http://wirelesswire.jp/Watching_World/201103230952.html
アマゾン(Amazon)によるAndroid向けアプリストア「Appstore」が、米国時間22日、ついにサービスを開始した。オンライン小売事業で培ったノウハウを活かし、グーグル(Google)が運営する「Android Market」の弱点とされるアプリ検索・販売促進機能を充実させたこのサービスには、「Angry Birds」開発元のロビオ(Rovio)など有名開発者もアプリ販売者として名を連ねている。
一方、アマゾンと競合するアップル(Apple)は、「Appstore」というサービス名称が、同社の登録商標である「App Store」と類似しているとして、名称使用中止を求めて訴訟を起こしている。
アマゾンの「Appstore」では、初日の時点で3800件のアプリが出品されている。そののにはGameloft、Handmark、Glu Mobileといった有名開発者によるアプリも含まれている。「開発者からの反応は上々」と、アマゾンでこのプロジェクトを率いるアーロン・ルベンソン(Aaron Rubenson)氏は、All Things Digitalに対してコメントしている。
ルベンソン氏によれば、「アマゾンは何年もかけて、膨大な選択肢のなかから消費者が最適なものを見つけるための機能を練り上げてきた」という。今回サービスを開始したアプリストアでも、1日1件のアプリを重点的に宣伝、無料で提供する「本日の無料アプリ」、購入前に30分間の試用期間を設ける「TestDrive」、アマゾンにおける過去の購入履歴に基づいたお勧め機能、登録済みクレジットカードでの1クリック購入機能など、充実した販売促進機能が用意されている。
オープンなプラットフォームとして、第三者によるアプリストア立ち上げが可能なAndroid OSだが、すでにショッピング用プラットフォームとして多くのユーザーに親しまれているアマゾン以上に強力なライバルは出現しにくいだろうと、New York Timesは指摘している。
一方、グーグルが運営する「Android Market」では多種多様なアプリが乱立し、アプリの見つけにくさが課題として指摘されていたが、同社は今年2月に検索機能を付与したウェブブラウザ版「Android Market Web Store」を紹介するなど改善にむけた動きをみせていた。
これに対し、iOS向けアプリストア「App Store」を運営し、この名称についての商標権を2008年7月より保有しているアップルは、アマゾンが使用を開始した「Appstore」が自社の商標権侵害にあたるとして、アマゾンのサービス開始に先立つ米国時間18日に、カリフォルニア北部連邦裁判所に訴えを提出している。
なお、現在グーグルの「Android Market」に約15万件、またアップルの「App Store」には約35万件のアプリが、それぞれ登録されている。アマゾンのAppstoreではロング・テールにあたる商品が少ないが、その分グーグルが実施していない審査を行うなど、質を重視する姿勢をみせている。ただし、審査の目的はあくまでも機能しないアプリおよび安全性に問題があるアプリを除外することにあるといい、さまざまな審査基準を設けるアップルとは一線を画しているようだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿