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米Amazon.comが昨年末から開始した電子書籍レンタルサービスは、ファンド設立による著者へのインセンティブも働き、初月からインパクトのある数字が並んだ。
米Amazon.comは1月12日(現地時間)、昨年末から相次いで立ち上げた電子書籍レンタルサービスとそのファンドについて、初月の成果を公開した。
同社は2011年末、Amazon Prime会員向けに電子書籍のレンタルサービス「Kindle Owners' Lending Library」を開始した。月1冊無料で貸し出しを受けることができる同サービスのラインアップはスタート時で約5000タイトル。米作家エージェント協会やThe Authors Guildなどは既存の出版契約の範疇を超えるものだとして参加出版社に注意を呼び掛けていた。
その後同社は「KDP Select」と呼ぶ年額600万ドルのファンドを立ち上げ、電子書籍のレンタルから著者や版元が収益を得られる仕組みを構築。KDPとは「Kindle Direct Publishing」の略で、従来は「Kindle Digital Text Platform」(Kindle DTP)と呼ばれていた自己出版サービスのことだ。
KDP Selectは、KDPで作品を出版しようとする作家や版元に対し、幾つかの要件――一定期間、著書をAmazonのみで販売することやKindle Owners' Lending Libraryでの著書貸し出し――に応じることができる場合に、レンタルされた回数に応じてファンドから配分を受けることができるというもの。
Amazonによると、Kindle Owners' Lending Libraryは現在7万5000タイトルにまで拡大、2011年12月はKDP Selectが適用されているタイトルだけで29万5000回の貸し出しがあったという。KDP Selectは年間600万ドル、月にならすと50万ドルのファンドなので、同プログラムに参加した作家は著作1回の貸し出しにつき約1.7ドルの支払いを受けたことになる。
キャロリン・マクレイ氏、アンバー・スコット氏などKDP Selectに参加する人気作家トップ10人に対して同プログラムから12月に支払われたのは総額7万ドルで、販売による印税も含めると、前月から最大449%の伸びとなったとしている。
KDP Selectの創設によって、電子書籍のレンタルであっても著者に収益機会があることを成果を持って証明したAmazon。この成果を受け、1月分は基金を70万ドル上積みし、著者のさらなる参加につなげたい考えだ。
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