のアプリ内課金規定への対応として、自社がiTunes App Storeに公開中のiPhone・iPad向け電子書籍アプリ「Kindle for iOS」から購入オプションを撤去した。
Amazon社(本社:米国ワシントン州)はすでに、iTunes App Store上でiPhone・iPad用アプリを2.8にアップデート。アプリから「Kindle Store」ボタンを削除した。新聞・雑誌の購読は「Kindle Store」から行うようになる。既存ユーザーはiOSデバイスで閲覧可能とのこと。
なお、米Wall Street Journal紙のアプリも購入リンクを外すことを発表した。
現地報道によると、Amazon社(本社:米国ワシントン州)は現地時間7月25日、Apple社(本社:米国カリフォルニア州)のアプリ内課金規定への対応として、自社がiTunes App Storeに公開中のiPhone・iPad向け電子書籍アプリ「Kindle for iOS」から購入オプションを撤去した。
Amazon社(本社:米国ワシントン州)はすでに、iTunes App Store上でiPhone・iPad用アプリを2.8にアップデート。アプリから「Kindle Store」ボタンを削除した。新聞・雑誌の購読は「Kindle Store」から行うようになる。既存ユーザーはiOSデバイスで閲覧可能とのこと。
なお、米Wall Street Journal紙のアプリも購入リンクを外すことを発表した。
2011年7月11日月曜日
電子書籍端末出荷台数でNOOKが初の首位に― Kindleの敗因は?
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1107/11/news064.html
IDCが発表した2011年第1四半期の電子書籍端末出荷で、米Burnes & Nobleが米Amazon.comをかわして首位に。カラー型端末提供の有無が勝負を分けたと思われる。
米調査会社のIDCは7月8日(現地時間)、2011年第1四半期(1~3月)における世界の電子書籍端末出荷に関する調査結果を発表した。タブレット端末出荷に関する調査結果と併せての発表となった。
レポートによると、同四半期における電子書籍リーダー端末の出荷台数は330万台で、前年同期の約2倍(105%増)。企業別では、米Burnes & Nobleが初めて首位に。米Amazon.comは首位の座を明け渡した。IDCでは、Burnes & Noble首位躍進の理由を2010年11月に発売したカラー版「NOOK」によるものと指摘、Amazon.comが電子書籍リーダー「Kindle」シリーズにカラー版を提供していないことがこの結果につながったとしている。
なお、IDCは2011年通年の全世界の電子書籍出荷台数を前年比24%増の1620万台と予測している。
2011年6月22日水曜日
Kindleにあふれる電子書籍スパム 出版革命のプラスとマイナス
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1106/21/news073.html
AmazonのKindleで初めて100万部を販売した自費出版物が現れる一方で、Kindle向けオンライン書店にはスパム電子書籍があふれている。「Kindle書籍を1日に1冊ずつ作成する方法」まで出回っているという。
米Amazon.comの大ヒット商品である電子書籍端末「Kindle」がスパムの標的とされている。同端末向けのオンライン書店には目下、読む価値があるとは到底言えないような代物が溢れ、出版業界への進出を目指すAmazon.comの取り組みを阻害しかねない事態となっている。
Amazonのセルフパブリッシングシステムでは現在、電子書籍あるいはデジタル書籍などと呼ばれる書籍が毎月何千冊と出版されている。その多くは、従来の意味では「書かれていない」書籍だ。
そうした書籍は、代わりにPrivate Label Right(PLR)として知られるコンテンツを使ってまとめられている。PLRコンテンツとは、オンラインで非常に安価で入手し、自由にデジタル書籍にフォーマットし直すことができるデータのことだ。
AmazonのWebサイトでは、従来型の書籍とともにこうした電子書籍がしばしば99セントで販売されており、その結果、読者は自分の読みたい書籍を見つけるために大量のタイトルの中を探して回らなければならないようになってきている。
熱心なスパム業者であれば、「Autopilot Kindle Cash」というDVDボックスセットも購入しているかもしれない。このDVDセットは、「自分では一語も書かかずに1日に10~20冊もの新しいKindle書籍を出版する方法を伝授する」とうたったものだ。
出版の世界では目下、著者に「読者に直接アクセスするための新たな方法」を与えることによって出版業界の従来の在り方を覆すというオンライン革命が進行中だが、最近のスパム現象はそうした革命の影の部分を表している。
急激な変化
米国では2010年、電子書籍も含め、非従来型の書籍が280万点近く出版されたのに対し、従来型の書籍の出版点数はわずか31万6000点強にとどまった。2009年には、非従来型書籍の出版点数は133万点、従来型の書籍が30万2000点だった。これは、出版業界の専門家であるフォーダム大学ビジネススクールのアルバート・グレコ氏によるデータだ。
同氏によると、2002年には、米国で出版された非従来型書籍は3万3000点にも満たず、一方、従来型の書籍は21万5000点以上が出版されていたという。
「これは驚異的な増加だ。気が遠くなるような変化だ。プラスの側面として挙げられるのは、この変化のおかげで、書籍を執筆したものの取次を介した従来の方法ではそれを出版できずにいた非常に多くの人たちが助かっているという点だ」と同氏は言う。
だがグレコ氏はマイナスの側面も指摘している。問題の1つは、著者がより多くの書籍を相手に読者の争奪戦を繰り広げなければならない点だという。「そうした書籍の多くは従来であれば決して日の目を見ることのなかったようなものだ」と同氏。
こうした書籍の中には、ほかの作品をそのままコピーしただけのように見えるものもある。ニュージーランド在住の歴史小説作家であるシェイン・パーキンソン氏は今年早くに、自身のデビュー作「Sentence of Marriage」がAmazonで別の作家名で販売されているのを見つけたという。
この件は最初、Amazonの英国のオンラインフォーラムでユーザーが突き止め、その後、解決に至ったという。
「最初はショックだったし、信じられなかった。だがその一方で、この問題が見つかった経緯を思うと、誰かがわざわざわたしにこのことを知らせてくれたということに非常に感謝している」とパーキンソン氏は語っている。
Amazonにとっては、Kindleを襲っている電子書籍スパムの波は、同社のセルフパブリッシングビジネスの推進を阻害し、同社の大ヒット商品であるKindleのブランドを損なうことにもつながりかねない。Barclays Capitalの推定では、Kindle端末は同社の2012年の売上高の約10%を占めている。
「この問題はますます広まっていくだろう。いったん一部のスパム業者がこうした新しい販路を見つけたら、大量の同業者がその後に続くものだ」と書籍とソフトウェアの出版業者であるLogical Expressionsのスーザン・ダフロン社長は指摘する。
Amazonは電子書籍の価格に応じて、その売上高の35~70%を著者に支払っている。これはスパム業者にとっては、この新たな販路に注力するための大いなる金銭的誘因となる。
「自社製品の健全性を守りたいのであれば、Amazonは間違いなく、もっと品質管理に力を入れるべきだ」とダフロン氏は言う。
「Amazonはこの問題の解消に懸命に取り組むだろう。この問題は、この市場における同社の優勢の多くを阻害する要因になる」とForrester Researchの電子リーダー担当アナリストであるジェームズ・マキビー氏も指摘している。
同氏によると、セルフパブリッシングサービスがいかに急速に変質したかを目の当たりにした結果、Amazonは目下、同社の新サービス「Kindle Singles」については、提出物のチェックを行っているという。Kindle Singlesでは、短編小説や長めの報道記事、エッセイなど、短めの文章が扱われている。
「差別化が一切、あるいはほとんど行われていない同じ内容の本が何種類も出版されても、顧客体験は向上しない。われわれは同一の内容が複数のバージョンで出版されている書籍を検出して排除するプロセスを設けた。当社のストアからそうしたコンテンツを排除することが狙いだ」とAmazonの広報担当者サラ・ゲルマン氏は6月14日付でReutersに送ってきたメールで述べている。同氏にはさらに問い合わせを行ったが、返答は得られなかった。
スパム急増の背景
Kindleスパムはここ半年間で急増している。インターネットマーケティングの専門家、ポール・ウルフ氏によると、これは、Kindle書籍を1日に1冊ずつ作成する方法を伝授する内容のオンラインコース、そして皮肉なことにはそうした内容の電子書籍までもが幾つかリリースされている影響という。
その手法の1つには、売れ始めた電子書籍をコピーして、タイトルと表紙をつけかえ、それまでとは若干異なる顧客層向けに出版し直すというものがある、とウルフ氏は説明する。
Kindleと競合する電子書籍リーダーにはBarnes & Nobleが販売する「Nook」があるが、同社のオンライン書店にはまだスパムはあふれていない。
「Barnes & Nobleは恐らくAmazonよりも積極的に電子書籍の内容を管理しているのだろう。もっとも、単にスパム業者にとってはKindleの大量のユーザーがより魅力的だからというだけかもしれない」とForresterのマキビー氏は指摘している。Barnes & Nobleにコメントを求めて問い合わせたが、返答は得られなかった。
電子書籍の出版と流通を手掛けるSmashwordsもスパムには悩まされているが、同社創業者のマーク・コーカー氏によれば、AmazonのKindleほどひどい状況ではないという。
Smashwordsでは、提出された電子書籍については、書式などの基本的な特徴を手作業でチェックした上で出版するという方針を採っている。コーカー氏によれば、スパムの明らかな特徴としては、表紙のデザインがお粗末だったり、表紙に作者の名前が載っていなかったり、書式が雑だったりといった点があげられるという。
また同氏によれば、Smashwordsは四半期ごと著者への支払いを行っているが、Amazonの支払いは毎月だという。「当社の場合、支払いまでに時間があるため、その分、スパム業者を追跡するための時間を多く取ることができ、支払い前にアカウントを閉鎖できる可能性も高まる」と同氏。
またAmazonは無料の電子書籍はあまり提供していないが、Smashwordsは多数提供している。そのため、スパム業者にとってはKindleで多くの書籍を出版する方が金銭的誘因が大きい、とさらにコーカー氏は続けている。
同氏によると、Smashwordsで出版された無料の電子書籍がコピーされ、AmazonのKindleストアで再出版され、最低99セントという料金で販売されている例をこれまでに5~6件見つけたという。
Forresterのマキビー氏によると、Amazonはソーシャルネットワーク的な解決策を編み出す必要があるという。読者が「自分の知っている人たち、あるいは過去にレビューを読んで気に入った人たちからの推薦」を見られるようにすれば、自分の希望のコンテンツを追跡しやすくなり、不正な推薦の回避にも役立つだろう、と同氏は言う。
Logical Expressionsのダフロン氏は、「AmazonはKindleの出版システムへのアップロードを有料にすべきだ」と指摘している。そうすればスパム業者にとっての金銭的誘因は大幅にダウンすることになるからだ。
「電子メールのスパムがこれほど問題になったのも同じ理由からだ。コストが一切かからないからだ」と同氏。「もし1冊の本のタイトルや作者を変えて12種類ものバージョンを異なる価格で出版できるのなら、たとえ1冊か2冊しか売れなくても、利益を上げられる。それでは業者の勝ち、Amazonの負けだ」
自費出版の電子書籍で初の100万冊販売 米アマゾン
http://www.asahi.com/national/update/0621/TKY201106210122.html
米インターネット通販最大手アマゾンは20日、出版社などと契約せずに自分で出版する米国人作家が、電子書籍を初めて100万冊売ったと発表した。誰でも手軽に出版できる電子書籍の仕組みを使い、「出版社抜き」の本が本格的に流通し始めた。
ケンタッキー州に住むスリラー作家のジョン・ロック氏がアマゾンの電子書籍販売サービスで出版する仕組みを使って10作品を出し、19日までに計101万370冊を売った。アマゾンで電子書籍を100万冊以上売った作家は7人いるが、出版社を通さない作家では初めてという。
ロック氏の電子書籍はほとんどが99セント(約79円)で売られ、ロック氏によるとそのうち35セント(約28円)が同氏の取り分になる。ロック氏は「電子出版は独立系の作家が巨大な出版産業と公平に戦える機会をもたらした」とコメントした。
米インターネット通販最大手アマゾンは20日、出版社などと契約せずに自分で出版する米国人作家が、電子書籍を初めて100万冊売ったと発表した。誰でも手軽に出版できる電子書籍の仕組みを使い、「出版社抜き」の本が本格的に流通し始めた。
ケンタッキー州に住むスリラー作家のジョン・ロック氏がアマゾンの電子書籍販売サービスで出版する仕組みを使って10作品を出し、19日までに計101万370冊を売った。アマゾンで電子書籍を100万冊以上売った作家は7人いるが、出版社を通さない作家では初めてという。
ロック氏の電子書籍はほとんどが99セント(約79円)で売られ、ロック氏によるとそのうち35セント(約28円)が同氏の取り分になる。ロック氏は「電子出版は独立系の作家が巨大な出版産業と公平に戦える機会をもたらした」とコメントした。
Kindleにあふれる電子書籍スパム 出版革命のプラスとマイナス
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1106/21/news073.html
Amazonのセルフパブリッシングシステムでは現在、電子書籍あるいはデジタル書籍などと呼ばれる書籍が毎月何千冊と出版されている。その多くは、従来の意味では「書かれていない」書籍だ。
そうした書籍は、代わりにPrivate Label Right(PLR)として知られるコンテンツを使ってまとめられている。PLRコンテンツとは、オンラインで非常に安価で入手し、自由にデジタル書籍にフォーマットし直すことができるデータのことだ。
AmazonのWebサイトでは、従来型の書籍とともにこうした電子書籍がしばしば99セントで販売されており、その結果、読者は自分の読みたい書籍を見つけるために大量のタイトルの中を探して回らなければならないようになってきている。
熱心なスパム業者であれば、「Autopilot Kindle Cash」というDVDボックスセットも購入しているかもしれない。このDVDセットは、「自分では一語も書かかずに1日に10~20冊もの新しい Kindle書籍を出版する方法を伝授する」とうたったものだ。
出版の世界では目下、著者に「読者に直接アクセスするための新たな方法」を与えることによって出版業界の従来の在り方を覆すというオンライン革命が進行中だが、最近のスパム現象はそうした革命の影の部分を表している。
同氏によると、2002年には、米国で出版された非従来型書籍は3万3000点にも満たず、一方、従来型の書籍は21万5000点以上が出版されていたという。
「これは驚異的な増加だ。気が遠くなるような変化だ。プラスの側面として挙げられるのは、この変化のおかげで、書籍を執筆したものの取次を介した従来の方法ではそれを出版できずにいた非常に多くの人たちが助かっているという点だ」と同氏は言う。
だがグレコ氏はマイナスの側面も指摘している。問題の1つは、著者がより多くの書籍を相手に読者の争奪戦を繰り広げなければならない点だという。「そうした書籍の多くは従来であれば決して日の目を見ることのなかったようなものだ」と同氏。
こうした書籍の中には、ほかの作品をそのままコピーしただけのように見えるものもある。ニュージーランド在住の歴史小説作家であるシェイン・パーキンソン氏は今年早くに、自身のデビュー作「Sentence of Marriage」がAmazonで別の作家名で販売されているのを見つけたという。
この件は最初、Amazonの英国のオンラインフォーラムでユーザーが突き止め、その後、解決に至ったという。
「最初はショックだったし、信じられなかった。だがその一方で、この問題が見つかった経緯を思うと、誰かがわざわざわたしにこのことを知らせてくれたということに非常に感謝している」とパーキンソン氏は語っている。
Amazonにとっては、Kindleを襲っている電子書籍スパムの波は、同社のセルフパブリッシングビジネスの推進を阻害し、同社の大ヒット商品であるKindleのブランドを損なうことにもつながりかねない。Barclays Capitalの推定では、Kindle端末は同社の2012年の売上高の約10%を占めている。
「この問題はますます広まっていくだろう。いったん一部のスパム業者がこうした新しい販路を見つけたら、大量の同業者がその後に続くものだ」と書籍とソフトウェアの出版業者であるLogical Expressionsのスーザン・ダフロン社長は指摘する。
Amazonは電子書籍の価格に応じて、その売上高の35~70%を著者に支払っている。これはスパム業者にとっては、この新たな販路に注力するための大いなる金銭的誘因となる。
「自社製品の健全性を守りたいのであれば、Amazonは間違いなく、もっと品質管理に力を入れるべきだ」とダフロン氏は言う。
「Amazonはこの問題の解消に懸命に取り組むだろう。この問題は、この市場における同社の優勢の多くを阻害する要因になる」とForrester Researchの電子リーダー担当アナリストであるジェームズ・マキビー氏も指摘している。
同氏によると、セルフパブリッシングサービスがいかに急速に変質したかを目の当たりにした結果、Amazonは目下、同社の新サービス「Kindle Singles」については、提出物のチェックを行っているという。Kindle Singlesでは、短編小説や長めの報道記事、エッセイなど、短めの文章が扱われている。
「差別化が一切、あるいはほとんど行われていない同じ内容の本が何種類も出版されても、顧客体験は向上しない。われわれは同一の内容が複数のバージョンで出版されている書籍を検出して排除するプロセスを設けた。当社のストアからそうしたコンテンツを排除することが狙いだ」とAmazonの広報担当者サラ・ゲルマン氏は6月14日付でReutersに送ってきたメールで述べている。同氏にはさらに問い合わせを行ったが、返答は得られなかった。
その手法の1つには、売れ始めた電子書籍をコピーして、タイトルと表紙をつけかえ、それまでとは若干異なる顧客層向けに出版し直すというものがある、とウルフ氏は説明する。
Kindleと競合する電子書籍リーダーにはBarnes & Nobleが販売する「Nook」があるが、同社のオンライン書店にはまだスパムはあふれていない。
「Barnes & Nobleは恐らくAmazonよりも積極的に電子書籍の内容を管理しているのだろう。もっとも、単にスパム業者にとってはKindleの大量のユーザーがより魅力的だからというだけかもしれない」とForresterのマキビー氏は指摘している。Barnes & Nobleにコメントを求めて問い合わせたが、返答は得られなかった。
電子書籍の出版と流通を手掛けるSmashwordsもスパムには悩まされているが、同社創業者のマーク・コーカー氏によれば、AmazonのKindleほどひどい状況ではないという。
Smashwordsでは、提出された電子書籍については、書式などの基本的な特徴を手作業でチェックした上で出版するという方針を採っている。コーカー氏によれば、スパムの明らかな特徴としては、表紙のデザインがお粗末だったり、表紙に作者の名前が載っていなかったり、書式が雑だったりといった点があげられるという。
また同氏によれば、Smashwordsは四半期ごと著者への支払いを行っているが、Amazonの支払いは毎月だという。「当社の場合、支払いまでに時間があるため、その分、スパム業者を追跡するための時間を多く取ることができ、支払い前にアカウントを閉鎖できる可能性も高まる」と同氏。
またAmazonは無料の電子書籍はあまり提供していないが、Smashwordsは多数提供している。そのため、スパム業者にとってはKindleで多くの書籍を出版する方が金銭的誘因が大きい、とさらにコーカー氏は続けている。
同氏によると、Smashwordsで出版された無料の電子書籍がコピーされ、AmazonのKindleストアで再出版され、最低99セントという料金で販売されている例をこれまでに5~6件見つけたという。
Forresterのマキビー氏によると、Amazonはソーシャルネットワーク的な解決策を編み出す必要があるという。読者が「自分の知っている人たち、あるいは過去にレビューを読んで気に入った人たちからの推薦」を見られるようにすれば、自分の希望のコンテンツを追跡しやすくなり、不正な推薦の回避にも役立つだろう、と同氏は言う。
Logical Expressionsのダフロン氏は、「AmazonはKindleの出版システムへのアップロードを有料にすべきだ」と指摘している。そうすればスパム業者にとっての金銭的誘因は大幅にダウンすることになるからだ。
「電子メールのスパムがこれほど問題になったのも同じ理由からだ。コストが一切かからないからだ」と同氏。「もし1冊の本のタイトルや作者を変えて12種類ものバージョンを異なる価格で出版できるのなら、たとえ1冊か2冊しか売れなくても、利益を上げられる。それでは業者の勝ち、Amazonの負けだ」
AmazonのKindleで初めて100万部を販売した自費出版物が現れる一方で、Kindle向けオンライン書店にはスパム電子書籍があふれている。「Kindle書籍を1日に1冊ずつ作成する方法」まで出回っているという。(ロイター)
米Amazon.comの大ヒット商品である電子書籍端末「Kindle」がスパムの標的とされている。同端末向けのオンライン書店には目下、読む価値があるとは到底言えないような代物が溢れ、出版業界への進出を目指すAmazon.comの取り組みを阻害しかねない事態となっている。Amazonのセルフパブリッシングシステムでは現在、電子書籍あるいはデジタル書籍などと呼ばれる書籍が毎月何千冊と出版されている。その多くは、従来の意味では「書かれていない」書籍だ。
そうした書籍は、代わりにPrivate Label Right(PLR)として知られるコンテンツを使ってまとめられている。PLRコンテンツとは、オンラインで非常に安価で入手し、自由にデジタル書籍にフォーマットし直すことができるデータのことだ。
AmazonのWebサイトでは、従来型の書籍とともにこうした電子書籍がしばしば99セントで販売されており、その結果、読者は自分の読みたい書籍を見つけるために大量のタイトルの中を探して回らなければならないようになってきている。
熱心なスパム業者であれば、「Autopilot Kindle Cash」というDVDボックスセットも購入しているかもしれない。このDVDセットは、「自分では一語も書かかずに1日に10~20冊もの新しい Kindle書籍を出版する方法を伝授する」とうたったものだ。
出版の世界では目下、著者に「読者に直接アクセスするための新たな方法」を与えることによって出版業界の従来の在り方を覆すというオンライン革命が進行中だが、最近のスパム現象はそうした革命の影の部分を表している。
急激な変化
米国では2010年、電子書籍も含め、非従来型の書籍が280万点近く出版されたのに対し、従来型の書籍の出版点数はわずか31万6000点強にとどまった。2009年には、非従来型書籍の出版点数は133万点、従来型の書籍が30万2000点だった。これは、出版業界の専門家であるフォーダム大学ビジネススクールのアルバート・グレコ氏によるデータだ。同氏によると、2002年には、米国で出版された非従来型書籍は3万3000点にも満たず、一方、従来型の書籍は21万5000点以上が出版されていたという。
「これは驚異的な増加だ。気が遠くなるような変化だ。プラスの側面として挙げられるのは、この変化のおかげで、書籍を執筆したものの取次を介した従来の方法ではそれを出版できずにいた非常に多くの人たちが助かっているという点だ」と同氏は言う。
だがグレコ氏はマイナスの側面も指摘している。問題の1つは、著者がより多くの書籍を相手に読者の争奪戦を繰り広げなければならない点だという。「そうした書籍の多くは従来であれば決して日の目を見ることのなかったようなものだ」と同氏。
こうした書籍の中には、ほかの作品をそのままコピーしただけのように見えるものもある。ニュージーランド在住の歴史小説作家であるシェイン・パーキンソン氏は今年早くに、自身のデビュー作「Sentence of Marriage」がAmazonで別の作家名で販売されているのを見つけたという。
この件は最初、Amazonの英国のオンラインフォーラムでユーザーが突き止め、その後、解決に至ったという。
「最初はショックだったし、信じられなかった。だがその一方で、この問題が見つかった経緯を思うと、誰かがわざわざわたしにこのことを知らせてくれたということに非常に感謝している」とパーキンソン氏は語っている。
Amazonにとっては、Kindleを襲っている電子書籍スパムの波は、同社のセルフパブリッシングビジネスの推進を阻害し、同社の大ヒット商品であるKindleのブランドを損なうことにもつながりかねない。Barclays Capitalの推定では、Kindle端末は同社の2012年の売上高の約10%を占めている。
「この問題はますます広まっていくだろう。いったん一部のスパム業者がこうした新しい販路を見つけたら、大量の同業者がその後に続くものだ」と書籍とソフトウェアの出版業者であるLogical Expressionsのスーザン・ダフロン社長は指摘する。
Amazonは電子書籍の価格に応じて、その売上高の35~70%を著者に支払っている。これはスパム業者にとっては、この新たな販路に注力するための大いなる金銭的誘因となる。
「自社製品の健全性を守りたいのであれば、Amazonは間違いなく、もっと品質管理に力を入れるべきだ」とダフロン氏は言う。
「Amazonはこの問題の解消に懸命に取り組むだろう。この問題は、この市場における同社の優勢の多くを阻害する要因になる」とForrester Researchの電子リーダー担当アナリストであるジェームズ・マキビー氏も指摘している。
同氏によると、セルフパブリッシングサービスがいかに急速に変質したかを目の当たりにした結果、Amazonは目下、同社の新サービス「Kindle Singles」については、提出物のチェックを行っているという。Kindle Singlesでは、短編小説や長めの報道記事、エッセイなど、短めの文章が扱われている。
「差別化が一切、あるいはほとんど行われていない同じ内容の本が何種類も出版されても、顧客体験は向上しない。われわれは同一の内容が複数のバージョンで出版されている書籍を検出して排除するプロセスを設けた。当社のストアからそうしたコンテンツを排除することが狙いだ」とAmazonの広報担当者サラ・ゲルマン氏は6月14日付でReutersに送ってきたメールで述べている。同氏にはさらに問い合わせを行ったが、返答は得られなかった。
スパム急増の背景
Kindleスパムはここ半年間で急増している。インターネットマーケティングの専門家、ポール・ウルフ氏によると、これは、Kindle書籍を 1日に1冊ずつ作成する方法を伝授する内容のオンラインコース、そして皮肉なことにはそうした内容の電子書籍までもが幾つかリリースされている影響という。その手法の1つには、売れ始めた電子書籍をコピーして、タイトルと表紙をつけかえ、それまでとは若干異なる顧客層向けに出版し直すというものがある、とウルフ氏は説明する。
Kindleと競合する電子書籍リーダーにはBarnes & Nobleが販売する「Nook」があるが、同社のオンライン書店にはまだスパムはあふれていない。
「Barnes & Nobleは恐らくAmazonよりも積極的に電子書籍の内容を管理しているのだろう。もっとも、単にスパム業者にとってはKindleの大量のユーザーがより魅力的だからというだけかもしれない」とForresterのマキビー氏は指摘している。Barnes & Nobleにコメントを求めて問い合わせたが、返答は得られなかった。
電子書籍の出版と流通を手掛けるSmashwordsもスパムには悩まされているが、同社創業者のマーク・コーカー氏によれば、AmazonのKindleほどひどい状況ではないという。
Smashwordsでは、提出された電子書籍については、書式などの基本的な特徴を手作業でチェックした上で出版するという方針を採っている。コーカー氏によれば、スパムの明らかな特徴としては、表紙のデザインがお粗末だったり、表紙に作者の名前が載っていなかったり、書式が雑だったりといった点があげられるという。
また同氏によれば、Smashwordsは四半期ごと著者への支払いを行っているが、Amazonの支払いは毎月だという。「当社の場合、支払いまでに時間があるため、その分、スパム業者を追跡するための時間を多く取ることができ、支払い前にアカウントを閉鎖できる可能性も高まる」と同氏。
またAmazonは無料の電子書籍はあまり提供していないが、Smashwordsは多数提供している。そのため、スパム業者にとってはKindleで多くの書籍を出版する方が金銭的誘因が大きい、とさらにコーカー氏は続けている。
同氏によると、Smashwordsで出版された無料の電子書籍がコピーされ、AmazonのKindleストアで再出版され、最低99セントという料金で販売されている例をこれまでに5~6件見つけたという。
Forresterのマキビー氏によると、Amazonはソーシャルネットワーク的な解決策を編み出す必要があるという。読者が「自分の知っている人たち、あるいは過去にレビューを読んで気に入った人たちからの推薦」を見られるようにすれば、自分の希望のコンテンツを追跡しやすくなり、不正な推薦の回避にも役立つだろう、と同氏は言う。
Logical Expressionsのダフロン氏は、「AmazonはKindleの出版システムへのアップロードを有料にすべきだ」と指摘している。そうすればスパム業者にとっての金銭的誘因は大幅にダウンすることになるからだ。
「電子メールのスパムがこれほど問題になったのも同じ理由からだ。コストが一切かからないからだ」と同氏。「もし1冊の本のタイトルや作者を変えて12種類ものバージョンを異なる価格で出版できるのなら、たとえ1冊か2冊しか売れなくても、利益を上げられる。それでは業者の勝ち、Amazonの負けだ」
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