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ドワンゴと角川グループホールディングスは11月8日、ドワンゴが運営するニコニコ動画の1サービスとして展開されている「ニコニコ静画」で、電子書籍サービス「ニコニコ静画(電子書籍)」(略称:ニコニコ書籍)を開始することを明らかにした.
角川グループホールディングスとドワンゴは昨年10月、包括的な業務提携を発表しており、「Book☆Walker」とニコニコ動画(ニコ動)の連携を構想として発表していたが、これがいよいよ実現することになる。
11月中のサービスインを予定するニコニコ書籍のサービス概要は大きく2つに分けられる。1つは、角川グループ直営の電子書籍配信プラットフォーム「BOOK☆WALKER」で配信されているコンテンツの一部をニコニコ静画で閲覧可能にすること。もう1つは、角川グループの人気コミックを毎週無料で配信する「角川ニコニコエース」の創刊だ。
BOOK☆WALKERとの連携では、角川グループのコミックを中心とするコンテンツがニコニコ静画で見ることができる。一部の人気コンテンツは無料で配信予定であるという。ニコニコ動画の特徴ともいえるコメント機能も当然利用で、文章の範囲指定によるコメント閲覧なども可能となっている。後者の機能は、作品中の特定のせりふや印象的なフレーズに対するほかのユーザーのコメントなどが見られるという意味で、ソーシャルリーディングを実現したものだといえる。具体的なイメージは「ニコニコ静画(電子書籍)体験版」にアクセスしてみるとよいだろう。
一方、“創刊”という表現を用いている角川ニコニコエースは、「少年エース」「ヤングエース」「コンプエース」「ニュータイプエース」など角川グループのエース系コミック作品をニコニコ静画内で毎週無料配信するというもの。上記のニコニコ書籍と異なるのは、コンテンツプロバイダーがどうコミュニティーを盛り上げるかが勘案されたものとなっており、コミックの配信だけでなく、新人作家の作品を掲載し、ユーザーからの直接投票による勝ち抜きコンテストの実施や、「描いてみた」系イラストコンテストなどを盛り込んで、盛り上げを図ろうとしている。角川ニコニコエースで配信予定の作品は、「そらのおとしもの」「大好きです!!魔法天使こすもす」「デッドマン・ワンダーランド」「タイガー&バニー」など。このほか追加予定の作品や新人連載を加え30タイトル以上のラインアップを提供する考えだ。
若年層を中心に絶大な支持を集めるライトノベルやコミックの分野などで圧倒的なシェアを持つ角川グループ。先日はメディアファクトリーも買収し、ますます力を増している。同じく若年層のユーザーが多いドワンゴのニコニコ動画。この2社のコラボレーションにより、電子書籍市場に新しい潮流が生まれることになりそうだ。
なお、この発表の模様は11月8日14時からニコニコ生放送でライブ配信される。2部構成となっており、第1部では上述したようなサービスの説明が、第2部では、角川GHDの角川歴彦会長とドワンゴの川上量生会長が「電子書籍・ソーシャルリーディングの未来に向けて」と題したトークセッションに登壇する。
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