ここのところまたにぎやかになってきている電子書籍市場ですが、米国のホリデーシーズンでの需要を見計らってか、海外勢の電子書籍リーダーが実質的な値下げを行っています。
まずは先日楽天が買収することが明らかとなったカナダのKobo。「『出版、そして書籍の歴史が変わる重要な日』――楽天三木谷氏が明かすKobo買収の意図」で楽天の三木谷氏もほのめかしていた広告付きKobo端末(Kobo Touch with Offers)が発表されました。
広告付きというのは、スクリーンセーバーなどに特定の広告を表示する代わりに、端末価格を安価にする手法で、Amazonの広告付きKindleなどがよく知られています。広告付きKindleだと30ドルほど値引きされて提供されており、少しでも価格を抑えたい方には魅力的な選択肢です。
今回Koboが発表した広告付きモデルは6インチのE Ink Pearlディスプレイを搭載する「Kobo Touch」が対象となっており、従来の129.99ドルから30ドル値引きした99.99ドルで販売されます。Amazonと同じですが、広告付きKindleが購入後に30ドルを支払えばいつでも広告をカットできるのに対し、広告付きKoboは現時点でそうした機能は用意されていないようです。
一方、米Barnes & Nobleは、249ドルの「NOOK Tablet」発表に合わせ、6インチのE Ink電子書籍リーダー端末「Nook Simple Touch」を139ドルから99ドルに値下げしました。こちらは広告が付くわけではなく、純粋な値下げです。同製品はNOOK 2nd Editionなどと表記されていたこともありましたが、今後はこの名称で統一するようです。
Amazonの広告付きKindle 4は79ドルですが、こちらは基本的に日本からは購入できず、日本から購入できる広告なしKindle 4は109ドルとなります。ただし、このモデルはタッチ操作に対応していません。タッチ操作に対応したKindle Touchの価格は、広告付きモデルが99ドル、広告なしモデルが139ドルです。
結局「買い」の1台はどれ?
以上をまとめると次のようになります。参考までに、国内で販売されているソニーの電子書籍リーダー端末「Reader」の最新モデル「PRS-T1」と、再度値下げされた前モデル「PRS-650」も紹介しておきます。
端末 | ベンダー | 価格 | 広告の有無 | 日本への発送 |
---|---|---|---|---|
Kindle 4 | Amazon | 79ドル | ○ | × |
Kindle 4 | Amazon | 109ドル | × | ○ |
Nook Simple Touch | Barnes & Noble | 99ドル | × | × |
Kobo Touch | Kobo | 99.99ドル | ○ | × |
Kobo Touch | Kobo | 129.99ドル | × | × |
PRS-T1 | ソニー | 1万9800円 | × | ○ |
PRS-650 | ソニー | 1万2800円 | × | ○ |
各社のE Inkベースの電子書籍リーダーの価格
日本への直接発送が不可となっているモデルでも、転送業者などを利用すれば基本的には日本から購入の購入は可能です。ただし、その場合、手数料などを加味する必要があるので注意したいところです。79ドルのKindleを取り上げた記事の中には、こうした点に触れていないものもあります。
それらを考えると、Amazonが直接発送してくれ、手数料なども比較的安価な109ドルのKindle 4が現時点で最も新しく、かつ安価な海外製の電子書籍リーダー端末といってよさそうです。
ただし、楽天が買収を発表したKoboの端末は、年明けにも国内販売が開始される予定です。AmazonもKindle Storeの国内展開を予定していますが、国内の出版社との交渉次第では、しばらくは国内のコンテンツが十分にラインアップできないことも予想されます。
Koboの国内販売が開始されると、楽天のRabooはもちろん、Rabooと連携しているReader Storeのコンテンツも利用できるでしょうし、長期的には紀伊國屋書店の「紀伊國屋書店BookWeb」で販売されているコンテンツをKobo Touchで読むことも可能になるかもしれません。
以上を勘案してここで挙げたものの中から選ぶとすれば、現時点ではKobo Touchの国内販売開始を待って購入するか、いち早く電子書籍を堪能したいならソニーのReaderを選択するのが比較的賢明な選択といえそうです。
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