「元年」と呼ばれた2010年を経て、電子書籍が浸透しつつある。携帯電話各社や電機メーカーが昨年12月に相次いで書籍配信サービスを始め、今年に入って会員やコンテンツ数も拡大。KDDIは、電子書籍を閲覧できるauのスマートフォン(高機能携帯電話)の機種を5月中にも大幅に拡充する予定で、本格普及に向けて各社は独自サービスの展開を急いでいる。
KDDIは昨年12月に電子書籍配信サイト「リスモ ブックストア」を開始。当初は電子ペーパーを用いた専用端末「ビブリオリーフSP02」向けだけだったが、今年4月にはスマートフォンの人気機種「IS03」にも対応したことで「漫画の購入率が大きく伸びた」という。複数の端末で同じ本が読める機能やauの決済機能も装備。夏モデルからは、大半のスマートフォンでブックストアを利用できるようにする。
一方、NTTドコモが大日本印刷と共同で始めた電子書籍書店「2Dfacto」は3月までに会員数が約10万人に増加。対応端末数も同社製のスマートフォンなど計10台と豊富だ。サムスン製などタブレット型端末も計3台そろえている。
ソフトバンクが運営する「ソフトバンクブックストア」の書籍数が25万点。「コミックの比率が85%と圧倒的に高いのが特徴」としている。電機メーカーではソニーの配信サイト「リーダーストア」の書籍数が約2万点にまで増えた。1月には雑誌の切り売りにも対応した。
調査会社インプレスR&Dによると、電子書籍市場は2009年度の約580億円から14年度に2.3倍の1300億円に伸びる見通し。同社は「震災でブレーキがかかったが、年末にかけて伸びるだろう」としている。
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