2011年6月4日土曜日

米Borders Groupが電子書籍販売から撤退、既存ユーザーはKoboに全面移行へ

http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1106/06/news100.html

米書店チェーン第2位で、現在経営再建中の米Borders Groupは6月2日(現地時間)、電子書籍販売業務をKoboへ全面移行すると発表した。
 Bordersは自社のWebサイトのトップページにバナーを設置。ユーザーにKoboが運営している電子書籍販売サイトのアカウントを取得し、 Bordersから購入した電子書籍をライブラリに移動するよう呼びかけている。また、新規に電子書籍のブッククラブとブログを立ち上げ、セールや作家の情報を提供していくという。
 Bordersは電子書籍販売では従来からKoboと提携していたが、今年2月経営悪化のため米連邦破産法11条の適用を申請。その際、Kobo が購入済みの電子書籍の継続利用を保証していた。なお、Bordersは電子書籍販売業務を手放すが、Koboの新電子書籍端末「Kobo eReader Touch Edition」は販売する意向。

2011年6月3日金曜日

まだまだ続くGoogle Book Search和解問題、Google側が和解案の再修正に難色、7月19日まで結論を延期

http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=2437

米ニューヨーク連邦地裁は現地時間の6月1日、世界の出版界をここ数年騒がしてきたGoogle Book Search和解問題に関し、今年3月22日に下したDenny Chin判事の判断について、和解当事者たちから状況ヒアリングを行なった。

  Google Book Search和解問題とは、Google社(本社:米国カリフォルニア州)の書籍全文検索サービス「Google Book Search」について、Google社/米作家団体Authors Guild/米出版社協会AAPの三者による和解締結のこと。その合法性を巡り、2009年頃から世界中の出版界で大きな騒ぎになっていたが、今年3月にようやくChin判事が合法ではないとの判断を下していた。

 現地報道等によると、3月の裁判所判断を受けて Google/Authors Guild/AAPの3者間で和解案の再修正の可否について協議しており、今回のヒアリングでその結果が明らかになる予定だった。しかし、Google側は現在も修正に難色を示している模様で、とりあえずChin判事への結果報告も7月19日にまで延期されることになった模様。

2011年6月2日木曜日

コミック最新刊は電子書籍ストアで買える? 各ストアをチェック

http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1106/02/news089.html

電子書籍ストアがたくさん立ち上がっているのだから、自分の欲しい作品の最新巻も電子コミックで買えるはず……実際に試したところ、予想外の結果となった。

人気コミックの最新巻は電子コミックで提供されているか

角川書店の「月刊少年エース」で連載中の「デッドマン・ワンダーランド」という作品をご存じだろうか。4月からテレビアニメ化された同作品は、漫画版「交響詩篇エウレカセブン」の2人による最新作でもある。
 不覚にもテレビアニメによってその存在を知った私は、早速原作となった漫画を読んでみようと思い立つ。調べてみると、コミックは10巻まで発売されており、9巻は3月26日に、10巻は5月26日に発売されている。
 近くの書店に買いに行くか、あるいはAmazonで注文してもよいのだが、世の中でこれだけ電子書籍が騒がれているのだから、ここは電子版を選択してみようと考えた。幸いにして昨年から電子書籍ストアがたくさん立ち上がっているし、電子版であれば部屋のスペースも圧迫することもない――早速、電子コミックを扱っている幾つかの電子書籍ストアをピックアップした。中でも、BOOK☆WALKERは角川グループが運営しているのだから、当然角川書店から刊行されているデッドマン・ワンダーランドも電子化されたものが販売されているだろう。そんな風に考えていた。
 しかし、現実はそうではなかった。以下が主要な電子書籍ストアにおけるデッドマン・ワンダーランド(電子版)の販売状況だ。
電子書籍ストアデッドマン・ワンダーランド(電子版)販売状況
BOOK☆WALKER9巻まで販売
eBook Japan8巻まで販売
パピレス取り扱いなし
BookLive!取り扱いなし
honto取り扱いなし
TSUTAYA GALAPAGOS取り扱いなし
Reader Store取り扱いなし
LISMO Book STORE取り扱いなし

 以上から、「デッドマン・ワンダーランド」の電子版は限られた電子書籍ストアでのみ購入できるのだということが分かった。上述した電子書籍ストアの中には、現時点で活字ものをメインで扱っているところも含まれているので、コミックに特化したストアとラインアップに違いがあるのはまだ納得できるが、電子書籍ストアはどれも同じというわけではないというのはある種の驚きだった。
 しかしさらに驚いたのは、同作品の版元である角川書店ですら、最新刊は電子コミックで提供していなかったということだ。ユーザーとしては、最新刊の電子版もできるだけ早く――可能であれば紙と同時に――発売してほしいというのが率直な感想だが、出版社としては紙を購入してほしい、ということだろうか。
 ここから、ある仮説を立てることができる。つまり、「現在連載中の人気コミックタイトルの最新刊は電子版が提供されていない」という仮説だ。これは言い換えれば、売れている――出版社の力が強い――作品は、さまざまな事情から電子化がさほど進んでいないという新たな仮説でもある。

GANTZは? ISは? 人気作品の電子コミックは販売されているか

 これを検証するために、もう2作品ほど追加で検証してみよう。1つは、月刊コミックアライブで連載中の「インフィニット・ストラトス」(コミック最新巻は3月発売の2巻)、もう1つは、週刊ヤングジャンプで連載中の「GANTZ」(最新巻は4月発売の31巻)を適当に選択してみた。前者はメディアファクトリー、後者は集英社からコミックが販売されている。いずれもテレビアニメ化または映画化されており、よく知られた作品といえる。
 以下が各電子書籍ストアにおける両作品(電子版)の販売状況だ。
電子書籍ストアIS販売状況GANTZ販売状況
BOOK☆WALKER取り扱いなし取り扱いなし
eBook Japan取り扱いなし取り扱いなし
パピレス1巻のみ販売取り扱いなし
BookLive!取り扱いなし取り扱いなし
honto取り扱いなし取り扱いなし
TSUTAYA GALAPAGOS取り扱いなし取り扱いなし
Reader Store取り扱いなし取り扱いなし
LISMO Book STORE取り扱いなし取り扱いなし

「インフィニット・ストラトス」「GANTZ」の電子版販売状況
ここに至って、鈍感なわたしもようやく理解することができた。ことコミックについて言えば、電子書籍はまだまだこれからなのだと。
 こうした結果となった理由は幾つも考えられる。現時点では、スマートフォンやタブレットを利用しているユーザーの絶対数がビジネスとして採算に合うものではない可能性、それ故に出版社が売れ筋のタイトルを電子化することに意義を見いだしていない可能性などだ。GANTZの例で言えば、集英社はフィーチャーフォン向けには「集英社マンガカプセル」といったサイトを用意し、ここでケータイコミックとして配信している。将来的にはこうしたサービスがスマートフォンやタブレット向けにも展開されるのかもしれないが、それはまだ少し先の話のようだ。
 次回は、各出版社や電子書籍ストアを運営する企業にこの辺りの意向を尋ねてみたい。

紀伊國屋書店の電子書籍ストアアプリ「Kinoppy」を試す

http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1106/01/news100.html

書店の雄、紀伊國屋書店がいよいよ電子書籍サービスを本格的に展開し始めた。ここでは、Android版/iOS版がリリースされた同社の電子書籍ストアアプリ「Kinoppy」を紹介する。

書店の雄、紀伊國屋書店がいよいよ電子書籍サービスを本格的に展開し始めた。
 紀伊國屋書店では電子書籍販売サービス「BookWebPlus」のほか、紙の本を販売するネット通販サービス「BookWeb」を運営しているが、アプリから2つのサービスを透過的に利用できるようにすることで、電子と紙のハイブリッドを推進している。
 同サービスをスマートフォンやタブレット端末から利用可能にするのが電子書籍ストアアプリ「Kinoppy」だ。5月20日にAndroid版が、6月1日にはiOS版がリリースされ、Android MarketあるいはApp Storeで「Kinoppy」や「紀伊國屋」で検索すれば見つけることができる。いずれも無料で、Android版はAndroid 2.2以降を搭載するスマートフォン、またはAndroid 3.0以降を搭載するタブレット端末で動作する。
 書店発の電子書籍ストアアプリであるKinoppyは、電子書籍が一般化していく時代の中で、書店がどのように電子書籍をとらえているのかを考える上で重要なモデルケースといえる。そこで本稿では、Optimus Pad(L-06C)とiPadにインストールしたKinoppyをレビューしていきたい。

電子と紙のハイブリット

 すでにご存じの方も多いだろうが、おおよその「電子書籍ストアアプリ」は、「ストア」「ビューワ」「ライブラリ」といった3つの要素が組み合わさったものを指してそう呼ばれる。単純にストアの機能を提供するのではなく、そのストアから購入したコンテンツをアプリを切り替えることなく読むことができ、かつ、本棚(ライブラリ)のように並べて管理できるようになっている。
 そうした意味では、Kinoppyも紛れもない電子書籍ストアアプリだ。ただし、購入できるのはBookWebPlusで販売されている電子書籍だけではない。紙の本を販売するネット通販サービス「BookWeb」もアプリから注文できる。欲しいと思っている書籍が電子書籍で提供されていないような場合でも、紙の本を入手できるようにしているというわけだ。
 現状ではBookWebPlusのラインアップはまだ十分とはいえない数なので、紙の本でうまく補完しているともいえる。ちなみに、BookWebでは和書/洋書合わせて約1000万タイトルを扱っているので(ただしサービススタート時は和書のみの取り扱いとしている)、探している本がない、というストレスを抱くことにはならないだろう。
 ここで察しの良い方であれば、「紙の本を注文できるとしても、それがアプリのライブラリに並ばないなら残念」とでもコメントするかもしれない。実際、電子書籍ストアアプリのライブラリには、そのアプリ内で購入した電子書籍だけ並ぶというのが一般的だ。しかし、ユーザーは「本」というパッケージを一覧したいのであり、そこに電子と紙の線引きは必要としていない。Kinoppyはさすがは書店が作ったアプリというべきか、そうした線引きの意味のなさを理解しており、購入した「本」をしっかりと陳列してくれる。
 Kinoppyでは、ライブラリに並んだ書籍の情報(書誌情報とサムネイル画像)が自動的にサーバに同期される。これにより、同じ会員IDであれば、複数の端末で本棚の状態を同じ状態にすることができる。ただし、自動同期では電子書籍そのものが同期されるわけではないため、閲覧時には再ダウンロードする必要がある。再ダウンロードができるのは、その時点で販売しているタイトルのみだ。電子だから絶版はないと考えたいところだが、さまざまな事情で販売は終了する可能性がある、と示唆しているようで興味深い。
 Kinoppyの開発はインフォシティ。電子書籍ビューワについて少し詳しい方なら、インフォシティから提供されているビューワアプリ「bREADER」をご存じかもしれない。ビューワとしての完成度も高く、愛用者も少なくないbREADERのノウハウは、ビューワ部分に色濃く継承されている。
 サンプルの電子書籍を開いてみたところ、Android版では縦方向に固定された表示に切り替わった。iPadでiOS版を試したところ、横持ち時は見開き表示となったため、Androidタブレットへの最適化がまだということだろう。なお、文字組みは縦横の切り替えが可能となっている。
 活字ものの一部書籍では文字サイズの変更も可能だ。コンテンツを表示した状態でピンチイン/ピンチアウトで表示サイズを変更し、右上のフォント調整ボタンを押すと、そのフォントサイズでページ内の文字表示が最適化される。

iOS版には多少制限も

 ここで、Android版とiOS版のKinoppyで、唯一大きく異なる仕様について説明しておく。これはAppleのルールに基づくもので、簡単に言えば「Android版Kinoppyで購入した電子書籍をiOS版Kinoppyに再ダウンロードできない」というものだ。具体的な挙動としては以下のようなものとなるので、Android端末とiPhone/iPadを使い分けているような方は注意したい。
  • iOS版Kinoppyで購入した電子書籍はAndroid版Kinoppyで再ダウンロード可能
  • Android版Kinoppyで購入した電子書籍はiOS版Kinoppyで再ダウンロード不可
 また、現時点では海外在住のユーザーはKinoppyで電子書籍を購入できない。これは、海外への販売許諾を出版社から得られないためだが、電子書籍が本来持つ利点をうまく生かせていない部分だ。ただし、ほかの電子書籍ストアでも実際には同様の状況なのかもしれない。
 まとめると、電子書籍ストアアプリのリリースでは後発組といえる紀伊國屋書店だが、紙と電子のハイブリッドをユーザーが満足できるレベルで実現したというのは高く評価できる。後はリアルの店舗をどのようにこのシステムに加えるかが見どころだが、現時点では同社のポイントサービスである「紀伊國屋ポイント」が横断的に付与/利用可能になっているほかは、リアルの店舗との統合感は薄い。こうした部分に紀伊國屋書店がどのような解を示していくのかは今後注目だ。
 今回は紹介しなかったストア部分などにも、紀伊國屋書店ならではの仕組みが隠されているかもしれない。そうした部分については稿を改めて紹介したい。

2011年6月1日水曜日

デジタルトレンド2011:進化する電子書籍 写真集や「動く」「歌う」絵本も

http://mainichi.jp/select/biz/news/20110531ddm010020006000c.html

電子書籍端末として注目を集めたアイパッド(iPad)発売から約1年。国内では、出版社や通信事業者、電機メーカーが相次いで電子書籍の配信事業に参入した。文芸書からビジネス書、絵本などが発行され、対応端末の多機能化など普及に向けた取り組みが進んでいる。【岡礼子】

 ◇マルチデバイス化、KDDIは端末拡大

電子書籍が閲覧できる各社の端末。左上から、ガラパゴス(シャープ)、アイパッド(アップル)、アイフォーン(同)、エクスペリア(ソニー・エリクソン)、リーダー(ソニー)、ビブリオリーフ(KDDI)
電子書籍が閲覧できる各社の端末。左上から、ガラパゴス(シャープ)、アイパッド(アップル)、アイフォーン(同)、エクスペリア(ソニー・エリクソン)、リーダー(ソニー)、ビブリオリーフ(KDDI)
 今年4月、月刊誌「ダ・ヴィンチ」を発行するメディアファクトリーが国内初の電子書籍アワードを発表した。動く絵本「ヌカカの結婚」(森川幸人著)など3作品が大賞を、「歌うクジラ」(村上龍著)が文芸賞を受賞した。「歌うクジラ」は音楽が流れるなど紙の書籍では表現できない工夫が凝らされている。
 多彩な電子書籍が増えるにつれ、購入者は複数の端末で読むことができるマルチデバイス化を期待する。紀伊国屋書店は20日、パソコン向け電子書籍配信サービス「紀伊国屋書店BookWebPlus」をスマートフォンやタブレット端末で使えるようにした。購入履歴や読書記録を一元管理し、同じ会員IDで購入した電子書籍なら3台まで別の端末に再ダウンロードできる。6月1日からiPad、アイフォーン(iPhone)向けアプリも提供する。
紀伊国屋書店BookWebPlusの携帯向けサイト(左)と、KDDIのLISMO Book Storeの画面
紀伊国屋書店BookWebPlusの携帯向けサイト(左)と、KDDIのLISMO Book Storeの画面
 KDDI(au)も、電子書籍専用端末「biblio Leaf(ビブリオリーフ) SP02」だけだった配信サービス「LISMO Book Store」を、4月からスマートフォンに拡大。最大五つの端末で読める。現在は対応する端末は4機種のみだが、順次増やす。感想などをSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿できる機能もある。扱うコンテンツも、ビブリオ向けが小説や実用書に限られていたのに対し、スマートフォン向けでは写真集やコミックを追加。コミックの閲覧が多いので、同社は利用者増に期待している。
 書店で本を探すように、読みたい本から購入方法を選べる仕組みも広がってきた。新潮社は4月、自社サイトに電子書籍ライブラリーを開設し、同社の電子書籍が対応している端末と購入方法の表示を始めた。今後は単行本の刊行から約6カ月後に電子書籍を出していく方針で、スマートフォン、タブレット型、携帯電話などすべての端末で購入、閲覧できるようにする。
 一方、電機メーカーでは新たに富士通が今夏、電子書籍書店を開設する。大日本印刷グループ「モバイルブック・ジェーピー」から書籍の提供を受け、富士通グループのジー・サーチ(東京都港区)の雑誌記事、統計情報、調査リポートなどと合わせて約30万点の品ぞろえを目指すという。

2011年5月31日火曜日

BenQ、Android採用の10.1型電子書籍リーダー「R100」

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110531_449494.html

ベンキュージャパン株式会社(BenQ)は、10.1型画面でAndroid OSを採用した電子書籍リーダー「R100」を6月10日に発売する。店頭想定価格は3万800円。
 「R100」は、10.1型(1024×600ピクセル)のLEDバックライト画面を搭載し、OSにAndroid 2.0を採用した電子書籍リーダー。最大約16時間の連続使用が可能なバッテリーを搭載し、本体メモリーは8GB(空き容量約4.5GB)で、SDカード(SDHC対応、最大16GB)に対応する。本体サイズは172×266×14.55mm。重量は約720g。
 テキストファイルの閲覧では、PDF、TXT、EPUB、HTML、EBI、DOC、PPT、EXCELの各フォーマットに対応し、重要な文章にマーキングしたり、メモを書き込むといった動作が可能。オフィス文書の閲覧・編集に対応する「ThinkFree Office」もプリインストールされる。また、オーディオ(MP3、WMA、AAC)、画像(JPG、GIF、BMP、PNG)、ビデオ(3GP、MP4、AVI、WMV)の再生・表示にも対応する。
 ネットワークはIEEE 802.11b/g/n準拠の無線LANに対応し、メールやブラウザーの利用も可能。Flash Lite 4.0を搭載し、ウェブサイトに使用されている動画やアニメーションなどのFlashコンテンツを見ることもできる。
 Mini HDMI出力端子を搭載し、変換ケーブルによりHDMI端子を搭載した液晶ディスプレイやプロジェクターへの接続も可能。本体には1W×1のスピーカーも内蔵する。