2011年7月4日月曜日

主要電子書籍ストア徹底比較 2011夏



http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1106/30/news004.html

2010年の"電子書籍元年”を経て数多く立ち上がった電子書籍ストア。ここでは、eBook USERのコンテンツナビゲーションを担当する本紹5姉妹「eBookGirls」のコメントも交えながら、乱立する電子書籍ストアの中から主要なストアを紹介していく。



2010年以降に数多く立ち上がった電子書籍ストア。どの電子書籍ストアも同じように感じている人も少なくないだろう。しかし、細かくみていくと、ラインアップも少しずつ異なり、特徴的な機能などが用意されていることもある。
ここでは、eBook USERのコンテンツナビゲーションを担当する本紹5姉妹「eBookGirls」のコメントも交えながら、乱立する電子書籍ストアの中から主要なストアを紹介していく。

TSUTAYA GALAPAGOS



「TSUTAYA GALAPAGOS」はシャープとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の合弁会社により運営されているコンテンツストアで、シャープのメディアタブレット「GALAPAGOS」の発売に合わせる形で2010年12月にオープンした。電子書籍だけでなく、XMDFの表現力を生かして動画を埋め込んだ作品など販売も一部で開始されている。
 コンテンツはダウンロード型で、専用ビューワで閲覧する。ファイルフォーマットはXMDF。2011年6月24日時点のラインアップは書籍が2万7213点、雑誌が359点。日本経済新聞やMainichi Times、ビジネス雑誌が自動配信される自動定期配信サービスを提供しているのが特長。購入代金に応じてCCCが展開するポイントサービス「Tポイント」が付与される(100円につき1ポイント)。
 シャープによるとTSUTAYA GALAPAGOSを利用するユーザーのボリュームゾーンは40代。当初はGALAPAGOSでのみ利用可能だったが、これを若年層にも拡大するため、2011年3月にシャープ製のAndroid搭載スマートフォン向けのストアアプリ「GALAPAGOS App for Smartphone」をリリース。その後、6月に入ってシャープ以外のAndroid搭載スマートフォンからも利用可能になった。iOSには未対応。
 同一のユーザーIDで最大3台までの端末で閲覧できるが、メディアタブレット以外では購入・閲覧できないタイトルも存在する。また、定期購読の配信先は1台に限定される。

Reader Store

「Reader Store」は、ソニーの電子書籍専用端末「Reader」の発売に合わせ、2010年12月にオープンしたソニーマーケティングが運営する電子書籍ストア。
 コンテンツはダウンロード型で、基本的にはReaderでの閲覧が想定されている。ファイルフォーマットはXMDFと.book。Reader自体はEPUBなどの表示にも対応している。
 2011年6月24日時点のラインアップは書籍が1万7298点、コミックが5701点。先日、.book形式を新たにサポートに加えたことで、講談社作品を中心にコミックのラインアップを大幅に拡充した。
 コンテンツの決済方法はクレジットカードのほか、Reader Storeのユーザー登録に必要なMySonyIDの会員ステータスが「メンバー」以上であればソニーポイントも利用可能。

honto

「honto」は、大日本印刷、NTTドコモ、丸善CHIホールディングスの共同出資会社であるトゥ・ディファクトが運営する電子書籍ストア。オープンは2011年1月。大日本印刷とNTTドコモというそれぞれの業界を代表するガリバー企業が手を組んで展開しているため、一挙手一投足に注目が集める電子書籍ストアでもある。
 ラインアップ数は明示されていないが、2万数千点と推測され、大部分が活字もの。コミックは約2000点。コンテンツのファイルフォーマットはXMDFと.book。このほか、一部作品はDIVFというコンテンツタイプで提供されている。対応デバイスからするとiOS向けの配信形態と考えられるが、DIVFについては特に説明がない。
 各作品の詳細ページには、対応デバイスがアイコンで表示されている。漫画のカテゴリにおいてドットブック(.book)形式で配信されるタイトルはストリーミング形式で提供されるが、それ以外はローカルにファイルをダウンロードできる。
 iOS向けには漫画用と活字もの用にそれぞれビューワを分け、「honto BOOK」「honto COMIC」として提供しており、Android向けには2つが統合されたビューワ「BOOKストア 2Dfacto」を用意している。
 なお、hontoでは1つの会員ID(メールアドレス)につき1台のみ端末登録が行える(追記:6月30日に3台まで拡張)。ほかの端末から利用する際には端末解除-端末登録といった手順を踏む必要があるので、実質的には複数のモバイルデバイスで同期を取りながら読書するスタイルは想定されていない。家ではタブレット、外ではスマートフォンをメインに使うような場合は少し注意が必要だ。

BookLive!

「BookLive!」は、大日本印刷と勢力を二分する凸版印刷とインテル、およびビットウェイが2011年2月に立ち上げた電子書籍ストア。PC(Windows)およびAndroid向けに専用のビューワアプリ「BookLive! Reader」を提供しており、iOSはサポートしていない。
 コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、6月29日時点のラインアップは約1万6000タイトル、約2万5000冊。全体の約82%が活字もの、約16%を漫画が占める。ビューワアプリは複数のファイルフォーマットに対応していると発表されているが、ユーザーがそれを意識することはない。
 購入した作品は、PCとAndroid合わせて最大3台までの端末で閲覧できる。ただし、利用端末の解除は、解除する端末からしか行えないので、端末の買い換え時などに多少の留意点があるので注意したい。
 後述するeBookJapan同様、1ポイント=1円として利用できるポイント制度を用意している。コンテンツ代金の支払いは基本的にクレジットカードだが、ポイントをWebMoneyまたはBitCashで購入して利用することもできる。

Kinoppy

「Kinoppy」は、書店の雄、紀伊國屋書店が2011年6月に本格的に開始した電子書籍ストアサービスのアプリとしてiOS版、Android版が用意されている。紀伊國屋書店の電子書籍販売サービス「BookWebPlus」と、紙の本を販売するネット通販サービス「BookWeb」を透過的に利用可能なハイブリッド型のサービスを提供している。
 電子書籍コンテンツの提供形態はダウンロード型で、ファイルフォーマットは.bookまたはXMDF。現在電子書籍の取り扱いは和書のみで、洋書、コミック、雑誌は取り扱っていない。6月29日時点で、BookWebの電子書籍カテゴリのラインアップは3488点とややさみしいが、紙の和書/洋書も含めれば約1000万タイトルを扱っているので、何らかの形で本を手に入れることができるだろう。また、Kinokuniya Pointというポイントサービスを導入している。コンテンツ代金の支払いはAndroidアプリからはクレジットカードのほか、Kinokuniya Point、紀伊國屋書店ギフトカードが利用可能で、iOSアプリからはAppleの課金方式を利用して購入できる。
電子書籍ストアラインアップ対応デバイス台数制限
書籍系コミック系PCMac専用端末iOSAndroid
TSUTAYA GALAPAGOS約2万7000点約680点○(GALAPAGOS)3
Reader Store約1万7300点約5700点○(Reader)5
honto2万数千点(推定)約2000点(推定)○(SH-07C)1
BookLive!1万6148タイトル(約2万4000点)約2600タイトル3
Kinoppy
(BookWebPlus)
約3500点(電子書籍のみ)現時点で取り扱いなし
主要電子書籍ストアのラインアップと対応デバイス

eBookJapan

イーブックイニシアティブジャパンが運営する「eBookJapan」は、2000年12月に立ち上がった老舗の電子書籍販売サイト。
 国内最大規模となる漫画のラインアップを誇るのが特長。現時点で4万8000点近いラインアップを誇るこのメガサイトでは、総合図書のカテゴリで一部文芸書などを扱っているが、ラインアップの約85%を漫画が占めており、ほかの電子書籍ストアでの漫画の取り扱いを大きく引き離している。
 手塚治虫や石ノ森章太郎、ちばてつやなどによる名作はもちろん、現在連載中の作品なども数多く並ぶのが特長。電子書籍ストアの中には、現在連載中の作品を取り扱っていなかったり、取り扱っていても最新巻が用意されていないことなども珍しくないが、eBookJapanはその歴史の中で版元からの信頼を得ているためか、ほかのストアにはない作品の取り扱いも目立つ。
 コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、Windows、Mac OS、iOS(iPhone/iPadなど)、Android、Windows Mobile向けにビューワアプリが用意されている。このアプリは純粋なビューワアプリで、購入が行えるストア型のアプリではない(コンテンツはWebブラウザで購入し、後述するトランクルーム経由でビューワのライブラリに読み込ませる。また、版元の意向でモバイルデバイス向けには配信を許可していない作品もあるので、モバイルデバイスでは全体の1割ほどラインアップが減っている。
購入したコンテンツは、「トランクルーム」と呼ばれるクラウド上の蔵書管理サービスを介すことで、複数の端末から読むことができる。トランクルームは、ユーザーが購入したコンテンツを同社のサーバ上に保存することで、ユーザーの端末が壊れたり紛失した場合でもコンテンツを保護し、かつ複数の端末でコンテンツを共有できるサービスで、2011年1月に無料化された。1つの会員IDで最大3端末からトランクルームを利用できるが、トランクルームへのアップロードとダウンロードの手間が発生する。
 また、1ポイント=1円相当のポイントサービスを用意しており、基本的には購入金額の1%分のポイントが付与されるが、特定作品や全巻をまとめて購入した場合などはポイント付与率が高くなるキャンペーンを定期的に実施している。

電子書店パピレス

「電子書籍パピレス」は、1995年に開設された老舗ともいえる電子書籍販売サイト。運営はパピレス。
 ラインアップはWebサイト上の表記で17万7972点となっているが、その約70%を洋書(12万4881点)が占めている。さらに成人向けの作品やグラビア写真集などを除くと、小説や漫画、雑誌のラインアップはほかのストアとさほど変わらない。
 コンテンツの提供形態はダウンロード型で、ファイルフォーマットに応じてビューワをユーザーが用意する必要がある。ファイルフォーマットは主要なものでbookend、XMDF、.book、WM-DRM、Adobe eBook、そのほか、PDF、HTMLなどで提供されているものもある。小説・実用書などの活字ものがXMDF、コミック・写真集がbookendを中心に提供されている。
 このうち、bookendはPDF形式のコンテンツを保護しながら配信するサービスで、閲覧はbookendクライアントまたはAdobe Readerを利用する。なお、洋書はすべてAdobe eBook形式での取り扱いとなっている。
 老舗の電子書籍販売サイトなだけに、スマートフォンやタブレットなどの比較的最近になって登場したデバイスへの対応が遅れており、現時点ではiOS、Androidともに非対応。ただし、姉妹サイトの「電子貸本Renta!」では、ストリーミング方式を採用することで、iOS/Android端末もサポートしている。
 コンテンツの決済方法は、クレジットカードのほか、WebMoney、インターネット銀行決済(楽天銀行、ジャパンネット銀行)、プロバイダー決済など。
 また、パピレスはTSUTAYA GALAPAGOSに対し、XMDF形式の一部タイトルを提供しているほか、XMDF形式の作品であれば、ソニーの電子書籍端末「Reader」にファイルを移すことで読むことができる。
 なお、パピレスは今後、オプトの持分法適用関連会社になることが発表されている。

BOOK☆WALKER

角川グループが2010年10月に発表、12月にプレサービスを開始した「BOOK☆WALKER」は、電子書籍にとどまらないコンテンツ配信を視野に入れたプラットフォームを版元自ら手掛けている点が注目を集めている。
コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、内部的には.book形式のファイルフォーマットが用いられている。BOOK☆WALKERは当初iOSアプリが、2011年4月にはAndroidアプリも提供された(Android OS 2.2以降に対応)。コンテンツの決済方法は、iOSアプリではAppleの課金方式が、Androidアプリではクレジットカードのほか、WebMoneyが利用可能。
 なお、iOS版とAndroid版のアプリ間でコンテンツを共有できない仕様となっているほか、現時点ではPC Webのサイトからコンテンツを購入できないなど、マルチプラットフォームの展開に課題も残す。同一のApple IDであれば、複数のiOSデバイスで購入したコンテンツを融通できるが、この場合も自動的に同期されるのではなく、改めて購入処理を行う必要がある(二重課金はされない)。
 しかし、「涼宮ハルヒの憂鬱」や「とある魔術の禁書目録<インデックス>」など、若年層を中心に支持されるコンテンツを多くそろえる角川グループがコンテンツホルダーの強みを生かしてコミュニティーを形成している。
 当初の発表では、2011年7月がグランドオープンと位置づけられており、今後が注目される。なお、角川グループホールディングス(角川GHD)とドワンゴは2011年5月、両社の株式の持ち合いによる資本提携を発表しており、電子書籍ビューワ「ニコニコビューワ」の登場も待たれる。

ソク読み

共同印刷グループのデジタルカタパルトが運営する「ソク読み」は、小学館がPC向けに展開していた電子コミックのオフィシャルショップを母体としており、2009年12月にオープン路線に転換、講談社、秋田書店など国内の大手版元13社が作品を提供する電子コミックストアとなった。
 コンテンツのラインアップは6月末時点で約4700タイトル、2万冊を超える冊数を用意しており(詳細は以下の表を参照)、小学館の漫画作品のラインアップがほかと比べて厚いのが特長。
ジャンル少年マンガ少女マンガ青年マンガ女性マンガ総計
タイトル数696(5563)1961(5305)1195(7474)843(2086)4695(20428)
ソク読み 6月末時点でのジャンル別配信タイトル数(括弧内は冊数)
 コンテンツはストリーミング型で提供され、Flashベースの専用ビューワ「DOR」(Digital Object Reader)で閲覧する。閲覧期間が購入から180日となっており、その分価格は1冊290円からとほかの電子書籍ストアに比べ安価に設定されている。
 現時点でiOS向けのアプリは用意されていないが、Android向けにはストア型のアプリが用意されている。Androidアプリは現時点で、NTTドコモから出ている「REGZA Phone T-01C」「GALAXY S SC-02B」「GALAXY Tab SC-01C」、ソフトバンクから出ている「GALAPAGOS SoftBank 003SH」がサポート端末となっている。
 コンテンツの決済方法は、クレジットカードのほか、WebMoney、BitCash、NET CASH、携帯電話決済(DoCoMo、au)、モバイルSuicaが利用可能。

BookGate

廣済堂が手掛ける「BookGate」は、iPhone/iPadユーザーにターゲットを絞った特化型の電子書籍ストア。「持ち運べる総合書店」をコンセプトに、App Storeでストア型のアプリが提供されている。オープンは2010年8月。
現時点でのラインアップは600点をわずかに超える程度で、多いときで30タイトルほどが週一回ペースで追加されている。ジャンル別では、インプレスジャパン刊行の「できるポケットシリーズ」などが並ぶ「コンピュータ全般」と、「自己啓発」のジャンルにそれぞれ60タイトル前後が用意されている。
立ち位置としてはセレクトショップに近く、お目当ての電子書籍を探すというよりは、未知の分野への興味を喚起してくれるようなラインアップとなっているのが特長。また、ミュージシャンの石井竜也さんが執筆する「詞解文書」シリーズなど、書籍化されていないBookGateオリジナルのコンテンツも販売されている。
当初は誌面レイアウトをそのまま表示するイメージ型のビューワアプリだったが、廣済堂は2010年12月にモリサワと提携、モリサワ フォントと組版エンジンを利用するモリサワの電子書籍ソリューション「MCBook」で制作されたタイトルも並ぶようになり、活字もののコンテンツもストレスなく読むことができる。
決済はApple IDで行える。また、コンテンツの提供形態はアプリ内に閉じたダウンロード型で、基本的には期限なくダウンロードできる。
電子書籍ストアラインアップ対応デバイス台数制限
PCMaciOSAndroidWindows Mobile
eBookJapan約4万8000点(ほぼコミック)3
電子書籍パピレス約17万8000点
(大半が洋書)
-
BOOK☆WALKER非公開-
ソク読み約2万点-
BookGate約600点-
電子書籍ストア比較その2

2011年7月1日金曜日

電子書籍端末を書店で販売

http://mainichi.jp/enta/book/news/20110710ddm015040024000c.html
日本書店商業組合連合会と電子出版サービスのウェイズジャパンはこのほど、書店店頭で電子書籍端末を発売する新ビジネスを発表した。端末を買ったユーザーがウ社のプラットフォーム「雑誌オンライン+BOOKS」で電子書籍を購入すると、書店側にウ社側からロイヤルティーが入る仕組み。電子書籍の売り上げが伸びる中、地方中小書店の新たな生き残り策として注目される。
 端末の販売開始は今秋で、価格は1万9800円を予定。ウ社プラットフォームのコンテンツは、コミックを中心にした約1万5000点からスタートし、12年末には約10万点までラインアップを増やすことを目指している。

2011年6月28日火曜日

キャリアの電子書籍サービスは、実際はどれが読みやすい?

http://ascii.jp/elem/000/000/615/615314/
第2回に続いてキャリアが提供する電子書籍サービスを比較していこう。前回はストアの機能自体を比較したが、今度は買った本の読みやすさに関わる機能を比較した。実際の書物と違い、ページをめくる、しおりを挟む、といった何気ない操作も、スマホ上ではタッチパネルでの操作となる。データの保存先はどこ? というスマートフォンならではの気になる点もある。実は意外と3社とも使い勝手が大きく違った。 

案外大きな違いがある3社のサービス

 比較したサービスは前回と同じくNTTドコモの「2Dfacto」(テスト機種/GALAXY S SC-02B)、auの「LISMO Book Store」(テスト機種/IS03)」、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクブックストア」(テスト機種/003SH)だ。
 電子書籍を見るにあたって必ず気になるだろう点を、下記の表にまとめている。

  ドコモ「2Dfacto」 au「LISMO Book Store」 ソフトバンク
「ソフトバンクブックストア」
ストアとリーダーは別アプリ? 同じ 同じ 別アプリ必要
次ページ表示時の演出 ページめくりまたはスクロール スクロールまたは画面切り替え スクロールまたは画面切り替え
前/次ページに移動する方法 フリックまたはタップ フリックまたはタップ フリックまたはタップ
コミックの見せ方 ページ単位 ページ単位/コマ単位 コマ単位
文字サイズ変更
フォント変更 ×(太さは変更可能) ×(太さは変更可能)
書籍内への書き込み × ×
データ保存先 本体メモリ、またはmicroSD/ユーザーメモリの選択が可能 microSD microSD


 まず最初の「ストアとリーダーは別アプリ?」という項目は、要は電子書籍ストア用のアプリ以外に、書籍を読むために必要なアプリがあるかということ。ソフトバンクブックストアが一部必要としているのは「書籍閲覧アプリ」のことだ。
 スマートフォン上の電子書籍といえば、ページが「めくれる」演出が印象的だが、今回の比較では2Dfactoのみ対応していた。

ソフトバンクはストアアプリとリーダーアプリが別途必要。ページがめくれる演出は2Dfactoのみ


 また、大画面のスマートフォンでも、書籍によっては文字が読みづらいことがあり、ピンチ操作で拡大縮小ができるとやはり便利だ。これは逆にLISMO Book Storeとソフトバンクブックストアで対応。コミックは書籍によって違いがあり、ケータイ風のコマ毎表示するタイプと、1ページをそのまま切り替えるタイプがある。個人的にはスマートフォンでは1ページずつ切り替えるほうが自然な気がする(コマ割や文字の大きさにもよるが)。
 書籍への書き込みについては、2Dfactoのみ自由にマーカーやメモを入力できたので、使い方によっては便利そうだ。書籍の保存先は大量に読む読者であれば、microSDが選択できると安心だ。

2Dfactoは、文章にメモを入れたり、マーカーで色を塗ったり、さらにアプリ内で画面の明るさを変更できたりと芸が細かい


機能が豊富過ぎる!カスタマイズ派に嬉しい「2Dfacto」

 ストアで電子書籍を購入して、データをダウンロードすると、2Dfactoアプリの「一覧」などに本が並ぶ。並び方はワンタッチで、書籍タイトル/購入順/読んだ順/著者名順に変更できる。アプリ内に自分で新しく本棚を作ることもできるので、本の分類に便利だろう。書籍の保存先は本体メモリ、もしくはメモリカード/ユーザーメモリが選択できるようになっているが、本体内に10GBほどのユーザーメモリがあるGALAXY Sの場合はこのユーザーメモリに保存される。ただし、著作権保護のために本体メモリにしか保存できない作品もある。

購入した電子書籍が並ぶ書棚は、ユーザーが複数作れるなど、データが管理しやすくなっている。ただし肝心のデータをGALAXY SではmicroSDに保存できないのは残念

 さて、実際に読み始めると、機能が非常に多いことに気づく。前述の比較表以外でも、書籍内のキーワード検索が可能。文字列を入力すると、その文字列のあるページに飛ぶ。文字を長押しして選択すると、Wikipediaなどで用語検索もできるし、書籍内にマーカーで線を引いたり、メモ(ノート)を入力できる。しおりは何枚も挟むことが可能だ。このマーカーやメモ、しおりは、位置が記録されており、いつでもそのページを簡単に開くことができる。

全文検索や選択した範囲のテキストをWikipediaで検索したりと、機能が豊富


 また「縦組み」「横組み」の変更も可能だ(作品によっては固定になっている)。縦組みでは右開きだった書籍が、横組みでは左開きに切り替わる。文字と背景の色まで変更できるのには驚いた。ルビを振ることができるほか、行間や字間の調整にも対応している。さらには画面タップしてページを「進む」「戻す」場合、それぞれの操作が認識される画面のエリアまで決められるので、“自分に最適な読書環境”を目指すのであれば、本アプリはかなり望みに近い設定が実現できそうだ。もっとも、筆者の場合は初期設定のままでもまったく普通に使えたので、必ず設定をいじらないといけないわけでもない。

さらには横組みに変更したり、背景色を変えたりとカスタマイズの自由度は一番だ
画面のどの範囲までタップ操作を認識するかも変更できる

全体的にシンプルだが表示設定にはこだわれる「LISMO Book Store」

 2Dfactoと比べるとシンプルなアプリだが、特に印象的なのは画面をタッチしてもツール関連のメニューが表示されないことだろう。設定を変更したい場合は「MENU」ボタンでメニューを開く。
 2Dfactoは機能が多いために、どこを操作して目的の設定を変更するのか、正直パッと見ではわかりにくい。しかしLISMO Book Storeの場合は、とりあえずメニューを開けばいいので慣れていなくてもすぐに覚えられる。ただしシンプルゆえに、カスタマイズの楽しみは少ない。本棚もデフォルトのもののみを使うことになる。その本棚は「作品」「著者」「カテゴリ」「ダウンロード」「サンプル」でのみ分類されるので、書籍の数が増えると少々整理が大変になりそうだ。ただし、本棚でメニューを開くと検索は可能である。

操作は基本的に「MENU」ボタンから行なう。書棚は2Dfactoと比べると随分シンプルだ

 読書を中断して手動でしおりを挟む場合もやはりメニューから行なうが、肝心のしおりが2枚しか挟めないのは残念。ページ移動は目次からの指定や、全ページをパーセント単位で表わし、その数字で移動する。
 ここまではLISMO Book Storeのシンプルな面をお伝えしたが、「表示設定」は非常に細かい。文字サイズは5パターン、太字設定もある。縦横表示の切り替え/余白調整/行間/ルビ表示/柱(書籍の余白に記載された文字)の表示、さらには1行送りで読んでいくこともできる。コミックの表示ではバックライト表示や、作品によっては「コマ表示」「ページ表示」を好みで選択が可能だ(表示方法が「コマ表示」のみに決められている作品もある)。

ただし文章の見せ方などの設定項目は多い

 そして「レビュー投稿」機能があるのも今後使っていくうえで期待したい機能だ。最後のページまで到達したときや、作品タイトルの長押しで投稿メニューが表示される。

読み終わったあとにレビューを投稿できる機能があるのは電子書籍ならではだ


自作データや仕事の書類もまとめられる「ソフトバンクブックストア」

 保存先の設定は特に見当たらず、データは自動的にmicroSDへ保存された。表ではアプリが2つに分かれているように書いたが、ユーザーが実際に操作するのはソフトバンクブックストアアプリからのみだ。また標準のリーダーである「書籍閲覧アプリ」以外にも、「BSReaderアプリ for ソフトバンク」が必要な作品もあった。これらは操作の中でインストールするように誘導されるので気にする必要はない。
 ソフトバンクブックストアには、ケータイと同じように単行本単位ではなく、1話単位で販売されているコミックが大量にある。そのような作品では1話分を読み終わったときに次の話を探す検索メニューが表示される。これは単純だが良い機能だと思う。

著作権保護の関係か、一部キャプチャー不可能な画面もあったので実機を撮影している。コミックなどで次の話数や関連書籍を続けて検索して購入できる点は便利だ

 ただしリーダーとしての機能はLISMO Book Store以上にシンプル。並び替え機能はもちろん著者名/ジャンル別に分類することは可能だが、書籍内に挟めるしおりは1枚だけというのはさすがに不便だ。特に実用書/解説書の類では、後で読み返したい部分に多数目印をつけておきたものである。これは今後の機能強化に期待だ。

表示のカスタマイズやしおり機能などはとことんシンプルだ

 他の2サービスと違い、この「ソフトバンクブックストア」には自作した電子書籍のデータや、仕事のファイルの管理機能がある。対応ファイル形式は PDF/Word/Excel/ePub。実際にファイルを読むためには別途ビューアーアプリが必要だが、書籍をまとめて管理できるのは便利だ。
 また読まなくなった本は「書庫」に移動する機能がある。書庫に移動した本は普段は本棚(マイブック)に表示されないので、本を整理しやすくなるだろう。簡単に取り出せるので、削除はしたくないが今は読まない本を入れておけばいい。なお、あくまで本棚機能に表示されなくなるだけなので、データ自体は端末に保存されている。

書棚である「マイブック」機能もやはりシンプルなもの。ただし、ユーザーのファイルについても一括して管理できる

 また「マイブックス検索」という、microSDカード内にある書籍とストア内の書籍を探す機能がある。1回のキーワード入力で同時に探せるわけではないが、本を大量に管理するようになったときには便利だろう。

しばらく読まない書籍は「書庫」に移動することで表面には出てこなくなる。また、メモリーカード内のデータやストア内のデータをキーワード検索できる

電子書籍を読むだけならスムーズだが
本の管理とまでなると、機能的にはまだまだ

 3サービスとも単に購入した電子書籍を読むだけなら、特に不満は生じない。しおり機能については、2Dfacto以外はもっと充実してほしいし、マーカー機能やメモ機能も実用書やビジネス書では、使えると大変便利になる。機能が増え過ぎると使いきれないかもしれないが、せっかくスマートフォンで見ているのだから、紙の書籍では難しいことができると「電子書籍で良かった!」と実感できるように思える。
 そういう意味では2Dfactoの「書籍内検索」、LISMO Book Storeの「レビュー投稿」、ソフトバンクブックストアの「次話検索」「マイブックス検索」といった機能は、それぞれ他のサービスにも入ってくるとうれしい。ストア同様これからさらに充実することを期待したい。

「Adobe Digital Publishing Suite」による電子出版を考える

http://journal.mycom.co.jp/column/dpk/001/index.html

1 電子出版を取り巻く現状について

電子書籍のファイル形式

iPadの登場で注目を集めるようになった電子出版ビジネス。現在は、従来のPCや携帯電話に加え、スマートフォン、タブレット型PCと、さまざまな端末が登場し、ファイルフォーマットについても国内外で乱立している。まさに混沌とした状態ではあるが、電子書籍の出力ファイルの制作には、紙の出版関係者にもなじみの深いDTPソフト「Adobe InDesign」のデータを元にするケースが多い。本稿では、電子出版ビジネスの状況と、InDesignでの電子書籍制作について考えてみたい。
まず、現状の主な電子書籍フォーマットについて整理してみよう。紙の出版物には、小説など文字を主体としたものと、雑誌のように写真と文字を複雑にレイアウトしたもの、写真集やマンガなど、画像を主体としたものなどがある。紙であれば、どのタイプであっても印刷されるものであるが、電子出版となると、再生される端末に適したフォーマットを選ぶ必要がある。
文字主体の電子出版物に採用されているフォーマットは、業界標準になりつつある「EPUB」や、Amazon独自の「AZW」、ボイジャーの「.book(ドットブック)」、シャープの「XMDF」などが挙げられる。これらのフォーマットは「タグ付きドキュメント」と呼ばれる、Webページで使われるようなファイル形式であり、HTMLドキュメントに近い特性を持つ。
EPUBは、どのような画面サイズでも読めるという点を重視しているため、ページ内のコンテンツは固定されていない。たとえば、端末側で読者が文字サイズを大きくする操作をした場合は、テキストや図版は次のページに流れ込み、全体のページ数表示も増える。印刷物のようにレイアウトが固定されているわけではないので、段組みや図版を多用する雑誌や新聞には適していないフォーマットといえる。
写真や文字を使い、かつ複雑なレイアウトで表現する雑誌や新聞などの場合、PC向けであれば「Flash(SWF)」や「PDF」が使われることが多いが、FlashはiPhoneやiPadで採用されておらず、絶対的なレイアウを保持するPDFの場合は、スマートフォンの小さな画面では拡大/縮小やスクロールを強いられることがあり、読みづらい。この分野では、各社が独自に開発した表現方法で提供しており、主流となっているフォーマットはまだ存在していない。
マンガの場合は、PDFのほか、セルシスの提供する「Comic Surfing」やイーブック・イニシアティブ・ジャパンの「ebi.j(イービーアイジェー)」といったフォーマットが使われる。これらは、日本の携帯電話向けの市場で発展してきたフォーマットともいえる。コマ単位で見せるなど、小さな画面での閲覧に対応する表現が確立されている。

スマートフォンやタブレットPC向け電子書籍のマーケット

最近続々と登場している、スマートフォンやタブレットPC向けの電子書籍マーケットについても触れておこう。iPhoneやiPadでは、「iBooks」など、EPUBやPDFに対応した閲覧アプリは登場しているものの、電子書籍ファイル販売サービスである「iBookstore」は、日本向けにはまだ提供されていない。このため、国内向けの電子書籍提供者は、文字主体・雑誌・新聞・マンガ・写真集など、その形態に関わらず、EPUBや PDFなどのコンテンツファイルと、それを閲覧するアプリを一体化したアプリとしてAppStoreで販売している。作品ごとにアプリで販売する場合もあれば、専用の閲覧アプリを配布し、そのアプリで再生可能な作品のファイル単位で課金して提供する形態もある。
AndroidOS端末向けには、Google公式のAndroidマーケットなどのアプリ販売サービスを通じて提供されている。提供形態は、 iPhone/iPad向けと同様に、閲覧アプリとコンテンツの一体型、専用の閲覧アプリ+コンテンツ単位の課金が多く見受けられる。Googleではこのほか、書籍検索サービスの「Google ブックス」に登録されている300万冊以上の書籍データを電子書籍として提供するプラットフォーム「Google eBookstore」が、2010年12月に開始した。有料の電子書籍の販売は米国など地域が限られており、今後日本も含め提供地域を拡大していく予定だ(※日本では、著作権の切れた無料コンテンツの閲覧は可能)。 AmazonのAZWフォーマットのファイルを販売するKindleStoreは、同社の電子書籍リーダー端末であるKindleや、スマートフォン向けの専用アプリで閲覧可能ではあるが、本格的な日本語の電子書籍の売買サービスは始まっていない。
次回は、アドビ システムズの「InDesign」を使用した電子出版制作など、国内における電子出版の現状を考えていきたい。

2 日本国内における電子出版の現状について

この連載では、「Adobe InDesign CS5.5」を核としたソリューション「Adobe Digital Publishing Suite」による、電子出版制作のための新しいワークフローについて考えていく。今回は、日本国内における電子出版の現状を紹介していきたい。

電子出版の国内事情は?

日本国内における電子出版の動きとしては、2010年12月にシャープがXMDFフォーマットの電子書籍端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」をリリースし、シャープとカルチュア・コンビニエンス・クラブによる電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」を開始し話題となった。TSUTAYA GALAPAGOSは、GALAPAGOSだけでなく、シャープ製のスマートフォンからも利用できる。メーカー系では、ソニーでも同時期にXMDFフォーマットの電子書籍端末「Reader」向けの電子書籍販売サイト「Reader Store」を開始した。
携帯キャリア自体のスマートフォン向け電子書籍の取組みとしては、まず2010年12月にソフトバンクがシャープ製をはじめとする端末に対応した電子書籍販売サイト「ソフトバンク ブックストア」を、続く2011年1月にはNTTドコモが大日本印刷およびCHIグループとともに電子書籍サービスに関する共同事業会社トゥ・ディファクトを設立して電子書籍ストア「2Dfacto(トゥ・ディファクト)」を開始。KDDIでは、2011年4月からauのAndroid搭載スマートフォン向け電子書籍の配信サービス「LISMO Book Store」を開始するなど、各社とも電子書籍に注力する姿勢が伺える。携帯キャリアが提供するこれらのサービスの大きな特長としては、携帯電話料金といっしょにコンテンツ購入代金を支払えるという決済方法が挙げられる。
大手出版社系で目立ったのが、2010年12月にスタートした角川グループホールディングスによる電子書籍プラットフォーム「Book☆Walker」だ。グループ企業の角川コンテンツゲートが運営するこのプラットフォームでは、.book形式に対応した電子書籍ビューワを iOS機器やAndroidOS機器向けに提供。2011年7月にPC向けに提供、今夏以降に「ニコニコ動画」やGREEなどの外部ソーシャルメディアとの連携サービスも予定しており、電子書籍コンテンツ流通という面でも注目を集めている。

電子書籍の制作ツールとしての「InDesign」

端末種別、ファイル形式、販売マーケットが複雑に絡みあう電子出版界だが、スマートフォンやタブレットPC向けの販売市場としては、iPadや iPhone向けのApp Storeが先行している。その成長に合わせ、電子書籍アプリを制作するソリューションも続々登場している。
モリサワが提供する「MCBook(エムシーブック)」は、InDesignの組版データを使ってアプリができる。ProFieldの「ProBridgeDesigner-i」は、InDesignからiPadアプリを出力できるプラグインだ。このほか、ポルタルトの提供する「moviliboSTUDIO」のように、WebブラウザからPDFをアップロードしてアプリを作れるサービスもあれば、PDFなどの素材をアプリ化し、App Storeへの申請を代行する受託型サービスを提供している企業もある。
これらのサービスは、iPhone/iPadだけでなく、今後成長が予想されるAndroidOS端末向けのアプリ市場にも対応していくと思われるが、アプリに内包するコンテンツファイルは、InDesigで制作が可能だ。InDesignにはPDFやEPUBファイルへの書き出し機能があり、国内で主流のフォーマットである.bookやXMDF作成ツールについても、InDesignの組版データからの変換をサポートしている。Amazonの AZWもPDFやEPUB、HTMLを変換して作ることができることから、電子書籍ファイルの制作ツールとしては、InDesignが最も汎用性があるといえる。
こうしたInDesignでの電子書籍ファイル作成は、文字が主体の印刷物の延長線上にあるものと言えるが、Adobeは2010年10月に、「InDesign CS5」(※現在は「CS5.5」も対応)を基盤とした、雑誌タイプの電子書籍制作を支援する製品「Adobe Digital Publishing Suite(ADPS)」を発表し、新世代の電子出版への駒を一歩進めた。この製品は、iPadやサムソンのGalaxyといった、タブレットPCを主な対象としたもので、制作環境以外に、コンテンツ配信管理や、アクセス解析ツールの「Adobe SiteCatalyst」によるレポーティングなどもサポートしている。
同製品は、既にiPadアプリとして提供されているWired Magazine誌やThe New Yorker誌で使われた技術を基にしており、縦/横の柔軟なレイアウト、スライドショー、ビデオ、音声、ハイパーリンク、Webブラウズ、360° ビュー、パノラマなど、デジタルならではのリッチな演出を可能としている。ADPSは、刺激的なアプローチを追求するクリエイターや編集者、効果的なブランディング手法を探りたいマーケターに支持されるのではないだろうか。未だ決定的な提供形態が確立していない雑誌タイプの電子書籍の主流となるのか、今後も注目していきたい。

電子書籍リーダーの普及率、米市場でふた桁に - 過去半年で倍増、タブレットに先行

http://wirelesswire.jp/Watching_World/201106281021.html

米国時間27日に発表されたPew Internet Projectの調査結果によると、米国における電子書籍リーダーの普及率は、2010年11月の6%から2011年5月には12%へと倍増したという。いっぽうタブレット端末の普及速度は一時期と比べ鈍化してきており、2010年11月の5%、2011年1月の7%、2011年5月の8%と、1月から5 月の4か月間で1%の伸びにとどまったことも明らかになった。
この調査は4月26日から5月22日にかけて行われたもので、18歳以上の男女2277人を対象に、携帯電話、デスクトップPC、ノートPC、DVR、携帯音楽プレーヤー、電子書籍リーダー、タブレット端末の7種類の電子機器について、それぞれの所有の有無を調べた。
登場から比較的間もない電子書籍リーダー(12%)やタブレット端末(8%)は、普及率第5位の携帯音楽プレーヤー(44%)にも大きく差をつけられているが、昨年夏にアマゾン(Amazon)の「Kindle 3」が200ドル以下で、また後には広告入りのモデルが114ドルという低価格で発売されたことをきっかけとして、電子書籍リーダーの普及が急速に進みつつある。2009年4月に電子書籍リーダーが調査対象項目に加わって以来、普及率が半年で倍増したのは初めてだという。なお、アップル(Apple)の「iPad」、サムスン(Samsung)の「Galaxy」、モトローラ(Motorola)の「Xoom」といったタブレット端末は、500ドル前後かそれ以上の価格で販売されている。
保有者を学歴や収入別でみると、電子書籍リーダーの普及率は大学卒以上の層で22%、年収7万5000ドル以上の層で24%と、高学歴・高収入層でとりわけ高くなっている。いっぽう、年収3万ドルから4万9999ドル、5万ドルから7万4999ドルの層でも、2010年11月時点でそれぞれ3%、6 %だったものが、2011年5月には13%へと倍以上に増加。また男女別にみると、タブレット端末では男性の10%に対し女性は6%と差がみられるのに対し、電子書籍リーダーではそれぞれ12%、11%とほぼ同程度の普及率であること明らかになったという。
なおGigaOMによれば、Kindleやバーンズ&ノーブル(Barnes & Noble)の「Nook」といった製品はすでに卒業祝いや誕生日のプレゼントとして購入されることも増えているという。コンテンツ側の充実--アマゾンではすでに電子書籍の売上部数が紙のそれを上回っている--とあわせて、電子書籍リーダーがすでに一般消費者への浸透段階に進んでいることを伺わせて興味深い。
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[出典: Pew Internet Project ]
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[出典: Pew Internet Project ]

2011年6月25日土曜日

iPad、世界のタブレットからのトラフィックの89%を占める ―米comScore調査

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1106/24/news032.html

調査によると、米国では5月のタブレットのトラフィックの97%がiPadのもので、iPadからのアクセス手段の92%はWi-Fi経由だった。

   世界のインターネットトラフィックをタブレットに限定してみると、その89%以上を米AppleのiPadが占めている――。米調査会社のcomScoreは6月23日(現地時間)、非PC端末によるネットワーク利用に関する新調査「Device Essentials」の5月の結果を発表した。
 日本を含む世界の13の地域でのPC以外の端末(タブレット、携帯電話、iPod touchなど)によるインターネットトラフィックでは、携帯電話では多くの地域でiPhoneと米GoogleのAndroidが競合しているが、タブレットではiPadが圧倒的に優位であることが明らかになった。
この表からはトラフィック全体に占める非PC端末の割合は不明だが、日本ではiPhoneのトラフィックが約半分(49.5%)で、Android端末(30.6%)、iPad(11.3%)と続く。日本ではタブレットからのトラフィックの100%がiPadからという結果になっている。
 非PC端末のトラフィックでは、新聞メディアへのアクセスが他のカテゴリより多かった。PCを含む新聞メディアサイトへのトラフィックを端末種類別に示した以下の表からは、全地域でPCからのアクセスが90%を超えているが、英国、シンガポール、日本では携帯端末からのアクセスが5%以上を占めることが分かる。
また、米国でのiOSとAndroidからのネットワークアクセス方法(Wi-Fiか携帯ネットワークか)の調査では、Wi-Fiの利用率はiPadが91.9%、Androidタブレットは65.2%、iPhoneは47.5%、Androidスマートフォンが21.7%だった。
 なお、この調査にモバイルアプリからのトラフィックが含まれているかどうかは明記されていない。

2011年6月23日木曜日

ソニーの電子書籍端末「Reader」コミックにも対応--こだわりのチューニング

http://japan.cnet.com/digital/pc/35004387/
ソニーマーケティングは6月22日、電子書籍端末「Reader Pocket Edition」と「Reader Touch Edition」をバージョンアップし、電子書籍フォーマット「ドットブック(.book)」形式に対応したと発表した。
  • 「のだめカンタービレ」(C)二ノ宮知子/講談社を表示したところ。5型と6型のどちらでも楽しめる
 今回のバージョンアップに伴い、オンラインブックストア「ReaderStore」でドットブックフォーマットのコンテンツ販売を開始。第1弾として講談社の提供により、伊坂幸太郎著「チルドレン」や松本清張著「殺人行おくのほそ道(上)(下)」など書籍約300タイトル(約300冊)と、かわぐちかいじ作「沈黙の艦隊」や二ノ宮知子作「のだめカンタービレ」などコミック約1360タイトル(合計約5700冊)の計約6000冊をそろえた。国内の「Reader Store」における初のコミック販売となる。
 8月末までには、奥泉光著「シューマンの指」や西村京太郎著「十津川警部 トリアージ 生死を分けた石見銀山」などの文芸書、弘兼憲史作「社長 島耕作」や柴門ふみ作「華和家の四姉妹」のコミックなど、人気の高いコンテンツを追加する予定としている。講談社以外の出版社によるコミックの販売は現時点では未定だが、今後に向けて検討していくとしている。
 なお、コンテンツ容量は文芸書はおよそ1Mバイト。コミックは1巻あたり約40Mバイトという。
 ドットブックフォーマットは、ルビ、縦書きレイアウトなど日本語特有の表示に対応し、日本国内で多数の書籍、コミックならびに雑誌をサポートする電子書籍フォーマットの1つ。国内市場向けReaderが発売当初からサポートしているXMDFやPDF、Textなどの書籍フォーマットならびにテキストファイルに加え、ドットブックフォーマットが今回新たに追加されることで、コンテンツの選択の幅が一層広がるとしている。

“自炊”よりもお手軽に--Readerのこだわり

  • 左が製品版で右が自炊のもの。美しさは一目瞭然
 Readerは、月2冊以上を購入する書籍ヘビーユーザーに向けて開発された製品だ。ユーザーアンケートによれば、月2冊以上購入するユーザーが6割以上に上るとし、6冊以上購入するユーザーも13%に上り「ターゲット通りのユーザーが獲得できている」と話す。
 男女比率も徐々に変わってきており、当初13%だった女性ユーザーは、発売から3カ月~6カ月で20%にまで増えている。「当初、ガジェット好きだった男性が購入していたが、徐々に一般層へ広がってきているのではないか」と分析する。
 Readerが評価されている点は、本体の持ち歩きやすさと文字の読みやすさ、バッテリの持ち時間だという。これらは、電子書籍専用端末とライバルと言われるタブレットとの棲み分けの大きなポイントになると見る。ソニー自身もタブレットの発売を秋に控えており、ターゲットを明確にしていくことで共存させたい考えだ。
 これまでソニーは、Readerで文芸書を中心に提供してきたが、コミックも約3割の人が希望しているとし、コミックにも力をいれていくことにしたという。また、こだわったのが、Readerに最適化したスキャンのチューニングだ。
 ソニーと講談社が開発を進める中で、もっともスキャンが難しいと言われていたのは、細かい描写が多い沈黙の艦隊と手書きの擬音や小さい文字が多いのだめカンタービレで、それらがうまく行けばほかも上手くいくと考えていたという。
 今回は両者で最適なアルゴリズムを調整して濃淡部分などを美しく実現したこだわりの仕上がりで、ユーザー自身が裁断してスキャンする「自炊」するよりも手軽で見やすく美しいマンガが楽しめるとしている。