2011年9月9日金曜日

~iPadからAndroidへ、どこでも読み継ぐことができる紀伊國屋BookWebの電書

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20110906/1036652/

電子書籍が書籍に取って代わったら、書店はなくなってしまうだろうか。そんなことにはならない。
 音楽の場合と比べてみよう。
 アナログレコードからCDへの転換は急激だったし、CDからダウンロード販売への転換も進んでいるが、どんな形で手に入れようと、音楽を聴くのに再生装置が必要なことには変わりない。音楽が好きな人は再生装置も買う。どうせ買うならより良い方法を追求するのは自然な流れだ。
 でも、紙の本は、それ自体がコンテンツの容れ物であり、再生装置である。単独で完結している。こんなに便利な商品が、簡単に廃れるとは思えない。
 もう一つの理由。電子書籍には再生装置が必要だ。そういう読書があってもいいが、やはり面倒なのではないか?
 iPadにはたくさんの可能性がある。でも、可能性だけでお金を出す人は限られている。再生装置に4万円台半ば~7万円台前半の金額を出すくらいなら、そのお金で紙の本を買った方がいいという説には賛成せぜるを得ない。
 では、どうなるかというと、読書の再生装置として、スマートフォンが最初に認知されるのではないか。iPhoneかAndroid。キホンは電話なので、電話を買ったら電子書籍を読めるおまけが付いてきました的な感覚。紙以外の書籍を読む習慣が根付いたところで、この画面は狭すぎるという話になった時、ようやくタブレット型端末が売れ始めるのかもしれない。



さて、今回は、紀伊國屋bookwebで、第三十回吉川英治文学新人賞作品、「田村はまだか」(朝倉かすみ)を買ってみた。本屋さんが売っている電子書籍である。
まず電子書籍アプリ「紀伊國屋書店Kinoppy」をAPP Storeからインストールする。
Kinoppyで「ストア」を開き、「田村はまだか」を購入する。支払いはApple StoreのIDで行える。

電子版で読むメリットはあるか

iPadで紀伊國屋BookWebの電子書籍を読むためには「Kinoppy」という電子書籍アプリをダウンロードする。このアプリ自体は無料だ。
「Kinoppy」は電子書籍のビューアーであると同時に、電子書籍を購入するためのストアでもある。
「Kinoppy」でストアを開くと、紀伊國屋bookwebにつながる。読みたい書名が分かっていれば検索すると早い。なにか読む本をぶらっと探すなら、ジャンルから探していくといいだろう。
紀伊國屋書店はリアル店舗で書籍を販売しているし、ネット通販の老舗でもある。書籍販売とネットを知り尽くしているという点で、電子書籍のプレーヤーとしてはとてもいい位置にいると思う。
紀伊國屋BookWebは、紙の本と電子の本を両方扱うネット書店だ。紙と電子、どっちがどういいのかを調べるのにちょうどいい。
価格はどうか。
品ぞろえはどうか。
気になる2点をチェックしてみた。
「田村はまだか」の場合でいうと、紙の文庫本は599円、電子書籍版は600円と、同価格帯。とはいえ、配送料や実際に店頭に本を買いに行くための交通費などを考えると、電子版の方が安くて時間の節約になる。これから電子書籍を読むためにiPadを買おうというならともかく、すでに持っている人にとっては電子書籍版を選ぶ価値がある。
ちょっと高めの本で比較してみると、サンデル教授の「これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学」は書籍版は2415円だが、電子書籍版は1600円。このくらい価格差があると、かなりお得感が出てくる。ざっと見ていくと、だいたい1割程度は電子版の方が安い。
では、品ぞろえは。こちらは紙の方が圧倒的に多い。著者名で検索してみると、差異がよく分かる。この状態で紙を無視するなんて、できるわけがない。
とはいえ、電子書籍化されるのは著者の代表作から始まるから、初めて読む著者なら、電子書籍版で読んでから、もっと読みたい時は紙へという流れはアリだと思う。話題作を読むにも向いている。
著者の名前「朝倉かすみ」で検索してみる。多数の著作が購入できる状態にある。

ところが、「電子版のみ」をクリックすると、3冊に急減。人気作家の書籍でもこの程度の進捗状況だ。
「ストア」から「書棚」に移動すると、購入した本の書影が本棚に並んでいる。タップすると、ビューアーモードになる。
複数の端末で読み継げる
 さすがだなあと思うのは、「Kinoppy」はiPhone向け、Android向け、iPad向けに展開されていて、1つのコンテンツをユーザーが好きなデバイスで読むことができる点だ。さらに、スマートフォンはいつ買い換えるか、分からない。前のスマートフォンに入っていた本をまた買わなきゃいけいないの? という不安を抱かせないように、一度買った作品はいつでも再ダウンロード可能になっている。
 一番感心するのは、1つの作品を家ではiPadで読み、電車の中ではAndroidで読みというふうに複数の端末を使って読み継げることだ。
 紙の本なら当たり前のこうした読み方を実現してくれたのは、やはり書店の作った電子書籍アプリだった。「Kinoppy」を使ってみると、紙の本の良さをなるべく損ねまいという工夫が分かる。
 iPadでどこまで読んだか、ということをアプリが覚えておいて、次にAndroidで同じ本を開いた時、自動的にそのページが開く。なにげない工夫だが、読書の継続性からはとても大事なことだ。
 筆者は何冊も併行して読む派なので、紙の本であっても、どこまで読んだか分からなくなって、「えーとえーと」と言ってるうちに時間がたってしまうことが少なくない。「Kinoppy」の記憶力は、それだけでも電子版を選ぼうという気にさせてくれる。
KinoppyはAndroid版もある。Android端末の「マーケット」で「Kinoppy」を検索して、インストールする。無料。

Kinoppyを起動する。紀伊國屋BookWebは会員登録が必要。すでに会員になっている人はメールアドレスとパスワードを入力してログインする。

書棚に「田村はまだか」を発見。タップする。

「田村はまだか」を開く。ページをタップしたり、スライドしたりして、読んで行ける。美しい縦書き。
続きはリンクでね。

0 件のコメント:

コメントを投稿