http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0510&f=business_0510_051.shtml
【電子書籍コンテンツ市場=2015年度(2010年度比)に約3倍に拡大】
■電子書籍市場の本格拡大に期待
電子書籍市場が本格的な拡大期に入ることが期待されている。有力電機メーカーが、タブレット型(画面を指で触って操作するタッチパネル式)の携帯端末(多機能型、電子書籍専用型)を相次いで市場投入するとともに、コンテンツ配信サービスの強化を巡る合従連衡の動きも活発化している。
■米アップルの「iPad」発売で普及に弾み
米国の電子書籍市場では、2007年に米アマゾン・ドット・コムが、電子書籍専用型の携帯端末「キンドル」を発売して、普及の口火を切った。そして2010年4月には、米アップルが多機能型の携帯端末「iPad(アイパッド)」を発売したことで、普及に弾みがついた。米アマゾン・ドット・コムの「キンドル」で読める書籍数は、現在70万冊~100万冊と言われ、利用者が電子書籍を購入すれば「キンドル」以外でも閲覧できるようにしている。こうした利便性も普及の一因となっている。
米調査会社のフォレスター・リサーチが2010年11月にまとめた予測によると、2010年の米国の電子書籍市場は前年比3.2倍の9億 6600万ドルの見込みであり、2015年には28億1300万ドルに拡大するとしている。米アマゾン・ドット・コムが2010年夏に、139ドルという低価格の「キンドル」を発売するなど、電子書籍を読むための環境作りが進んでいるため、電子書籍市場がペーパーバック(日本の文庫本に相当)市場を上回る可能性が高いとしている。
■有力メーカーが電子書籍用携帯端末を相次いで投入
国内でも2010年末に、ソニー が電子書籍専用型の携帯端末「リーダー」、シャープが多機能型の携帯端末「ガラパゴス」の発売を開始するなど、有力電機メーカーが電子書籍用の携帯端末を相次いで市場に投入しているため、国内の電子書籍市場の本格拡大が期待されている。
矢野経済研究所が2010年11月にまとめた予測によると、国内の電子書籍市場規模(端末代金、ダウンロードにかかる通信費、広告収入は含まない)は、2010年度見通しの約670億円から2014年度に1480億円に拡大するとしている。タブレット型の電子書籍専用携帯端末向けが、2010年度見通しの20億円から、2014年度に800億円まで拡大することが全体を押し上げる。
現在は市場の大部分がスマートフォン(多機能携帯端末)を含む携帯電話端末向けだが、今後の市場のけん引役はタブレット型の電子書籍専用携帯端末向けに移行すると想定し、電子書籍専用携帯端末向けが市場全体に占める割合は2013年度に4割以上、2014年度に5割以上に達すると予測している。ソニーによると、米国で電子書籍が読まれる量は、専用携帯端末が多機能携帯端末の5倍だとしている。
また野村総合研究所は、2010年12月にまとめたITの主要市場についての2015年度までの予測の中で、米アップルの「iPad」を含めた電子書籍用携帯端末の国内累計出荷台数は、2015年度に2010年度見込みに比べて約18倍の1400万台に拡大すると予測し、電子書籍コンテンツ市場については、2015年度に2010年度見込みに比べて約3倍の2400億円に拡大するとしている。
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